犬を不健康にする『冬の食材』5選
冬にはさまざまな野菜や魚が旬の時期を迎えます。また、お正月やクリスマスといった行事も多いので、食卓に多くのご馳走が並ぶ機会も増えます。
そんな冬には、やはり犬たちの誤飲、誤食事故が増加傾向にあるので、飼い主は注意しなければなりません。ここでは、犬を不健康にしてしまう冬の食材を理由と共に5つご紹介します。
1.ネギ
冬に旬の時期を迎えるネギは、有機チオ硫酸化合物という成分が含まれているため、犬が食べてしまうと中毒症状を引き起こす危険性のある食材として有名です。
この有機チオ硫酸化合物は、犬が摂取することで赤血球が破壊され、重度の貧血症状を引き起こすなどの中毒症状が見られる恐れがあります。
少量であれば軽度の貧血症状で済むことが多いですが、摂取量によっては死に至る危険性もあるため、愛犬がネギを誤って食べないよう気をつけましょう。
2.お刺身
犬に生魚や生肉は大丈夫と思う人も多くいますが、実は現代の犬たちは生魚や生肉に対して耐性がないため、体調不良を引き起こす危険性があります。
生魚にはチアミナーゼが含まれており、このチアミナーゼによってビタミンB1欠乏症やヒスタミン中毒症状が引き起こされる恐れがあるのです。
特に、冬にはお正月などでお刺身が出される機会も増えます。お刺身は犬の興味をそそる食材でもあるので誤食事故が多いのです。魚は加熱すればチアミナーゼが破壊されるため、加熱処理をして与えましょう。
3.イカやタコ
生魚と同様に、生のイカやタコにもチアミナーゼが豊富に含まれています。そのため、摂取してしまうとB1欠乏症を引き起こす危険性があります。
また、イカやタコは噛み切りにくい特性を持っているため、犬に与えてしまうとそのまま飲み込んでしまい、喉に詰まらせ窒息してしまったり、胃で消化できずに消化不良を引き起こす恐れもあります。
さらに、お正月などでよく見られるスルメは犬が噛み切りにくく、また胃腸で消化されずに腸閉塞を引き起こす原因にもなりかねません。したがって、イカやタコそして加工されたスルメは与えないようにしましょう。
4.カニやエビなどの甲殻類
年末やお正月のご馳走としてカニやエビなどの甲殻類が食卓に並ぶことも少なくありません。しかし、カニやエビは生で与えてしまうと、犬にとって猛毒となり得る恐れがあります。
生の甲殻類にもチアミナーゼが含まれておりビタミンB1欠乏症を引き起こします。特に甲殻類はこうした症状を引き起こす犬が多く、歩行障害や筋力低下などの後遺症も見られます。
最悪の場合、摂取量によっては死にいたる危険性もあるため、生のカニやエビを愛犬が誤って食べないよう気をつけましょう。
5.餅
お正月の代名詞とも言える食材といえば、やはり鏡餅ではないでしょうか。他にも冬にはお餅を焼いたり茹でたりして、さまざまな楽しみ方ができますよね。
しかし、お餅は消化しにくい上、噛み切りにくい食材です。人間でも喉に詰まらせて毎年死者が出ている食材なので、犬にとっては致命傷となりかねません。
飼い主が美味しそうに食べていると犬たちも「ちょうだい」と甘えてくるため、つい与えたくなってしまうでしょう。しかし、窒息や消化不良のリスクなどを考えて与えることは避けるべきです。
まとめ
いかがでしたか。冬には美味しい食材がたくさん並びます。しかし、中には犬が食べてしまうと事故や食中毒症状を引き起こす食材もあるので、むやみに与えるのはやめましょう。必ず食材を与える際は、犬にとって安全な食材かどうかを確かめてから与えてください。