犬の「お姉さん座り」…可愛いけど危険が潜んでいる恐れも
SNSなどで時々「お姉さん座り」として犬の写真が投稿されていることがあります。後ろ足を少し横にずらした状態でお座りしている犬の姿は、どこか大人っぽいお姉さんが座っているように見えて可愛らしいかもしれません。
しかし、この「お姉さん座り」と言われている横座りには、危険が潜んでいる恐れもあるので、頻繁にこの体勢で座っている様子を見せている場合は要注意です。
状態によっては、早めに動物病院で診察、検査をしてもらい、必要な治療を行っていく必要があります。愛犬の座り方が気になる方は、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。
犬が横座りする4つの原因や病気の可能性
では、犬が横座りする理由には、どのような原因が考えられるのでしょうか。状況によっては、病気の可能性も疑われるので、動物病院で診てもらいましょう。
1.激しい運動をした後で休憩中
散歩の後や激しい運動をした後など、休憩中に横座りをする犬は珍しくありません。この場合、通常のお座り体勢を保つ気力や体力が残っていないために、だらんと脱力してしまっていることが理由として考えられます。
特に運動後は後ろ足に疲れが溜まっていることが多いので、後ろ足の力が抜けてしまいがちです。すると、どちらか一方に体重がかかり横座りのような姿勢になってしまうのです。
2.後ろ腿やふくらはぎの筋肉が凝っている
後ろ腿やふくらはぎ部分は、日常的に負荷がかかりやすい部分です。歩いたり、走ったり、座ったり、少し高い場所へとジャンプしたり…これだけ考えても大きな負担がかかっていることがわかります。
日頃の疲れが蓄積されることで、後ろ腿やふくらはぎの筋肉が凝っている犬は少なくありません。凝り固まってしまうと普通に座ることも辛く感じ、少し足をずらして座る犬が増えるため、横座りになってしまうのです。
この場合は、動物病院や犬の整体を行っているサロンなどに連れて行き、マッサージを行ってもらいます。軽度の症状ならば、ご家庭で後ろ腿やふくらはぎを優しく揉むようにマッサージしてあげるのも良いでしょう。
3.「股関節形成不全」
犬が横座りを常習的に行っている時に考えられる病気の1つに「股関節形成不全」が考えられます。特に大型犬や超大型犬に見られることの多い症状の1つで、股関節が成長と共に徐々に異常な形へと形成されてしまう症状です。
これにより関節部分に炎症が起こってしまい痛みが発症すると、歩きたがらない、運動することを嫌がる、起き上がる時に異変が見られるなど、違和感を覚える様子を見せ始めるようになります。
放置してしまうと症状が悪化し、歩けなくなるなどの後遺症が残ってしまう恐れがあります。早めに動物病院で診断してもらい、適切な治療を受けましょう。
4.「膝蓋骨脱臼」
膝蓋骨脱臼は、膝関節部分にあるお皿(膝蓋骨)が本来あるべき場所からずれてしまう症状です。パテラともいわれるこの症状は、特に小型犬に多く見られる症状の1つですが小型犬以外でも報告が多数あります。
歩くたびに痛みが生じたり、後ろ足を地面につけることが難しくなったりといった歩行や立ち上がる際に支障を来たす症状が見られるようになります。
放置していると歩行異常などが見られるようになるため、早めの対策や必要に応じて外科手術を行います。横座りは膝蓋骨脱臼の前兆などに見られることが多いので、早期発見が対処につながります。
まとめ
いかがでしたか。可愛らしいお姉さん座りかと思いきや、実は危険な症状が病気が隠れている可能性もある「横座り」。少しでも愛犬の座り方や立ち上がり方に違和感を覚えたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。