1.食欲がない
動物にとって、食欲は健康状態を知るための重要なバロメーターです。そのため、普段はよく食べる犬が、ご飯やおやつを拒否するようになった場合は十分注意して様子を見てください。
もちろん、季節や気分によって食欲に変化が起こることもありますし、そのような場合は少し時間が経てば問題なく食べるようになるでしょう。
しかし、どんなに好きなものを与えてみても食べようとしなかったり、ぐったりとした様子が見られたり、排泄に異常が起きていたりする場合は、体調に異変が起きていることが考えられます。
2.嘔吐や下痢が続く
前の項目で、「食欲は健康状態のバロメーター」としましたが、それと同様に排泄も健康状態を知るための重要なポイントです。そのため、下痢や便秘、嘔吐が続く場合は、消化器系を中心に体に異変が起きている可能性が高いので、一度動物病院を受診するようにしましょう。
犬は比較的嘔吐や下痢をしやすい動物ですが、続いてしまうと栄養を十分に摂取できずに体力が低下してしまったり、水分が過剰に排出されて脱水症状に陥ってしまったりすることもあるので気をつけましょう。
また、血便や血尿が出た場合は、中毒を起こしていたり病気が重篤な症状に進行していたりすることが考えられるので、様子を見ずにできるだけ早く受診するようにしてください。
3.呼吸が荒い
暑い季節の散歩後や運動の後ではないにも関わらず、犬がハアハアと荒い呼吸をしている場合は体調不良に陥っている可能性があります。呼吸器系の疾患が起きている場合もありますし、体のどこかに痛みや苦しさを感じていて呼吸が荒くなってしまっている場合もあります。
また、暑い季節にいつまでもハアハアという呼吸がおさまらない場合、熱中症に陥っていることも考えられます。水を飲ませたり涼しい部屋にいさせたりしても変わらない場合は、動物病院に相談するようにしてください。
4.体を丸めて動かない
いつもは元気に歩き回っていたり、伏せた状態で飼い主さんの様子を眺めたりしている犬が、体を丸めてじっとしていることが続く場合は体調が悪いのかもしれません。
犬は痛みや体調の異変を感じていても、それを誰かに訴えかけるということはほとんどせず、ただ苦痛を我慢します。そのため、体をこわばらせて人を寄せ付けないような状態でいるときは、体にトラブルが起きている可能性を考えてみてください。
特に、触ろうとすると唸る場合などは、体に強い痛みを感じているかもしれないので、不用意に触れないようにして獣医師の指示を仰ぐようにしてください。
5.お腹が急激に膨らむ
愛犬のお腹があからさまに膨らんできたときは、重篤な病気が進行している可能性があります。子犬や痩せている犬の場合、食後にお腹がふっくらと見えることはあると思いますが、そうではない犬のお腹が急激に膨らんできてしまった場合は注意が必要です。
食後にそのような状態になったとき、まず意識したいのが「胃拡張胃捻転症候群」です。この疾患は、食事や水を飲んだ直後に運動をしたり、早食いをしたりしたことが原因で起こるもので、進行のスピードが異常に速いのが特徴です。胃が膨らんでねじれることで、周辺の血流やリンパが滞って壊死していき、最悪の場合数時間以内に死に至ることもあります。
一刻も早い処置が必要なので、お腹が異常に膨らんだり、吐くような動作をくり返したり、苦しそうに丸まったりしている様子が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。
まとめ
愛犬の健康や命を守るためには、ちょっとした異変にできるだけ早く気がつくことが大切です。
犬は人間と同じ言語を使って、痛みや違和感を伝えることができないので、簡単には気がつけないかもしれませんが、いつもと少し違うと感じたときは十分に様子を見るようにしてください。
愛犬からのSOSサインにすぐに気がつけるように、日頃からしっかりと観察して、少しでもおかしいと思ったときは、動物病院を迷わず受診しましょう。