『老犬介護』って、具体的に何をするの?シニア期に入ったら意識すべきこととは?

『老犬介護』って、具体的に何をするの?シニア期に入ったら意識すべきこととは?

『老犬介護の具体的なお世話の内容』についてまとめました。老犬介護には、突然の不安やストレスや苦痛を伴うことがあります。今回は、シニア期に入った愛犬の老犬介護について意識すべきことを解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

「老犬介護」の具体的なお世話の内容

スプーンで食事を与える様子

では、老犬介護とは具体的にどんなお世話をする必要があるのでしょうか。

食事のお世話

老犬介護では、食事のお世話が必要になることがあります。

勢いよく食べてしまったり、よく噛んで食べなかったりする犬の場合、上手く飲み込むことができず、喉に詰まらせてしまうことがあります。

お皿に少量ずつ入れて与えたり、お湯をかけてやわらかくしてから与えたり、少量ずつ手で与えるなど対応します。

若い時は飲み込む力も吐き出す力もあるのですが、老犬になると、少量でも喉に詰まらせてしまいやすくなります。

消化不良を起こしやすくなってしまった老犬の場合では、ドライフードにお湯をかけてやわらかくしてから与えることがほとんどです。

寝たきりの犬の場合では、注射器を使って口の中に流し入れる、という与え方が必要なこともあります。

トイレのお世話

老犬介護では、トイレのお世話が必要になることがあります。

歩くことが少し困難になってしまった場合では、「トイレに行きたいよー」と鳴き出すことがあり、トイレまで抱っこして連れて行きます。

老犬になると、おむつをして過ごすことが多くなります。「出たよ」と鳴いて知らせることができる犬もいますが、ほとんどの場合は知らせることができません。

おむつが汚れたまま長時間過ごすことがないよう、こまめにチェックする必要があります。

外でなければトイレをすることができない犬の場合、お散歩に出る回数が増えます。夜中にも鳴いて起こすことがあります。トイレトレーニングは老犬介護にも役立つため、しつけておくことをおすすめします。

お散歩のサポート

カートでお散歩するコーギー

老犬介護には、お散歩のサポートが必要になることがあります。

犬は後ろ足の筋肉が衰えやすいです。「歩行補助ハーネス」という便利なアイテムがありますので、ぜひ使ってみてください。

その他にも、さまざまな老犬のお散歩アイテムがあります。

  • 全身を支えることができる歩行補助ハーネス
  • 前足を支えることができる歩行補助ハーネス
  • 後ろ足を支えることができる歩行補助ハーネス
  • 犬用の車いす
  • ペットカート
  • 抱っこでお散歩

老犬のお散歩をサポートする方法はいくつもあります。歩けなくなったからといってお散歩に行かないのではなく、気分転換やストレス発散のためにも外に連れ出してあげてほしいなと思います。

夜鳴きへの対策

老犬介護中の飼い主を最も悩ませるのが夜鳴きです。

老犬になると、1日のほとんどを寝て過ごします。とくに飼い主や家族のいないお留守番中は、ずっと眠り続けています。

そのため、昼と夜が逆転してしまいやすく、夜鳴きをするようになります。

また、昼夜に関係なく鳴き続けることもあり、認知症を疑うことができます。「昼間ずっと鳴いている」と、近所からの苦情で知ることもあります。

犬の夜鳴き軽減のための対策としてできることには、次のようなものがあります。

  • 毎日の日向ぼっこを習慣にする
  • 朝と夕のお散歩を欠かさない
  • おもちゃで遊ぶ時間を作る
  • こまめに話しかける

こういったことをすることで昼と夜の逆転を防ぐことができます。昼に起きている時間や活動する時間を増やすことで、夜はぐっすり眠ることができるようになるのです。

興味を示さないことも多いですが、おもちゃで遊ぶ時間は老犬にも必要です。飼い主が投げたボールを目で追うだけでもOKです。

シニア期に入ったら意識すべきこと

服を着て散歩するシニアダックス

犬は7歳を過ぎると「シニア期」に入るとされています。

2年前の5歳の時の愛犬と、7歳になった愛犬とを比べてみてください。はっきりと分かる違いに気づくことがあると思います。

  • 消化不良や体調不良を起こしやすくなった
  • お散歩を嫌がることがある
  • 他の犬にあまり興味を示さなくなった
  • イタズラをしなくなった
  • トイレを失敗することがある
  • ごはんを食べ残す日がある
  • よく吠えるようになった

これは、我が家の11歳の愛犬の変化です。11歳にもなると、7歳の時と比べても大きな変化が増えます。トイレを失敗することなんてなかったのに…と落ち込むこともあります。

シニア期になったら「できなくなったこと」を意識してみてほしいです。できなくなることには必ず理由があります。

今どんなサポートをしてあげたらよいのか、これからどんなサポートが必要になるのか、考えるきっかけになると思います。

まとめ

青いベッドにシニア黒柴

老犬介護の具体的なお世話の内容を4つ解説しました。

  • 食事のお世話
  • トイレのお世話
  • お散歩のサポート
  • 夜鳴きへの対策

私はこれまでに2匹の老犬介護を経験しました。1匹は寝たきり、もう1匹は認知症でした。

個人的には、やんちゃな子犬のお世話と比べると、おとなしい老犬の介護をすることは、それほど大変ではないように感じました。

ただ、目を離すことができなかったり、夜中にも起きて介護をしなければならなかったり、多くの時間を愛犬に注がなければなりません。

老犬介護に関する知識は、ひとつでも多く学んでおいた方が役立つと思います。

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