1.食欲がなくなる
元々食べることが好きな犬の場合、ストレスを溜めて精神的に弱っていると食欲がなくなってしまうことがあります。極度に緊張していたり、恐怖を感じていたりする場合も食べ物を受け付けなくなってしまうことがめずらしくありません。
食欲と排泄は、体調面や精神面の影響を大きく受けます。そのため、日頃の健康チェックの一貫として、食欲の有無や排泄物の変化を確認しておくといいでしょう。
2.散歩や遊びへの意欲がなくなる
散歩に行くことや飼い主さんと遊ぶことが好きな犬は、それらの時間になったり誘われたりするととてもウキウキとした表情を見せるでしょう。
しかし、精神的に弱っているときは様々なことに対する意欲を失っていることが多いため、「散歩に行こう」と誘っても動き出さなかったり、しぶしぶ玄関に向かったりする様子が見られます。また、おもちゃを見せても遊ぼうとしなかったり、チラリと見てまた寝てしまったりするでしょう。
食欲がなくなるのも同様ですが、元々好きなものに対する反応が鈍くなったり、怪我や病気がないにもかかわらず動く意欲がなくなったりしている場合は、精神的に弱っている可能性が考えられます。
3.常同行動が見られる
自分の手足を舐め続けたり、尻尾を追いかけて回り続けたりといった、同じ行動を無心にやり続けている行動を「常同行動」と呼びます。常同行動は、強いストレスを受けたときや精神的に大きな負荷がかかったときなどに見せるもので、意味はなく無意識に行ってしまいます。
自分の手足が炎症を起こしたり、尻尾から血が出たりしてもやめずに続けてしまうこともめずらしくありません。この行動自体をやめさせようとしても非常にむずかしく、目を離した隙にすぐに続けてしまうことが多くあります。
常同行動自体を叱るのは逆効果になるので、できるだけほかのことに意識を向けさせつつ、原因となっているストレスの解消を目指しましょう。
4.いたずらや吠えが増える
犬がストレスを感じて精神的に負担を感じていると、それを発散するために破壊行動や無駄吠えなどの問題行動を起こすことがあります。物を噛んだり走り回って暴れたりといった本能的な行動をすることで、ストレスを解消しようとするのです。
また、吠えたり鳴いたりするのは、無意識状態で惰性で行ってしまうことも多く、叱ってもなかなか止まらないでしょう。
5.飼い主さんから離れない
不安なことや怖いことがあって精神的に弱っていると、ひとりでいると余計にネガティブな気持ちが増すことがあります。そのようなときには、信頼できる飼い主さんのそばにいたがることが多くなるでしょう。
留守番中に怖いことがあったり強い不安を感じたりした犬が、帰宅した飼い主さんの後をついて回って離れないということも比較的よく見られます。そのような場合に突き放すような態度を取ると、さらに精神的に追い詰められたり飼い主さんに不信感を持つようになったりするので接し方に注意しましょう。
まとめ
私たちが環境の変化に不安を感じたり、家庭内の状況や雰囲気にストレスを感じたりするように、犬も同様の影響を受けると考えられています。
また、犬は飼い主の精神状態にも影響されやすい繊細な動物なので、精神的に弱ってしまうこともめずらしいことではありません。
重度の精神疾患を患うと、犬自身だけでなく飼い主さんにとってもつらい状況に陥ってしまいます。そうなってしまわないように、この記事で紹介した犬のストレスサインを見落とさず、できるだけ早い段階で適切なケアをしてあげましょう。