1.被毛の色と状態
犬の年齢を見た目で判断しようと思うとき、最もわかりやすいのが被毛の色だと思います。年齢を重ねた犬は、白髪が出ていることが多く、シニア期に入る少し前からちらほらと見えるようになってきます。
口元や耳先など顔まわりの被毛から白くなってくることが多いとされていますが、なかにはお腹の毛が白くなったり足先が白くなったりすることもあります。
また、黒や茶色など全身の毛の色が濃い犬の場合、年齢を重ねるごとに全体的に色が抜けて白っぽくなることもあります。白髪ほどわかりやすいものではありませんが、子犬の頃ははっきりとした濃い色だったのに、徐々に薄くなってくるということはほとんどの犬で見られることです。
また、犬の毛は色だけでなく、触り心地や見た目にも変化があらわれます。若い頃は程よい水分と油分があり艶やかな見た目ですが、年齢を重ねると水分を失ってパサパサした状態になりがちです。
2.皮膚の状態
犬は年齢を重ねると被毛の状態が変わりやすいですが、それと同時に皮膚の状態も変わるとされています。普段は被毛に覆われていてわかりにくいのですが、被毛と同じように乾燥しやすくなったりハリを失ってたるんできたりします。
また、シニア期に入る頃には、皮膚にイボなどができやすくなります。老年性のイボは体に害を及ぼすものではないので治療の必要はありませんが、大きくなってくるものや皮膚内部にあるしこりのようなものは腫瘍の可能性もあるため、心配な場合は獣医師に診てもらうといいでしょう。
3.歯の色や本数
犬の年齢を見た目で判断するとき、専門家である獣医師は歯の状態を診ます。歯の本数は年齢によって異なるため、数を確認することで子犬か成犬かを判断できるからです。
子犬の頃は、生後8週頃までに28本の乳歯が生え揃います。そして、生後5か月前後から少しずつ乳歯が抜けて生え変わります。犬種や個体によって前後しますが、生後8か月以降から42本の永久歯が揃う犬が増えてきます。
また、年齢を重ねるほどに歯が黄ばんだり、犬歯の先がすり減ったりすることもあるため、それらも年齢を把握するための参考になります。
永久歯に生え変わったばかりの若い成犬の場合は、歯が真っ白でつやつやの状態であることが多く、徐々にくすんでくるようです。
4.目の色
犬は年齢を重ねると目の色に変化があらわれることがあります。シニア期になると、犬は黒目の部分が白っぽくなることが多いからです。
ちなみに、目の色が白くなると白内障を心配する飼い主さんが多いと思いますが、犬の瞳が白くなっているのは必ずしも白内障の症状とは限りません。犬の老化現象のひとつに、目の水晶体の中心にある核の部分が白っぽくなる「核硬化症」というものがあるのです。
もちろん、白内障になる犬も少なくありませんし、犬の目が白っぽくなっている場合は老化現象が始まっているのかもしれません。
まとめ
犬の年齢を見た目で判断するという機会はそれほど多くないかもしれません。しかし、年齢を知っている愛犬であっても、毎日一緒に過ごしていると年齢を重ねているということをつい忘れてしまいがちです。
ここで紹介したように、見た目でわかるような体の変化に気がついたら、ライフステージが変わってきているということを意識するようにしましょう。そして、年齢や体の状態に合わせた生活を送らせてあげるようにしてあげてください。