犬の飼い主がやり過ぎてしまうお世話
今回は、犬の飼い主がやり過ぎてしまうお世話について解説します。良かれと思ってしていたことが愛犬に悪影響を与えている可能性もありますのでご注意ください。
1.ずっと一緒にいる
ずっと一緒にいるのは、犬の飼い主がやり過ぎてしまうお世話です。
1日のほとんどを愛犬と一緒に過ごしていませんか。愛犬がひとりになれる時間を作ることができていますか。
(寂しい思いをさせてはいけない)というような思いから、犬がひとりきりでお留守番する時間を作らないようにしている、という飼い主もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬が社会の一員として生きていくためには、「飼い主がそばにいない時間もある」ということを学習しなければなりません。
飼い主が病気やケガで入院した時、他人に預けられることがあります。災害時、飼い主と離れて避難生活を送らなければならないことがあります。犬が病気やケガをした時、自身が動物病院で入院生活を送らなければならないことがあります。
飼い主がずっと一緒にいると、ひとりで過ごさなければならない時間があることを学習することができません。また、日々の生活の中でもストレスの原因になっている可能性があります。
犬にもひとりで過ごす時間を与えてあげてください。買い物にも一緒に連れて行っているのであれば、その時間をお留守番の時間にしてあげてください。
家で過ごす時は、様子は見守りつつ、放っておいてあげてください。過剰に構いすぎないことです。
2.ファッションとして服を着せる
ファッションとして服を着せるのは、犬の飼い主がやり過ぎてしまうお世話です。
夏には日差しや紫外線をカットする目的、冬には保温や保湿や防寒対策を目的として、犬に服を着せることがあるかと思います。
そもそも犬の体にはそれらの機能が備わっていて、被毛が日差しや紫外線から皮膚を守りますし、保温や保湿の機能もあります。防寒対策として、換毛によって被毛を増やすことだってできます。夏の日差しや紫外線の強い時間帯、冬の気温の低い時間帯にお散歩や外出をさせない、という対策もできますよね。
服を着せなければならない健康上の問題がない限り、服を着せることが悪影響を与えてしまうことがあります。
擦れると被毛が絡まりやすく毛玉ができたり、蒸れて皮膚トラブルを起こしたり、冬でも服によって体温が上がりすぎてしまうことがあります。また、暖房の効いた部屋では、服が原因で熱中症になる恐れもあります。長時間、服を着続けたことがストレスになることもあります。
一方、「真冬の雨の日、どうしてもお散歩に行きたがるが、体が濡れて体温が下がると体調を崩してしまう恐れがあるからレインコートを着せよう」というような服の着せ方は、犬の健康を守るために必要なお世話なのではないかと思います。
3.手足を毎日洗う
手足を毎日洗うのは、犬の飼い主がやり過ぎてしまうお世話です。
よくあるのは、お散歩の後は必ず手足を洗う、ということです。指の間に赤みはありませんか。手足をカミカミする時間が長くありませんか。その状態は犬の手足に炎症や痒みを起こしている可能性があり、「指間炎」とよばれる症状です。
肉球は白くなっていませんか。ヒビ割れはありませんか。歩きづらそうにしていませんか。そのような場合、犬の肉球が乾燥し、痒みや痛みが出ている可能性があります。
指間炎も肉球の乾燥も、手足の洗い過ぎが原因で起こりやすいです。保湿剤だけは治りにくく、動物病院で適切な治療と処方を受けなければなりません。
お散歩の後、確かに手足が真っ黒に汚れてしまうことってありますよね。汚れがひどい時は、シャンプーは使わず、ぬるま湯でかるく洗い流し、ドライヤーでしっかり乾かすようにしてください。
どうしても毎日ぬるま湯で汚れを洗い流したい場合には、獣医さんに相談し、保湿剤を処方してもらうとよいです。手足を洗って乾かした後、必ず保湿するようにします。
また、手足の裏に被毛がある犬は、短くカットしておくことで汚れを軽減することができます。洗い過ぎてしまうよりは犬用シューズを履かせた方がよい、という場合もあるでしょう。
まとめ
犬の飼い主がやり過ぎてしまうお世話を3つ解説しました。
- ずっと一緒にいる
- ファッションとして服を着せる
- 手足を毎日洗う
毎日必ず必要なお世話はあるけれど、やり過ぎてはいけない、ということがあります。
愛犬の換毛期には、つい長時間のブラッシングをしてしまうのですが、犬にとってはかなりのストレスですよね。毎日少しずつブラッシングしなければならないと思います。
歯磨きは犬にも毎日必要なお世話ですが、磨き過ぎもよくないですよね。歯茎を傷つけているかもしれません。
考えれば考えるほど、適度なお世話の具合を見極めるのは難しいものですね。