災害時に犬の命を守る『5つの備え』必ず持っておくべきアイテムや知識とは?

災害時に犬の命を守る『5つの備え』必ず持っておくべきアイテムや知識とは?

『災害時に犬の命を守る備え』についてまとめました。備えは不足してもいけませんし、余分であってもいけません。愛犬の命を守るために必要な備えについて、一緒に考えてみましょう。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

災害時に犬の命を守る備え

机の下に避難する母子と犬

災害時、「愛犬と一緒に安心して避難することができる社会」にするためには、解決しなければならない課題が山ほど残されています。

(愛犬と一緒に避難することができる場所があったらな…)と考えますよね。(ペットのための食糧や飲料水、ペットシーツやおむつなどが支給されたらいいな…)と考えますよね。

犬アレルギーを持つ人や犬の体臭を嫌う人もいます。災害が起きた時、犬だって不安や恐怖を感じ、鳴き続けたり吠え続けたりすることがあります。

このような課題をどうやって解決していくのか。私たち飼い主が一丸となって考えなければならないと思います。

しかし、社会はそう簡単には動いてくれません。災害時、愛犬の命を守ることができるのは飼い主だけです。

環境省は、ペットと一緒に避難所へ行く「同行避難」を推奨しているのですが、判断は市区町村に委ねられているのが現状です。

私が暮らす田舎には、ペットと一緒に避難できる場所はひとつもありません。自宅や車の中で過ごすしかないのです。

避難所へ同行避難できる場合にも、自宅や車の中で過ごす場合にも、外で過ごさなければならない場合にも、どのような備えが愛犬の命を守るのか、一緒に考えてみましょう。

1.同行避難訓練に参加する

災害時のための、ペット同行避難訓練が開催されています。お住まいの地域で行われていないかどうか、調べてみてください。

同行避難をすることはできるものの、飼い主と愛犬が同じ場所で生活を送ることはできない可能性が高いです。犬は別の場所で生活することになる場合がほとんどです。

これは「同行避難」であって、「同伴避難」ではない、という表現をします。このような場合の犬の生活環境や避難生活について、事前に知ることができるのが、ペット同行避難訓練です。

この訓練に参加することで、いざという時に、飼い主も愛犬も冷静にスムーズに避難することができると思います。さらに、災害時に必要な知識を得ることができる場でもあります。

2.災害時に必要なしつけを済ませておく

布製のクレートにシェパード、車内

災害時、慣れない環境に置かれた犬は強いストレスを感じます。ストレス・不安・恐怖・身の危険を感じた犬は、その環境から逃げることを第一に考えます。それが犬や動物としての本能だからです。

  • ケージやクレートの中で長時間を過ごすこと
  • 人や犬に慣れておくこと
  • 呼び戻しができること

最低でもこの3つはできるよう、しつけておくことをおすすめします。

いきなり「ケージやクレートの中に入っていなさい」と言われても、犬には理解できません。閉じ込められたように感じ、出たがります。

災害時、犬もパニックを起こすことがあります。迷子の原因になりやすいです。確実に飼い主の元に戻ることができるよう、呼び戻しは必須だと言えます。

無理にしつけようと意気込むのではなく、普段からケージやクレートが「私の好きな場所」や「ぼくが安心できる場所」という認識を持ってもらえるように対応してあげるとよいと思います。

3.ソフトタイプのケージまたはクレートを準備しておく

ケージやクレートにはソフトタイプというものがあります。布製で、折りたたんで収納することができるものです。

避難用のグッズは、できるだけかさばらないものを選ぶのがおすすめです。とくに、中型犬や大型犬のケージやクレートは、ハードタイプだと持ち運べない可能性が高いです。

4.いつもと同じごはんと飲料水の備蓄

少量タイプの袋に入ったドッグフード

災害時、ドッグフードが支援されることがあるかもしれません。しかし、いつもと違うごはんを食べると、急激な変化に体がついていけず、消化不良によって下痢や嘔吐をすることがあります。

療養食を食べなければならない犬や食物アレルギーを持つ犬の場合、他のごはんを食べることができないですよね。

食欲がなくなってしまう可能性も考えられます。嗜好性の高いおやつも備えておくとよいと思います。ガムなどの硬いおやつは、ストレスの発散にもよいです。

5.その他

  • 犬用シューズ
  • 迷子札
  • 鑑札
  • マイクロチップ
  • 治療薬

抱っこすることができない大きな犬の場合、瓦礫の中を歩かなければならないことがあります。手足を怪我から守るグッズがあると安心です。

はぐれてしまった飼い主と確実に再会することができる、迷子札・鑑札・マイクロチップは、普段から身に付けておきたいものです。

持病があり、毎日飲まなければならないお薬がある場合、余分に処方してもらっておくとよいと思います。災害が起きてからでは処方してもらえなくなってしまう可能性が高いです。

まとめ

抱っこされて避難する犬

災害時に犬の命を守る備えを5つ解説しました。

  • 同行避難訓練に参加する
  • 災害時に必要なしつけを済ませておく
  • ソフトタイプのケージまたはクレートを準備し慣らしておく
  • いつもと同じごはんと飲料水を備蓄しておく
  • その他

私がこの記事を書いている昨日、海外で大地震が起きたばかりです。愛犬2匹と愛猫を連れてどのように避難しようか、改めて考えさせられました。

正直、冷静に判断し、落ち着いて行動することができるだろうか…自信がありません。大切な家族の命を守るための備えが不十分であることにも気づきました。

みなさんはいかがでしょうか。災害時に愛犬を守るための備え、十分にできていますでしょうか。

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