飼い主の性格は犬に影響を与えるのか？
犬はそれぞれ元々持っている気質があります。それは、犬種が持つ傾向であったり、個体ごとの性格であったりしますが、生まれ持った気質が生涯変わらないというわけではありません。
犬の性格が形成されるとき、元々持っている気質に加えて、長い時間を一緒に過ごす飼い主さんとの関わりや経験、つまり「育ち方」も重要な要素となります。そのため、飼い主さんの性格や振る舞い、犬に対する対応方法は犬の性格決定に非常に大きな影響があると考えられています。
怒りっぽい飼い主の犬は怒りっぽく、引っ込み思案な飼い主の犬は引っ込み思案に…と、飼い主と似たような性格になることも少なくないため、飼い主がネガティブな性格の場合はその愛犬もネガティブになることがあるのです。
飼い主がネガティブな性格の場合に愛犬に与えている影響とは
ではここからは、飼い主がネガティブな性格の場合に愛犬に与えている影響について解説します。
犬が不安を感じやすく臆病になる
飼い主がネガティブな性格だと、小さなことでも不安を感じたり心配ごとで思い悩んだりすることがあります。
犬は人の表情や態度、声のトーンなどから感情を読み取る能力があるうえに、身近な人への共感力も持っているため、落ち込んだり悩んだりしている飼い主のそばにいると、同じように落ち込んだ気分になってしまうことがあります。
また、飼い主がネガティブで心配性の場合、犬がする行動に対しても神経質になってしまう傾向があります。愛犬の怪我やトラブルが起こることを避けるために、積極的な行動や新しいことにチャレンジする行動を止めるなど、犬が社会性や経験を身につける機会を知らず知らずにうちに奪ってしまうことも少なくありません。
経験が少なくいつも飼い主に守られている犬は、憶病になりやすいですし、様々な場面で不安感を抱きやすくなってしまいます。
ストレスで心身に疲労を抱えやすくなる
飼い主がネガティブな性格だと、それに影響されて不安や心配を抱きやすい犬になることが考えられます。社会性が不足していることで不安を感じやすい犬は、ストレスを感じやすいという傾向もあります。
過度なストレスは、いたずらや問題行動をはじめ、様々な疾病の要因にもなります。また、飼い主との関係を悪化させてしまうことも考えられるでしょう。肉体的にも精神的にも悪影響を及ぼす可能性があることを考え、犬にはストレスをかけすぎないようにしなければなりません。
また、不安でなかなか落ち着いて休めないタイプの犬は、睡眠不足になったり疲労が蓄積したりするため、体力や免疫力が低下してしまうこともあります。
ネガティブ思考による影響を愛犬に与えないためには
日本人は、慎重で心配性なタイプが多く、ややネガティブな性格を持っている人は少なくないと思います。また、心配性の性格やネガティブ思考をやめたいと思っていても、そう簡単に性格を変えることはできないのが実情ではないでしょうか。
そのような人が犬を飼う場合、根本的な性格を直すのはむずかしくても、愛犬の前ではあまりネガティブなところを見せないようにすることも大切です。すぐに落ち込んでため息をついたり、思い悩んで暗い顔ばかりしていたりすると、愛犬は飼い主さんのことを心配しますし、影響を受けて落ち込んでしまうこともあるでしょう。
愛犬の前ではできるだけ笑顔でいるように心がけたり、穏やかな気持ちで接したりすることが大切です。
また、心配性な性格の飼い主さんは、愛犬を大切に思うあまり、様々なシーンで過保護になりすぎてしまうこともあると思います。そうすることで、犬の成長に必要な経験を奪ってしまうこともあるので、時には愛犬を信じて見守る姿勢も必要です。
まとめ
犬の性格形成や行動決定に、飼い主の性格は非常に大きな影響を与えます。また、人の感情を敏感に読み取って共感する能力のある犬は、飼い主がネガティブな感情でいると、犬も同様の感情になりストレスを感じるようになってしまいます。
ネガティブな考え方は決して悪い面ばかりではありませんし、そう簡単に性格は変えられないと思います。しかし、愛犬を不安にさせるような態度や表情はあまり見せないようにし、できるだけ明るく接するように心がけてくださいね。
