犬が『音』に恐怖を感じてしまう3つの原因 克服するための対策は?

犬が『音』に恐怖を感じてしまう3つの原因 克服するための対策は?

聴覚が優れている犬は、音に対して恐怖を感じてしまうことが少なくありません。この記事では、その原因と克服するためのコツを解説するので、参考にしてください。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

1.過去に嫌な経験をした

赤い布を被る犬

犬が音に対して恐怖を感じる原因のひとつが、その音を聞くと過去の嫌な経験やトラウマを思い出すということが考えられます。人間でも同じですが、音やにおいといった目に見えないものでも、それらを感じると記憶が呼び起こされるということがあります。

そのため、犬が怖い思いをしたときに聞いた音や、不安を感じていたときに聞こえていた音を聞くと、そのときのことをまた思い出してしまうのです。

2.音の発生源がわからず不安

雷とフレブル

雷や花火、工事現場の作業音など、大きな音を聞くと、私たち人間でも瞬間的に驚いたり怖さを感じたりすることがあるでしょう。しかし、人間の場合は、その音の発生源や音が鳴っている場所がわかれば、ある程度は安心したり納得したりできると思います。

しかし、犬には雷や花火といったものを理解するのがむずかしいため、いつまで経ってもその音に対して「正体不明の怖い音」というイメージが消えないのです。

むしろ、「これからもっと怖いことがあるのでは?」「何が起こるかわからない」と思い、音が鳴っている間だけでなく、鳴り終わったあとも不安や恐怖を感じ続けてしまうことがあります。

3.刺激が強い、耳障りに感じる

片耳を上げている犬

犬は聴覚が優れているため、小さな音や人間には聞き取れない周波数の音なども聞き取れます。そのため、人間以上に音に対して敏感で、音を不快に感じたり強い刺激を感じたりすることがあるとされています。

家の中でもテレビの音や掃除機など生活に密着したものに対しても、不快感を感じたり、落ち着かない気分になったりする犬もいるようです。特に、甲高い音や「パンッ」という破裂音、地響きのような音を嫌がることが多いと考えられています。

苦手な音を克服するためのコツ

女性とビーグル

苦手な音がある場合の対策として大切なのは、「少しずつ慣らすこと」と「これ以上嫌なイメージをつけないこと」です。

苦手な音であっても、小さな音量から聞かせたり離れた場所で聞かせたりすることで、抵抗感なく受け入れられることがあります。犬が問題なく聞ける音量や距離を、少しずつ大きくしたり縮めたりするイメージで聞かせていくといいでしょう。

さらに、音を聞いているときにおやつをあげたりなでたりして、「その音がしているときにいいことが起こる」というイメージをつけてあげると効果的です。

また、慣れさせるためといっても、犬が怖がっているのに苦手な音を聞かせ続けたり、苦手な音がしている場所に長くいるように仕向けたりするのはNGです。

嫌な思いをさせながら無理やり聞かせても決して慣れることはなく、余計に苦手になってしまう可能性が高いので気をつけなければなりません。

まとめ

窓の外を見る犬

犬は、聴覚が優れている分、音に対して敏感に反応します。そして、聞き分けにも優れているため、聞こえてきた音から過去の嫌な経験やトラウマを思い出してしまったり、不安に陥ったりすることもあるのです。

これらは理屈抜きで怖いものなので、いくら飼い主さんが言葉で「大丈夫」といったところで、そう簡単には克服できないでしょう。

しかし、すぐには克服できなくても、じっくり時間をかけて苦手な音に慣らしていったり、苦手な音と楽しい経験を結びつけたりして、少しずつ克服していくことはできます。

多少根気がいるかもしれませんが、音に対して犬がストレスを感じないように、ぜひ取り組んでみてくださいね。

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