犬の関節炎の症状
散歩や遊びを喜ばなくなる
散歩に行くことやおもちゃで遊ぶことが大好きなはずの犬が、それらに対してあまり喜ばなくなったり、嫌がるようになったりするときは、関節炎を発症しているかもしれません。
関節炎を発症すると、関節を動かすときに痛みが生じるので、歩いたり走ったりすることに苦痛を感じてしまいます。そのため、大好きだったはずの散歩や遊びも億劫になってしまい、動きたがらなくなってしまう様子が見られます。
立ち上がるときに時間がかかる
歩くとき以上に、立ったり座ったりするときに関節は大きく動きます。そのため、足を折り曲げて座るときや座った状態から立ち上がるときには、関節に摩擦が生じて痛みを感じてしまいます。
これまでであればさっと立ち上がっていたにもかかわらず、そのような動作に時間がかかったりぎこちなさを感じたりするときには、関節炎を起こしているかもしれません。
段差を避ける
階段を上り下りするときやジャンプをして着地したとき、関節には大きな衝撃が加わります。平坦な道を歩くときに比べて、体重以上の負荷がかかるため、痛みも大きくなります。
段差の前で躊躇するようになったら、関節に負担を感じている可能性を考えてみてください。
歩幅が狭くなる
関節に痛みや負担を感じていると、大きな歩幅で歩くことができなくなります。
痛みや腫れによって関節の動きが制限されるためで、無理に早く歩かせたり大きな歩幅で歩かせたりすると、さらに症状を悪化させてしまうため、気をつけなければなりません。
体を触られるのを嫌がる
愛犬の体を触ったときに、嫌がるようにどこかに行ってしまったり、唸って遠ざけようとしたりして嫌がる様子が見られたら、体に痛みを感じていることが考えられます。
関節炎の場合は、足を触ったときに怒ったり、散歩の後の足拭きを嫌がったりすることが増えるでしょう。
犬の関節炎の原因
骨の動きをサポートする関節に炎症が起きることで、痛みや腫れが生じたり、場合によっては脱臼や骨格の変形などが起きてしまいます。
関節炎が起こる原因は、先天性の疾病から加齢、外傷など様々なものがあります。関節炎の原因となりやすい疾病には、膝蓋骨脱臼や股関節形成不全、リウマチなどが挙げられていて、生まれつきこれらの疾病にかかりやすい犬種は関節炎も起こしやすいということになります。
また、関節の軟骨のすり減りなどによって炎症が起こることもあるため、過度な運動を続けていたスポーツドッグなども老齢になる前から関節炎を起こしやすいとされています。
犬の関節炎の予防策
関節に負担をかけることは、関節炎を引き起こす大きな要因となります。そのため、体重が重くなりすぎないように若い頃からしっかりと「体重管理」することが大切です。
また、関節に負荷をかけすぎないように体を支えられるような筋肉をつけておくことも必要です。
関節炎が起こる前であれば、肥満予防と筋力アップのために十分に運動をしましょう。すでに関節炎を発症している場合は、無理に運動をさせると関節をさらに痛めてしまい、症状を悪化させてしまうので注意しなければなりません。
愛犬の様子を見て、獣医師に相談しながら無理のない範囲で軽い運動や食事管理を行いましょう。
まとめ
犬の関節炎は特別なトラブルではなく、多くの犬に起こり得るものです。
先天的に関節に疾病を抱えている犬だけでなく、若い頃元気に運動をしていた犬も加齢とともに軟骨がすり減るなどで関節炎を起こすことはめずらしくありません。
関節炎は一度発症すると完治させることがむずかしく、進行してしまいがちなものなので、できるだけ炎症が起こらないように、愛犬の日々の食事や運動に気を配って健康管理を行いましょう。