犬が飼い主に依存し過ぎることで考えられる悪影響とは
犬と飼い主は正しい信頼関係を築くことで、よりパートナーとして良好な関係を保つことができます。しかし飼い主の接し方に問題がある場合、犬が飼い主に依存し過ぎてしまい『分離不安』を引き起こしてしまうことがあるのです。
分離不安とは、飼い主の姿が見えなくなることで犬が強いストレスを感じてしまう症状を指します。分離不安を引き起こすと、犬自身に強い精神的なストレスがかかるだけでなく、あらゆる問題行動につながりやすいので、生活する上でトラブルを引き起こす原因にもなります。
また、ストレスを強く抱え込んでしまうことで、体調面に直接悪影響を及ぼすことも少なくありません。愛犬のためを思うならば、依存し過ぎないよう適切な距離感を保つことも大切です。
愛犬があなたに依存し過ぎている「3つのサイン」
犬が飼い主に依存し過ぎている場合、ある症状やサインを見せています。ここで紹介するサインがすでに出ている場合は、早めに改善策をとりましょう。
1.姿が見えなくなると鳴いて呼ぶ
飼い主の姿が少しでも見えなくなると鳴いて叫んだり、ウロウロと落ち着きなく部屋の中を歩き回ったりすることはありませんか。これは分離不安でよく見られる症状の1つです。
同じ家の中にいても姿が見えなくなるだけで「いなくなってしまうのでは」と強い不安に駆られてしまい、「どこにいるの?」「ちゃんといる?」と確認しようとしています。
2.留守番中に問題行動を起こす
犬が依存し過ぎている場合、飼い主が外出中に問題行動を起こすことがよくあります。
例えば、以下のような問題行動が見られがちです。
- 家具などを噛んだり破壊したりする
- 鳴き続けている
- トイレ以外の場所で排泄する
- ゴミ箱などを荒らす
- 自分の前足を噛んだり体を引っ掻いたりする
- 下痢や嘔吐を引き起こす
留守番中にこのような行動が見られる場合は、普段から距離が近過ぎるあまり分離不安を引き起こしている可能性が疑われます。少しずつ飼い主と離れて過ごす時間に慣れさせていき、分離不安を解消する必要があります。
3.常に飼い主の側にいる、後をついて回る
飼い主に依存し過ぎている犬は、常に飼い主の隣にいたいと考えています。「犬なら普通なのでは?」と思う飼い主もいるかもしれませんが、適切な関係を築いている犬は常に一緒にいることはありません。
常に一緒にいたいと思う心理の裏には、「隣にいないと飼い主がいなくなってしまうかも」という不安が見え隠れしています。つまり、飼い主のことを心から信用していないのです。
常に飼い主の隣を陣取っていたり、後をついて回ったり、いなくなると慌てふためくように探し回ったりしている場合は要注意です。
依存し過ぎている愛犬に取るべき飼い主の改善策
愛犬が自分に依存し過ぎていると感じる場合は、早めに分離不安を少しずつ解消していくための改善策をとることが大切です。
まずはお互いの時間を落ち着いて過ごせるように行動してみましょう。在宅中も常に一緒にいるのではなく、サークルやケージ内で過ごさせる時間を少しずつ増やし、「飼い主と一緒に過ごさなくても大丈夫」と理解させてあげます。
また、飼い主の匂いがついた毛布を用意したり、普段と同じ環境を準備したりと留守番中の環境を整えた上で、短時間から少しずつ留守番の時間を増やしていきましょう。
外出前や帰宅後はついかまってしまいがちですが、ここはあえて犬の視線や「かまって」アピールを無視して落ち着いて対応してください。ここで大げさにかまってしまうと、留守番や飼い主と過ごさない時間が非常事態であると捉えられてしまう恐れがあるからです。
このように、少しずつ飼い主がいない時間に慣れさせていくことで、徐々に飼い主への依存度が下がり、「飼い主さんは絶対に自分の元へ帰ってきてくれる」という本当の意味での信頼につながります。
まとめ
いかがでしたか。犬が飼い主に依存し過ぎていることと信頼は別物です。分離不安は犬にとっても飼い主にとっても辛い症状なので早めに改善し、本当の意味で信頼関係を築けるよう努めましょう。場合によっては、ドッグトレーナーや獣医師に相談することもオススメです。