1.飼い主さんの帰宅で大興奮する
飼い主さんが帰って来ると多くの犬が喜ぶと思いますが、これまでに比べて興奮している様子が見られたり、飼い主さんの帰宅後ついて回ったりすることが増えたりした場合は少し注意が必要です。
分離不安症は、飼い主さんと離れていることで強い不安やストレスを感じるものなので、飼い主さんが帰ってきたときに安心感から興奮状態になってしまうことがあります。
そのため、いつも以上に喜んでいる様子が見られるようになったら、留守番中に過度なストレスがかかっていたり寂しさを感じたりしているかもしれないと考えてみましょう。
なお、この段階であれば分離不安症に陥っているというわけではない場合が多いので、ストレスケアをしたり留守番環境を見直したりすることをおすすめします。
2.飼い主さんに常について歩く
飼い主さんが自宅にいるとき、部屋を移動するたびについてきたり、お風呂やトイレに入っているとドアの前で待っていたりといった愛犬の様子が見られるようになったら、分離不安症になりかけている可能性があります。
飼い主さんのことが大好きで、「くっついていたい」「いつもそばにいたい」と思うことはごく自然なことだと思います。しかし、少しの時間も離れていられず、必死になって飼い主さんについてくるようであれば、少し注意して様子を見なければなりません。
このような犬は、ひとりきりで過ごす時間も楽しく安心していられるように、環境を整えたり留守番トレーニングをし直してあげるといいでしょう。留守番のときにしか出てこない特別なおもちゃを用意するなどして、ひとりの時間が来るのを楽しみにするような工夫をしてあげてください。
3.飼い主さんの姿が見えなくなると鳴く
飼い主さんのそばを離れなくなったり、常にくっついて甘えたりするようになるだけでなく、飼い主さんの姿が見えなくなると不安になって吠えたり鳴いたりするようになったら要注意です。
ひとりで過ごすことに強いストレスや不安を感じていて、ほんの少しの時間でも離れることができなくなってきていると吠えたり鳴いたりするようになります。そうすることで飼い主さんを呼んだり、不安な気持ちを紛らわしたりしていると考えられますが、愛犬の声が聞こえたからといってすぐに駆け寄ってあげるのはNGです。
愛犬に呼ばれたらすぐに飛んでいってしまうような対応をしていると、犬は「呼べば戻ってきてくれる」と学習をしてしまいます。その結果、少しでも寂しくなれば吠えるようになりますし、飼い主さんがいない留守番中も喉が枯れるまで吠え続けてしまうこともあります。
4.いたずらやトイレの失敗が増える
留守番中に飼い主さんの洋服やベッドを噛みちぎったり、ごみ箱を漁ったりというようないたずらを頻繁にするようになった場合、分離不安症に陥っているかもしれません。
もちろん、留守番に慣れていない子犬などの場合、暇つぶしにそのようなことをするのは特に珍しいことではありません。しかし、留守番に慣れていたはずの犬が急に激しいいたずらをするようになったら、気をつけて様子を見た方がいいでしょう。
破壊行為や暴れるなどのいたずらは、飼い主さんがいない不安や恐怖を紛らわすためにしていることが考えられます。
また、トイレの失敗も分離不安症の症状のひとつに考えられています。飼い主さんの注目を集めるためにやっている場合もありますが、過剰な不安やストレスによって故意ではなく失敗してしまうこともあります。
分離不安によるいたずらやトイレの失敗は、叱ると余計に助長される可能性があるので対応に注意しましょう。大きなリアクションはせず、冷静に対処するようにしてください。
まとめ
今回は、犬の「分離不安症」の初期症状について解説しました。
分離不安症は症状が強くなるほど改善にも時間がかかり、犬にとっても飼い主さんにとっても大きな負担がかかるものです。そのため、分離不安症の傾向が少しでも見えてきた段階で、留守番時間や生活環境を見直したり、散歩やスキンシップの時間を増やしてストレスケアをしてみてください。
初期段階に適切な対応をすることで、それ以上悪化することを防げるでしょう。