把握できていますか?飲水量は犬の健康状態のサイン

把握できていますか?飲水量は犬の健康状態のサイン

わんちゃんの体の約60%は水分から成り立ち、その水分量の維持や尿として老廃物を排出するためにも飲水は欠かせません。飲水量は健康維持と密接に関係があり、健康管理のためにも健康時の飲水量を把握できていると安心です。飲水量の変化が病気のサインであることもあります。

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記事の提供

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

飲水量を把握する方法

犬と水が入ったボウル

普段からわんちゃんの生活するスペースに水飲み場の設置は欠かせません。わんちゃんの普段の飲水量は把握できていますか?

健康時の飲水量を把握しておくことで飲水量の増加や飲水欲の減退などにいち早く気付くことが出来ます。では、どのような方法を取ればよいのでしょうか。

ペットボトル式の飲水器の場合

ペットボトルに飲み口を付けた飲水器を使用されているご家庭も多いと思います。

ペットボトル式の飲水器の場合、300mlや500mlのペットボトルに決められた量の水を入れ、設置した時間を覚えておいてください。

24時間後に残っている量を計測し、入れた水の量を引けば1日の飲水量を知ることが出来ます。

ウェットフードを食べたり、ふやかしてご飯を与えている場合は水分をごはんで摂取しているため、飲水量が減るケースもあります。

個体差はありますが健康なわんちゃんだと、飲水量の目安は体重1kgあたりで50mlと言われているので、例えば4㎏のわんちゃんであれば150mlくらいです。

ステンレスや陶器など、食器型の飲水器の場合

ステンレスや陶器など、食器型の飲水器の場合も同様です。目安となる量の水を食器に入れたら、時間を覚えておいて、24時間後に残った量を測って差し引いてあげてください。

食器型の飲水器の場合、季節によって蒸発の程度が異なり、多少の誤差は生じますがある程度の飲水量を把握することが出来ます。

注ぎ足す場合もわからなくならないように、わかりやすい量を注ぎ足すと24時間後の計算時に混乱しづらいでしょう。

飲水量が増えるタイミング

水飲み中の犬

病気でなくても、生理的な現象で飲水量が増えるタイミングもあります。

飲水量の把握を始めて、増加がわかった時に病気ではないかと不安になってしまうこともあるかもしれません。しかし、以下のようなときは病気ではなくても飲水量が増えることがあります。

緊張

緊張すると呼吸数が上昇し、口の中が乾燥します。この乾燥を解消するために一時的に水を飲む頻度が増えることもあります。

自分を落ち着かせようとする行動をカーミングシグナルと呼びますが、水を飲んだり舐めることがカーミングシグナルである子もいます。

呼吸数の増加するとき

暑い時や運動後などの呼吸数が上がった時に、緊張時と同様口の中の乾燥を潤すために、水を飲む頻度が増す場合があります。

人間は暑い時に汗をかいて水分が体内から消失するため、水を飲みますが、わんちゃんの場合は暑さによって汗はかきません。

肉球の一部に汗腺は存在しますが、体のほとんどに汗腺が発達していないためです。

薬の服用時

お薬によっては投薬によって飲水量が増えるものもあります。代表例としてステロイドが挙げられます。飲水量が増え、尿量が増える傾向があるので注意が必要です。

お薬の処方時に説明があると思いますが、この際に充分に飲水ができるように、水の補充をしてあげましょう。

全てのお薬に利尿及び飲水量の増加作用があるわけではなく、投薬後に尿量が増えてもお薬が無関係である場合もあります。

変化が見られた場合は、処方してもらったかかりつけの先生にお薬の注意や投薬後に見られた変化について確認および相談してみることをおすすめします。

飲水量が増えた時に考えられる病気

水飲み中の犬

飲水量の増加が病気のサインである場合もあります。どのような病気が疑われるのでしょうか。

腎不全

腎臓は尿を作り出して、尿路を通じて老廃物を排出する働きをします。

腎臓の機能が低下してしまうと、水分を体内に維持する機能が低下するためどんどん尿に排出してしまい、うすい尿を大量に排出する傾向があります。

それに伴い、体の水分がどんどん排出されてしまうため、補うために飲水量も増えるという変化があり、注意が必要です。

腎不全の程度が悪化すると血中尿素窒素と呼ばれる毒素の濃度が上がり、嘔吐や食欲不振などの体調不良につながり、ひどい場合は命の危険につながることもあります。

飲水量の変化に合わせて、定期的な血液検査や尿検査を行い、腎機能の状態を把握しておくと症状が現れる前に早期発見が出来る可能性が高く安心です。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎と呼ばれる、腎臓の近くにある器官の副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールの分泌が亢進されることで体内で異常が起こる病気です。

コルチゾールは代謝にかかわる大切なホルモンですが、過剰に分泌されることで多飲多尿、免疫力の低下、皮膚の石灰化などが発見しやすい変化として現れます。

免疫力の低下により、皮膚疾患などの感染性疾患が治りにくくなることなどで発見されることも多いです。

血液検査や超音波検査などを組み合わせてこの病気であることが確定されることが一般的です。

また、加齢に伴ってこの疾患になることが多いため、早期発見できるよう血液検査などの定期的な健康診断を行うことをおすすめします。

まとめ

飲水量や頻度の変化がわんちゃんの精神状態および体の状態のサインとなり得るため、日常的に把握できていると、小さな変化にも気付きやすくなります。

小さな変化への気づきが病気の早期発見にもつながるため、定期的に飲水量にも注目してみると安心です。

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