犬の尿路結石とは
尿路結石とは、犬の膀胱・尿道・尿管・腎臓に石ができる病気です。尿路にミネラル分の塊である石ができるため、「尿路結石」と呼ばれています。
尿路結石には4つのタイプがあります。
- 膀胱結石…膀胱にできる結石
- 尿道結石…尿道にできる結石
- 尿管結石…尿管にできる結石
- 腎臓結石…腎臓にできる結石
石ができる場所は違いますが、どれも尿路結石と呼ばれます。
また、石にも主に3つのタイプがあります。
- ストルバイト結石
- シュウ酸カルシウム結石
- 尿酸塩結石
犬の「尿路結石」で考えられる原因とは
犬が「尿路結石」になっている場合、以下のような原因が考えられます。
食生活の乱れ:シュウ酸カルシウム結石
主に次のようなことが原因になりやすいとされています。
- シュウ酸を多く含む食べ物の摂りすぎ
- タンパク質の過剰摂取
- 偏った食生活
シュウ酸を含む食べ物には、ブロッコリー・さつまいも・レタスなど、犬によく与えることのある食材もあります。
水分不足とおしっこの我慢
犬の尿路結石は、水分不足と、おしっこの我慢が原因になることがあります。
ドライフードを食べた後、お水を飲む量が少ない時、おしっこの出る量が減ります。そうすると尿が濃くなり、結石の原因となるミネラルが結晶化しやすくなるため尿路に石ができやすくなります。
そして、散歩に行かなければおしっこをすることができない犬の場合、次の散歩までの間おしっこを我慢する時間が長く、膀胱におしっこが溜まる時間も長くなります。そうすると、膀胱に集まったミネラル分の結晶が結石になるのに十分な時間を与えてしまうことになるのです。
犬が尿路結石になっている時のサイン
では、犬が尿路結石になっている時のサインには、どのようなものがあるのでしょうか。
1.おしっこの回数が増える
犬が尿路結石になっている時、おしっこの回数が増えることがあります。いわゆる「頻尿」です。
何度もおしっこに行くのですが、1滴しかでなかったり、全くでなかったりすることがあります。おしっこが出ないにも関わらず、おしっこをしたくなる症状です。主に「膀胱結石」で起こるサインです。
2.おしっこに血が混じる
犬が尿路結石になっている時、おしっこに血が混じることがあります。おしっこの量が多い時は、血が混じっていることに気づきにくいです。
- 尿の色が濃くなった
- 尿がオレンジ色っぽい
- 尿が赤色っぽい
このような色の変化が見られることがあります。
また、頻尿でおしっこが1滴だけ出た時、その1滴が赤色っぽく見えることもありますし、明らかに血であることが分かることがあります。血のみ出ているのでは?と感じられることもあります。主に「膀胱結石」で起こるサインです。
3.おしっこがポタポタ落ちるように出る
犬が尿路結石になっている時、おしっこがポタポタ落ちるように出ることがあります。スーッと出てこないのです。
また、ポタポタ出ていたおしっこが、全く出なくなってしまうこともあります。主に「尿道結石」で起こるサインです。
4.おしっこをする時に痛がる
犬が尿路結石になっている時、おしっこをする時に痛がることがあります。「キャンッ!」と甲高い声を上げて鳴くなどします。
こちらは主に「膀胱結石」で起こるサインです。膀胱炎のサインの場合もあります。
5.食欲不振と嘔吐
犬が尿路結石になっている時、食欲がなくなり、嘔吐してしまうことがあります。
これは、尿路だけではなく、体そのものに症状が起きているというサインです。尿管に結石が詰まったことで、急性腎不全を起こしている可能性があります。
飼い主にできることは?
私は、我が家のポメラニアンがストルバイト結石になった時、尿の色がオレンジ色っぽく見えたこと、その後、1滴出たものがおしっこではなく血に見えたことで気づき、病院へ急ぎました。
飼い主にできることは、愛犬の尿路(膀胱・尿道・尿管・腎臓)の健康状態を知るために、年1回の尿検査を受けることです。予約の必要はありませんし、その日に結果が分かります。
メス犬の場合、自宅でおしっこを容器に採取し、動物病院へ持って行く必要があります。オス犬の場合、尿道にカテーテルを挿入して採取することができますので、獣医師に相談してみてください。
まとめ
犬が尿路結石になっている時のサインを5つ解説しました。
- おしっこの回数が増える
- おしっこに血が混じる
- おしっこがポタポタ落ちるように出る
- おしっこをする時に痛がる
- 食欲不振と嘔吐
外でおしっこをする習慣がある犬の場合、尿路結石のサインに気づきにくいので注意が必要です。
尿路結石の予防と早期発見のために、本記事をぜひお役立てください。