犬に「白菜」は与えて大丈夫?
結論からお伝えすると白菜は犬に与えても問題のない野菜のひとつです。
白菜の栄養素のほとんどが水分ではありますが、ビタミンや食物繊維、またミネラルなどが含まれており、犬の体に良い栄養素もたっぷり。
しかし、全ての個体に合うわけではないこと、また与え方を注意しなければ消化不良や下痢を引き起こしてしまう危険性もあります。
白菜の栄養素が犬に与える効果や与える際の注意点などお伝えしていきますので、ぜひ参考にして下さい。
白菜の主な栄養素と犬に与える効果
1.水分
白菜の約95%は水分になります。あまり水を飲まない犬の水分補給にぴったりな食材。夏は熱中症予防に繋がりますし、冬も寒くなると体が冷えて水を飲む量が減ってしまう個体が多くなります。
そんな時の水分補給におすすめです。白菜はほとんどが水分なの非常に低カロリーです。ダイエット中の犬にはご飯にトッピングしてかさましに使用するのも良いでしょう。
2.ビタミン
白菜には様々なビタミンが含まれています。ビタミンとはそれ自体が犬の体を作ったり、エネルギー源になるわけではありませんが、ほかの栄養素を上手く働かせるためにとても重要なものになります。
- βカロテン
- ビタミンC
- ビタミンK
- ビタミンB群
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜、被毛の健康維持、また視覚機能の向上や強い歯をつくる助けとなります。
ビタミンCはコラーゲン生成に必須のビタミン。犬の皮膚の健康を守り関節の動きをスムーズする働きがあります。また血管をしなやかに保つ、抗酸化作用によるがん予防や免疫力向上にも繋がると言われています。
ビタミンKの働きは血液凝固や骨の石灰化の調節になります。怪我をして出血してしまった時に血が固まってくれるのはプロトロンビンというたんぱく質の働きで、これを作る時にビタミンKが必要になります。また骨を形成を調節しているタンパク質の合成にもビタミンKが必要です。
ビタミンBには脂肪や炭水化物、たんぱく質や糖を代謝させエネルギーを生成する働きがあると言われています。
3.カリウム
白菜に含まれるカリウムはミネラルの一種です。カリウムには過剰な塩分を排出する働きがあるため血圧を安定させる働きがあります。また細胞を健康な状態に保ち、体液の浸透圧を調節する働きもあります。
4.食物繊維
食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維がありますが、白菜には両方の食物繊維が含まれています。血糖値の急上昇を抑えコレステロールを体外に排出すると共に、便秘の改善や満腹感の持続に効果が期待できます。
白菜を犬に与える時の注意点
1.加熱して与えましょう
基本的に犬は野菜の消化酵素を持っていないため、しっかりと栄養素を吸収させるには加熱したほうがよいでしょう。また柔らかく茹でることで消化もしやすくなるため、子犬や老犬に与える時でも安全性が高まります。
白菜に含まれるビタミンCやカリウムは、水に溶けだしやすい栄養素になります。茹で時間は短めで、なおかつ柔らかく茹でるためにも硬さがある芯の部分は薄く切ってから茹でましょう。それを更に細かく刻んで与えると栄養の吸収や消化が高まります。
2.甲状腺疾患の犬は要注意
白菜をはじめとしたアブラナ科の野菜にゴイトロゲンという成分が含まれていて、甲状腺ホルモンの分泌を阻害すると成分と言われています。
ゴイトロゲンの大量摂取を毎日続けなければそれほど心配ないと考えられますが、現時点で甲状腺機能の低下が見られる犬には与えないほうが賢明です。
犬にやってはいけない白菜の食べさせ方
1.生のまま与える
上記にも書きましたが犬は野菜の消化酵素を持っていません。白菜を生で与えたからと言って毒になってしまうわけではありませんが、消化に時間がかかり胃腸に負担をかけてしまう危険性があります。
また硬い芯の部分で喉を詰まらせてしまうことも…。しっかりと過熱してから与えましょう。
2.初めて与える時に大量に与えてしまう
白菜はアレルゲンになりにくい食材ではありますが、絶対にアレルギー症状が起きないとは言えません。白菜を食べた後や後日に下痢や嘔吐、口や目の周りが赤くなるなどの症状が見られたら愛犬にとって白菜はアレルゲンかもしれません。
初めて与える時に大量に与えてしまうと、症状も重たくなってしまう可能性があります。初めはごく少量から与え、与えた後の愛犬の様子をしっかりと確認しましょう。
まとめ
白菜はクセのない野菜なので嫌がる犬はあまりいないかもしれません。しかし与えすぎも体に良いことではないので適量を意識したいところ。
犬に白菜を与える時の適量は個体差、オヤツとして与えるのか、フードのトッピングとして与えるのか、手作りご飯の食材のひとつとして与えるのかでかなり違ってくるかと思います。
目安ではありますが犬の体重に合わせた白菜の1日の適量は、10㎏の体重で20g程度言われています。この数字をマックスの量と考えて、ごく少量から与え始め、愛犬の様子やうんちの状態を確認しながら適量を決めていきましょう。