犬がはしゃぎすぎるリスクとは
「犬がはしゃぎすぎる」とはどのような状態を指すのでしょうか。
初めは尻尾を振ったりちょっと飛び跳ねたり走り回ったりなどというような仕草や行動で喜びを表しますが、それをそのままにしていると、徐々に感情や動きを制御できない「興奮状態」になっていきます。また、喜びのあまり興奮するのと反対に、恐怖から興奮状態に陥ることもあります。
興奮状態になると、もう飼い主の声は耳に届きませんし、犬自身も自分の気持ちや体の動きを落ち着けることができなくなって更に興奮をしてしまいます。
今回は、犬がはしゃぎすぎた場合の悪影響について考えてみましょう。
1.ケガのリスク
犬は興奮するとそこらじゅうを高速で走り回ったり、ぴょんぴょんと激しくジャンプしたりすることがあります。この激しい動きは、関節に強い負担をかけてしまう上に、繰り返されることでスリップや着地の衝撃で炎症を引き起こすことがあります。
また激しく動き回る犬を止めようと手を出したりすれば、興奮しきった犬が攻撃行動を取ることも。また、跳ね回る犬が人間や他の犬にぶつかって大ケガを負わせてしまうリスクもあります。
2.脱走のリスク
興奮状態にあると、犬の耳には飼い主の声は全く届かなくなります。室内であっても激しく動き回りますし、散歩などで屋外にいるときも猛スピードで走り回ってしまうことがあります。
このとき、ついうっかり窓を閉め忘れていた、何かの拍子に玄関のドアが開いてしまった、ちょっとリードを持つ手が緩んでしまった、というアクシデントが起こるとどうなるでしょうか。
犬は飼い主の「トマレ」の声など全く聞こえない状態なので、あっという間にどこかへ走り去ってしまうリスクがあるのです。
そうなると、迷子になるだけでなく、道路に飛び出した瞬間に交通事故にあう危険も十分に考えられます。
3.騒音などの近所迷惑になるリスク
犬が興奮した時、無言でただ走り回るわけではありません。大抵の場合は大きな声で吠えながら走り回るでしょう。この動き回る物音と吠え声が、ご近所迷惑になる可能性も否定できません。
吠える声や動く音が大きいというと大型犬を思い浮かべますが、小型犬だからといって油断もできません。甲高い小型犬の吠え声は意外と遠くまで響きますし、走り回って家具などを倒してしまえばそれも大きな音が出ます。
一軒家や日中なら多少の物音は気にならないものですが、これが夜中になると途端に大迷惑になることも。集合住宅で犬を飼っている場合はなおさら注意が必要です。
興奮させすぎないための対策
飼い主が帰宅したりごはんをあげたりするタイミングで「犬に喜ぶな」というのは無理な話です。犬にだって感情があり、それを表現することは悪いことではありません。しかしそれを「興奮状態」にしないよう、飼い主側が調整をしてあげる必要があります。
犬を興奮させすぎないようにするためには、基本的な以下の3点が大切です。
- 助長させない
- 退屈させない
- 基本的なしつけをする
「助長させない」というのは、犬がはしゃいでいるときの対策です。
犬がはしゃいでいるときに高い声で応じたり、抱きしめたり、大きな声で名前を読んだり、ということは、全て『犬の行動に反応している』ということになります。犬は飼い主が反応してくれたと勘違いしてしまい、更に興奮状態を助長してしまうことになりますので、注意しなくてはなりません。
「退屈させない」というのは、犬にフラストレーションを貯めさせないということです。
留守番などで「暇だな」「退屈だな」「心細いな」という感情を強く持たせてしまうと、その反動で飼い主が帰宅した時の喜びが大きく表現されてしまいます。そしてそれが、より強い興奮につながってしまうのです。
留守番中は退屈が紛れるよう、短時間なら知育玩具で遊んでいてもらったり、留守番前に散歩で疲れてもらったりすると良いでしょう。
「基本的なしつけ」は、どんな場面でも重要です。「マテ」「スワレ」「フセ」などのコマンドをしっかり実行できるようになっていると、はしゃいでいるときでも興奮状態になる前に座らせたり伏せさせたりして、一旦犬の気持ちを落ち着かせることができるようになります。
まとめ
犬がはしゃいでいる姿はかわいいものですが、行き過ぎるとケガや他の人への迷惑になることもあります。
普段から興奮しすぎないように犬の行動を観察し、興奮状態を制御できるように練習してあげることは、結果として犬の身を守ることにもつながります。