通報・発見
草地の一本道をガタガタと進む車。すると前方から犬の吠える声が聞こえてきます。建築資材か何かが積まれている行き止まりになりました。そこにつながれ、吠えながら鎖を一杯に引っ張って飛び跳ねている黒犬が。
カメラが周囲を映すと、海を見渡す山の中腹だとわかります。ここは、ギリシャ・クレタ島。タキス・シェルターから、ネグレクト状態にある犬たちの保護にやってきました。
もう最初から嬉しさ全開で訪問者を迎えてくれました。
不衛生な環境で自由を奪われ孤立
黒ちゃん(仮名)に「うちに連れて行くからね。」と声をかけていると、後ろからも「ワン!こっちにも来て!」と催促がかかりました。行ってみると、木の枠に囲われた狭い場所に白っぽい子が隔離されています。こちらも大歓迎です。
タキスさん:「この狭い場所で一生を過ごさせるなんて信じられませんね。」
少し離れると、白ちゃん(仮名)はキャンキャンと必死に吠えます。「こっちに来て!お願い!見捨てないで!」白ちゃんは不安で一杯。このやさしそうな人、戻って来てくれるのかな?
もちろんです。ほら、タキスさんが言っています。「君の暮らしはガラッと変わるからね!」
タキスさんがリードを取りに車に戻る間、白ちゃんは犬小屋の上に登って見つめます。「行っちゃう?戻って来てくれる?」
リードを首に回して首輪ごと鎖をはずすと、白ちゃんは待ちきれないというように、リードを引っ張って歩き出しました。ところがすぐに地面に寝転がります。
タキスさん:「この子、こうして『ありがとう』と言っているんですね」
そうしている間にも、今度は黒ちゃんが吠えている。「置いていかないで!」わかってる、わかってるよ。待っててね。
次の動画でやっと黒ちゃんの番です!あぁ、もう、全身から喜びが伝わりますね!
車まで誘導すると、驚いたことに黒ちゃん、自分から荷台に飛び乗り、少しうながすと、スッとクレートに入ってくれました。まるでこれに乗れば未来が開けると知っているような…。賢い子です。
足にケガがありますが、全体的には元気です。隣のクレートには先に収容した白ちゃんです。
この車の荷台は2つのクレートでほぼいっぱい。3頭目は、目で確認して後でもう一度運転してくることにしました。このブチ柄の子です。
心細いと思うけれど、シェルターまで往復1時間。ちょっと待っていてね。
さらに続く動画です。
すでに最初の黒ちゃん、白ちゃんをシェルターに保護した後、太った高齢のブチ柄のブッチー(仮名)を連れに戻ってきました。運動不足で太らせるのも、立派なネグレクト。
でもこの子は多少は「大切に」されていたのか鎖にはつながれず、少し広めの囲いの中にいました。フンだらけですけれどね。タキスさんも「ウン〇の山ですよ!」と思わず叫びます。
タキスさん、ここの所有者と直接言葉を交わしたそう。その本人が「もう続けられない、飼わない」と約束したそうです。通報したのはもしかしたら本人かもしれません。
囲いの中を確認している間、ここから逃げたくてたまらないブッチーは、とびらのすき間に頭を突っ込んで待っていましたよ。
刺さる!タキスさんの言葉
「(鎖や狭いオリの中で苦しんでいる)犬たちを自由にしてあげられる瞬間はとてもワクワクします。この仕事は実に大変ですが、やりがいはありますよ。犬たちが幸せになる姿を見るのは私も幸せだからね。自分の魂がきれいになっていくように感じます」
動物たちの救助、保護活動に本気で従事する人々の心は清々しく、美しい。そう思いませんか?
動画を見ることは保護支援にもつながります!
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Takis Shelter