愛犬がたまねぎを食べてしまったら…
私にも「愛犬がたまねぎを食べてしまって…」という経験があります。
家族4人分のハンバーグを食べてしまったのですが、大きめのたまねぎが1個分入っていました。もともと肉食の犬なのでお肉に問題はないかなと思ったのですが、たまねぎは絶対にダメですよね。
すぐに病院へ行くことができたので、適切な治療をしていただき、何事もなく済みました。さすがに生のたまねぎを食べる犬はいないと思いますが、たまねぎの入った食べ物に注意が必要です。
犬がたまねぎを食べると中毒症状を起こすことがあります。どれくらいの量を食べたら危険なのか、食べてしまった時の対処法を解説します。
愛犬がたまねぎを食べてしまっても、焦らず冷静に対応すれば大丈夫です。
犬に中毒症状が出るたまねぎの摂取量の目安
体重1kgあたり、15g以上を食べると中毒症状が出る可能性が高いです。3㎏の犬では45g以上、7㎏の犬では105g以上、15㎏の犬では225g以上です。
大きめのたまねぎ1個が約300g、中くらいのたまねぎ1個が約200gあります。
犬の年齢や健康状態によって、中毒症状を起こすたまねぎの摂取量は変わると考えた方がよいです。「ちょっとしか食べてないから大丈夫」と安易に考えてはいけません。
なぜ中毒症状を起こすのか
たまねぎに含まれている有機チオ硫酸化合物は赤血球にあるヘモグロビンを酸化させ、多数の赤血球を破壊してしまいます
その結果、ワンちゃんの体内で赤血球が壊され続け、溶血性貧血という病気になってしまいます。
たまねぎを食べて起こる中毒症状
主な中毒症状は貧血です。貧血によって起こる二次的な症状を見逃さないように注意することが必要です。
貧血を起こした時、犬の元気がなくなります。衰弱し、亡くなってしまう犬もいます。たまねぎを食べた後、元気がないように感じたら危険サインだと捉えた方がよいです。
また、血管内の溶血を起こした時、嘔吐・下痢・血尿・血便などの症状が見られます。「溶血」とは、赤血球が破壊される現象のことを言います。
犬がたまねぎを食べてしまった時の対処法
たまねぎを食べた後、すぐに中毒症状を起こす犬もいますし、数時間後に症状が出る犬もいます。すぐに動物病院へ行くことができるのであれば、今すぐ連れて行ってください。
休診日や夜間である時は、かかりつけでなくても診てくれる動物病院を探してください。見つからなくても焦る必要はありません。
- いつ食べたのか（○月○日、○時○分頃）
- どれくらいの量を食べたのか
- 生なのか
- 調理後なのか
どのように食べてしまったのかを正確に獣医師に伝えることができるよう、準備しておきましょう。調理後なのであれば、たまねぎ以外の食べた物や調味料なども把握しなければなりません。
「これは絶対にダメ！」なこと
- 犬がたまねぎを食べたら牛乳を飲ませればいい
- 食塩水を飲ませて吐かせればいい
このように言われることがありますが、絶対にやめましょう。たまねぎを食べたことによる中毒症状以外の危険なトラブルが起きてしまうことがあります。
飼い主にできることは、今すぐに動物病院へ連れて行くことです。夜間に対応してくれる病院を見つけることができなかった場合には、次の日の朝すぐに連れて行ってあげてください。
柴犬と秋田犬は要注意！？
実は柴犬と秋田犬は、たまねぎを食べたことによる中毒症状を起こしやすい犬種であるとされています。
遺伝的な要因によって高カリウム赤血球を持っており、たまねぎを食べたことによる血管内の溶血を起こしやすいとされているためです。
他の犬種よりも、たまねぎを食べてしまった時、赤血球が破壊されやすいということなのでしょう。
冒頭でお話しした、大きめのたまねぎが1個分のハンバーグを食べた私の愛犬ですが、柴犬の女の子でした。豆柴といって、体の小さな犬種です。
すぐに適切な治療を受けることができれば、何の症状も起きることなく健康に過ごすことができます。まずは焦らず、適切な対応をしましょう。
まとめ
「犬がたまねぎを食べたら死んでしまう！」と考える人もいますが、飼い主に求められることは『冷静に適切な対応をすみやかにできるかどうか』です。
すぐに動物病院へ連れて行きましょう。犬が致死量にあたるほどの量を食べることはないはずです。
なお、犬は体重1kgあたり15g以上のたまねぎを食べると中毒症状が出る可能性が高いため、食べてしまった量を把握することも大事だと思います。
