愛犬を「寂しい気持ち」にさせないための対策とは
では、愛犬を「寂しい気持ち」にさせないためには、飼い主として何をすれば良いのでしょうか。
1.愛犬とのコミュニケーション
犬は、飼い主と一緒に過ごすことが何より幸せなようです。しかし、ただ空間を共有するだけの「一緒にいる」ではなく、何らかの作業を行ったりスキンシップをしたりすることによってより一層の充足感が得られます。
一番良いのは、犬と十分なスキンシップを取ることでしょうか。犬はグルーミングも含め、飼い主とのスキンシップが大好きです。飼い主の手で撫でられたり、ブラシをしてもらったり、抱きしめられたりすることで、犬はより安心をして、飼い主のことを信頼するようになります。
この時、ただ黙って撫でてあげるのもよいのですが、アイコンタクトをしたり声をかけたりすることでより強い幸福感が得られるようです。犬にとって撫でられたり声をかけられたりすることは、「自分を大切にしてくれている」と感じられる目安なのでしょう。
また、コミュニケーションといえば、一緒に遊ぶことも含まれます。
犬は飼い主と遊ぶことが大好きです。得意・不得意はあっても、ボール投げ、引っ張りっこ、お散歩、かけっこなど、飼い主と一緒にすることならなんでも楽しむ場合が多いですよね。愛犬が遊びたそうにおもちゃを持ってきたり、散歩に行きたそうにしていたら、都合がつく限りは一緒に遊んであげましょう。
ただし、犬が要求するからといって、必ずしもその要求に応えなければいけないことはありません。飼い主の側にも都合がありますし、要求さえすれななんでも応えてくれる飼い主だと、愛犬に勘違いさせてしまうおそれがあるからです。
2.留守番に慣れさせる
いくら愛犬がかわいい、愛しいといっても、24時間ずっと一緒にいるわけにはいきません。仕事や学校、買い物など、何かしらの用事で家を空けることもあるでしょう。犬を寂しがらせてはいけないから、とこれらの外出をしないわけにいきません。
飼い主が一緒にいないと、愛犬は確かに寂しがるでしょう。しかし、いい子に待っていたら飼い主がすぐに戻ってくる、絶対帰ってくるということを学んでもらうことは、一緒に暮らすうえではとても大切なことです。これができないと、飼い主の留守が犬にとって強いストレスとなり、問題行動に発展してしまう可能性もあります。
とはいえ、初めから長い時間留守番ができてしまう犬などいません。初めはほんの少しの時間、隣の部屋にいって飼い主の顔が見えないという程度のシチュエーションを作ってみましょう。『少し待てば、すぐ飼い主が帰ってくる』という状況に愛犬に慣れてもらうのです。
いい子に過ごすことができるようになったら、徐々に顔を見せない時間を長くするようにトレーニングをしていきます。こうすることで、犬たちは「待っていたら飼い主は帰ってくる」と覚えてくれるでしょう。
この時間の間、クレートなどで待たせることもあるでしょうし、部屋の中で待たせることもあるでしょう。部屋の中で待たせる場合は、いたずらなどで誤って異物を飲み込んだりしないように、あらかじめ準備が必要です。
3.仲間を作る
犬は群れで生活する動物なので、仲が良い仲間がいると安心します。そのため、飼い主といつも一緒にいたがるのですが、犬を多頭飼いすることで飼い主へのこの執着を減らすことができます。
犬の仲間が一緒にいれば、お互いに遊んだりできるのでにぎやかになりますし、飼い主が留守をする際に寂しい思いをさせることが少なくなると考える人も多いでしょう。
もちろん犬にも個性があるため、多頭飼育に向いている犬と向いていない犬、先住犬になれる犬、新入りになれる犬など、個体差はもちろん存在します。どんな犬でも良いわけでは決してなく、愛犬の性格に合う犬かどうか、犬ごとにそれぞれ見極めが必要です。
まとめ
犬に寂しい思いをさせたくないといって、生活のすべてを犬のために捧げてしまうのはほぼ不可能です。
また、寂しくさせたくないといって構いすぎることが、かえって愛犬にとってストレスになる場合も。
愛犬の個性を正しく見極めて、お互いに快適な距離感を把握することが、一緒に生活する上で大切なのかもしれません。