実は犬のウンチが道端で放置されているのは危険!他の犬への悪影響も

実は犬のウンチが道端で放置されているのは危険!他の犬への悪影響も

今回は、道端に放置されている犬のウンチがどれほど危険なものなのか、愛犬や他の犬にはどのような悪影響を及ぼすものなのかについて解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

道端に放置された犬のウンチの危険性

犬のフンは持ち帰りましょうの看板

愛犬とお散歩をしている時ほど、道端や地面によく目がいくものですよね。汚物や危険物が落ちているのではないかと、心配だからです。

犬の飼い主なら誰もが気になるであろう、道端に放置された犬のウンチ。愛犬のウンチでなくても気になるものです。

私は、犬を連れているというだけで「ちゃんと取れよ!」とか「この辺を散歩させないで!」と、冷たく言葉をかけられたことがあります。

他人の犬のウンチだから関係ない、では済まされないのです。そして、道端に放置された犬のウンチによって、人や犬や他の動物が病気になってしまう、ということも考えなければなりません。

1.パルボウイルスに感染する

道端に放置された犬のウンチが原因となり、他の犬がパルボウイルスに感染する危険性があります。

パルボウイルス感染症による致死率は約70%。治療が遅れた場合では約90%です。嘔吐や下痢といった症状を引き起こし、変異型による感染も起きているとされています。

飼い主の任意で行われるものですが、パルボウイルス感染症は混合ワクチンの接種で防ぐことができます。愛犬の健康と命を守るものです。年に1回の接種をお願いします。

2.ジステンパーウイルスに感染する

診療台の上で点滴を受ける犬

道端に放置された犬のウンチが原因となり、他の犬がジステンパーウイルスに感染する危険性があります。

ジステンパーは、犬の飼い主がよく耳にするウイルスの名前だと思いますが、ニホンオオカミを絶滅させたウイルスとしてもよく知られた存在です。

狂犬病に次いで感染率が高く、感染した犬は呼吸器・消化器・神経系に深刻なダメージを受けます。特効薬がなく、確立された治療法もないため、基本的には対症療法が用いられます。

健康状態が重症化を左右するため、体力や免疫力の低い子犬や中高齢の犬では、致死率約80%です。健康状態が良好で体力や免疫力の高い若い成犬の場合でも50%を超えることがあります。

混合ワクチンの接種で予防することができますが、道端に放置された犬のウンチには絶対に近づかせないようにしましょう。

3.人獣共通感染症にかかる

道端に放置された犬のウンチが原因となり、人獣共通感染症にかかる危険性があります。

数ある人獣共通感染症の中からひとつご紹介すると、人にも犬にも感染する「犬回虫(寄生虫)」という病気があります。

よくある感染経路は、道端に放置された犬のウンチの中に犬回虫の卵が存在し、他の犬がニオイを嗅いだ時に鼻に付着し、鼻を舐めた時に口の中に取り込まれてしまった、というものです。

愛犬が感染し、ウンチの後始末をした飼い主にも感染した、というケースもゼロではありません。

犬が感染すると、下痢や嘔吐を起こします。人が感染すると、胃腸炎の症状が起こることがよくあり、他にも下痢や発熱の症状を起こします。

まとめ

ウンチしようとしている黒い子犬

道端に放置された犬のウンチから感染する病気があります。致死率の高い、非常に危険な病気ばかりです。人が感染する病気もあります。

(愛犬のウンチを放置することができる飼い主なのだから、愛犬の病気の予防もしていないだろうな…)と、私はよく考えます。

愛犬のお散歩中の食糞で悩む飼い主も多くいますが、(そもそも犬のウンチが道端に放置されていなければ…!)と、怒りを覚えてしまいますよね。

放置されたウンチが踏みつけられたり、雨で流されたり、パッと見では分からない状態になっていることもあります。愛犬が素足で踏んでしまっているかもと思うと恐ろしいです。

道端に犬のウンチが放置されることを無くすにはどうしたらいいのか、これからも変わらず考えていきたいですね。

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