犬の毛をカットしすぎると?絶対ダメな「5つのワケ」と適切なカット量

犬の毛をカットしすぎると?絶対ダメな「5つのワケ」と適切なカット量

この記事では、犬の毛をカットしすぎると絶対ダメな「5つのワケ」をご紹介します。適切なカット量についても解説しているので「愛犬を短めにカットしようかな?」と思っている飼い主さんはぜひご覧ください。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の毛をカットしすぎるとダメな「5つのワケ」

カット中のヨークシャーテリア

「お手入れを簡単にしたい」「涼しくしてあげたい」という気持ちから、愛犬の毛を短くカットする飼い主さんは多いでしょう。しかし、犬の毛はカットしすぎると、さまざまな問題が生じることが分かっています。

そこで今回は、犬の毛をカットしすぎるとダメなワケをご紹介します。

1.肌に傷がつきやすくなる

犬の体毛には、肌を守る役割があります。

犬が自分の体を掻いたり、散歩の時に草むらを歩いたりしても体毛があれば肌が傷つくことは少ないでしょう。しかし、肌が透けるほど犬の毛を短くしてしまうとバリア能力は低下してしまいます。

カットのしすぎは、犬がケガをする原因になってしまうのです。

2.毛が生えなくなる恐れがある

犬の毛をサマーカットにする時、バリカンで短くカットすると毛が生えてこなくなる可能性があります。

犬の毛には人間と同じく毛周期というサイクルがあり、脱毛と発毛を繰り返しています。バリカンをあてると、この毛周期のリズムが乱れてしまうのです。

毛周期が乱れることで発毛が遅れてしまい、なかなか毛が生えてこなくなります。これは「毛刈り後脱毛症」や「バリカン後脱毛症」と呼ばれる現象です。

なぜバリカンでのサマーカットが毛周期に影響を与えるのか、詳しいことはまだ分かっていません。

3.毛質が変わることがある

バリカンでの犬の毛のカットのしすぎは、毛質を変えてしまうこともあります。

例えば、柔らかくフワフワしていた愛犬の毛質が、バリカンでサマーカットにしたことにより、ゴワゴワとした硬い毛質に変化することがあるでしょう。

なぜ毛質が変わってしまうのかは、毛が生えてこなくなる現象と同じく詳しい原因は不明です。

4.直射日光のダメージが大きくなる

犬は直射日光から体毛で皮膚を守っています。極端に毛を短くしてしまうと、肌に直射日光が当たり熱や紫外線のダメージを強く受けてしまうのです。

人間でも、真夏は長袖を着て日焼けを防ぐことがありますよね。夏になると愛犬をサマーカットでツルツルにする飼い主さんも多いですが、直射日光が強く当たると犬は熱中症を起こすリスクが高くなってしまいます。

「やりすぎのサマーカットは逆効果になる」ということを知っておきましょう。

5.虫に刺されやすくなる

犬の毛をカットしすぎると、虫に刺されるリスクが高くなります。

虫刺されから感染症に発展する恐れもあり、注意が必要です。

毛の長さを適度に保ち、予防薬をしっかり使えば虫刺されから愛犬を守ることができますよ。

犬の適切なカット量はどのくらい?

コームをあてられるポメラニアン

犬の毛を地肌が見えるほどツルツルに短くするのは、ご紹介した通りさまざまなリスクがあります。では、実際どのくらいの量をカットするのが適切なのでしょうか?

犬の毛は、生え際から約2cm~3cm残しておけば短すぎず肌を守る効果は保たれるといわれています。トリミングに出す時は、トリマーさんに「3cmくらい毛を残して欲しい」と伝えると良いでしょう。

毛質が変わるのを避けたい場合は、バリカンではなくハサミでカットをするようにしてください。サロンでハサミ仕上げを依頼すると、バリカンよりも価格は高くなってしまいますが、毛質が変わる心配はありません。

小型犬、寒さに弱い犬種、子犬や高齢犬のように体温調節が苦手な犬の場合は、毛を少し長めに残すのがおすすめですよ。

まとめ

カット中のシュナウザー

犬の毛をカットしすぎると絶対ダメな「5つのワケ」と、適切なカット量について解説しました。

犬の毛は短くするとお手入れが簡単ですが、カットをしすぎると多くのリスクを伴います。犬の毛には肌を守る大切な役割があるということを知り、適度に長さを残すようにしましょう。

カットの量に悩む場合は、トリマーさんや獣医に相談してみてくださいね。

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