なぜ犬はウンチを食べてしまうの?食糞をする5つの理由とやめさせる対処法

なぜ犬はウンチを食べてしまうの?食糞をする5つの理由とやめさせる対処法

わんこが自分のウンチを食べてしまう食糞は、初めて目にするととても衝撃的な行動です。ですがわんこの食糞はよくあること。食糞をしてしまう理由から、やめさせるための対処法をご紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

何で!?食糞してしまう理由

トイレに座る犬

1.野生のなごり

食糞は野生動物の世界では珍しくない行動です。食糞をする理由の1つは寝床を清潔に保つためで、いわばきれい好きゆえの行動。

また2つめの理由は、排泄物の痕跡をなくすことで「自分がここにいた」という証拠をなくし、外敵から身を守ること。わんこの食糞行動はこの野生の頃のなごりであり、いわば本能によるものなのです。

2.食事の代わり

ごはんの代わりに自分のウンチを食べてしまっている可能性もあります。ごはんの量そのものが足りず空腹からやむにやまれず口にしている場合もあれば、摂取すべき栄養素がごはんだけでは摂取できておらず、本能から食事を求めている場合もあります。

また、消化不良のためフードが元のままに近い状態で残って排泄されてしまい、ウンチからフードの良い香りがしてウンチごと食べてしまっていることも。

3.暇つぶし

お留守番中などの飼い主さんが見ていない間に食糞してしまったり、ウンチで遊んでしまった形跡があったりする場合には、ウンチを暇つぶしの道具にしてしまっている可能性があります。

特にケージの中でお留守番をしていて、排泄したウンチをすぐに片づけてくれる人がいない場合、ウンチをおもちゃのように扱ってしまうことがあるのです。

4.飼い主さんの気を引きたい

逆に飼い主さんの見ている目の前で食糞してしまう場合には、飼い主さんの気を引きたいという思いが隠れている可能性があります。

以前に食糞した際、それを見た飼い主さんが驚いて声を上げたり、叱りつけたりしたのを覚えていて「ウンチを食べると飼い主さんが反応してくれる」と勘違いしてしまっているのです。

5.トラウマ

一方で、飼い主さんの反応がトラウマになってしまったがゆえに食糞を繰り返す子もいます。トイレトレーニング中の場合、決められた場所以外でウンチをしてしまう失敗も多々ありますよね。

そんなときに飼い主さんに叱られたことを「ここでウンチをしてはダメ」なのではなく「ウンチをすること自体がダメ」と勘違いして認識してしまい、ウンチをした形跡を隠そうと必死でウンチを食べてしまうのです。

理由別!食糞のやめさせ方

指示されている犬

理由はさまざまあれど「ウンチを食べる」という行為は見ていて気持ちの良いものではありませんし、健康に直接被害の出る恐れは低いとはいえ衛生的にもあまり好ましいものではありません。

食糞をやめさせるための方法を理由ごとに見ていきましょう。

1.排泄したらすぐに片づける

ウンチをしたらすぐに片づけて食糞するきっかけを作らないのが根本的な対策です。

特段理由なく「そこにウンチがあったから」本能で食糞してしまっている場合や暇つぶしの場合には、ウンチそのものに執着しているわけではないのですぐにやめるようになります。

また可能な限り、ウンチはお散歩でさせるように習慣づけるのも1つの方法ですが、お散歩でしか排泄ができない子になってしまうと高齢で動きが不自由になった際、逆に問題となる可能性もあるので注意が必要です。

2.ごはんを見直す

ごはんがきっかけで食糞している可能性が高い場合には、とにかくごはんを見直しましょう。ごはんの量や摂取カロリーがライフステージに合っているか、また、ごはんに含まれる栄養素に偏りがないかをしっかり確認します。

後者については、いわゆる総合栄養食を与えていれば問題になることはまれですが、手作り食を与えている場合には注意が必要です。

またごはんの食いつきやウンチの状態(消化不良がないか)を確認し、フードが合っていないようであれば種類を変えるといった対応が必要です。

3.スキンシップや遊びの時間を増やす

飼い主さんの気を引くためや暇つぶしのために食糞してしまっている場合には、飼い主さんとの関わりや遊びの時間が不足していることが考えられます。スキンシップや遊びの時間を増やし、わんこが満足させてあげましょう。

お留守番中に食糞してしまう場合でも、お留守番前にたっぷり遊んで疲れさせれば寝ている時間が増え、暇な時間を減らしてあげることにつながります。

4.違うもので注意を引く

どうしてもウンチに興味を示してしまう場合には、おもちゃなどの違うもので注意を引くことが必要です。中におやつを詰められるものや、知育おもちゃなど、ひとりでも長時間遊ぶことのできるおもちゃがおすすめです。

5.大げさに反応しない

愛犬が自分のウンチを食べているというのは衝撃的な姿のため、思わず驚いて悲鳴を上げたり、強めに叱ってしまうかもしれません。

ですがすでにご紹介した通り、飼い主さんがおおげさに反応するとわんこは「ウンチを食べると飼い主さんが喜んでくれる!」とプラス思考で勘違いしてしまうことがあります。叫びたくても気持ちはグッと抑え、淡々と処理するようにしましょう。

また、トイレトレーニング中の失敗に対しての反応も同様です。むやみに叱りつけてはトラウマの元ですから、失敗を叱るのではなく成功を褒めるように心がけましょう。

まとめ

踏ん張っている犬

いかがでしたでしょうか?人間の感覚からすると「自分のウンチを食べるなんて」と驚いてしまいますが、わんこにもさまざまな理由があることがおわかりいただけたかと思います。

ただ注意してほしいのは、食糞には病気の可能性も隠れているということ。ここでご紹介した理由が今一つどれもピンと来ない、対処法を試してみてもどうにも効果が出ないという場合には、動物病院の受診を合わせておすすめします。

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