犬がいつもと違う座り方をしている理由3つ!病院に連れて行く症状は?

犬がいつもと違う座り方をしている理由3つ!病院に連れて行く症状は?

人もいろいろな姿勢で腰を下ろしたり座ったりしますが、犬たちもぴしっとした座り方をするときもあればだらけた座り方をするときもあります。座り方にも様々な癖がありますが、見慣れない姿勢で座っているときはちょっと注意をしてみたほうが良いかもしれません。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の座り方

すわれを教わる犬

人間が犬に正しいお座りとして教える姿勢は、立っている状態から膝を曲げてかかとを地面につき腰を下ろした形です。人の姿勢で言えば「三角座り」「体育座り」の状態に近いかもしれませんね。両足・両膝をぴしっとそろえて背筋を伸ばしたこの座り方は、ある意味「正座」のようで長く続けるのは大変かもしれません。

理想はこのような綺麗なお座りですが、犬もときにはだらけて見える姿勢を取ることがあります。片足を横に流した座り方や両足を前に伸ばした座り方、しっぽの付け根に近い所を床に付けて背を丸めるような座り方などを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

ちょっとだらけた姿勢でかわいらしく見える反面、いつもの座り方じゃないから心配という方もいるかもしれません。足をかばっていたり、座るとどこかが痛んでいたりするからということも十分考えられます。

犬がいつもと違う座り方をしているときは、少し注意して観察することが必要です。

いつもと違う座り方をする理由

横座りする柴犬

ここからは、犬がいつもと違う座り方をしている理由について解説いたします。

1.股関節のトラブル

遺伝的な要因で発症しやすい病気の一つが「股関節形成不全」です。大型犬、超大型犬に特に多くみられますが、小型犬や猫などの発症報告もゼロではありません。

主な原因は股関節自体のゆるみで、成長するにつれて関節部分の変形や異常が大きくなっていき、その負荷によってじん帯などに炎症を起こして痛みが生じます。

股関節形成不全の場合、両足が横に流れるような座り方をしていることが多いようです。また歩くときに大きく腰が振れたり、両足で同時に地面をぴょんぴょん蹴るような歩き方になったりする様子が見られます。歩くのを嫌がるようでしたら、すぐに獣医さんの診察を受けましょう。

ただし横に足を流す座り方をしているからといって、必ず股関節の異常があるわけではなく、たまたまだらけたときにも同様の座り方をすることもあります。

2.膝関節のトラブル

両足を大きく広げた座り方やあぐらのような座り方をしている場合、膝にトラブルがある可能性があります。多くみられるのは膝のお皿の骨が自然の位置からずれてしまう膝蓋骨脱臼で、こちらは小型犬に多く発症するようです。

比較的簡単にずれてしまう骨なので、軽度の場合は自然に元に戻ります。しかし何度も繰り返したり、強く脱臼したりすることで元に戻りにくくなり強い痛みを生じるようになっていきます。症状が進むと歩行ができなくなることも。

こちらは遺伝性のものもありますが、後天的に起こるケガなどが原因になることも多い疾患です。後ろの二本足で高くジャンプすることを繰り返したり、走っている時に滑って転んだりすることで脱臼しやすくなるので、骨の細い小型犬は骨折も含めて特に注意が必要でしょう。

膝を曲げる通常の座り方を避けていたり膝の曲げ伸ばしを嫌がったりするようでしたら、すぐに獣医さんの診察を受けてください。

3.お尻・尻尾のトラブル

振り向いてお尻を見せる犬

座る事そのものを嫌がったり、何度も座ったり立ったりを繰り返す場合、お尻の周辺になんらかのトラブルがある可能性があります。

肛門周辺のイボやケガ、肛門腺の炎症などがあると、痛みを伴うためお尻ではなく腿の上部で座ったり座ること自体を避けたりするようになります。

また尻尾の骨や筋肉に異常がある場合も座ることを嫌がります。触れた際に痛がったり、尻尾が力なく垂れ下がったりしていることが多いようでしたらこちらも獣医さんに相談してみましょう。

まとめ

座る柴犬の子

痛みや違和感があって座り方がいつもと違う場合は、歩様や姿勢にも異常があることが多いため、「あれ」と思ったら素人判断はせずに早めに受診しましょう。特に子犬の足を崩した座り方はかわいい反面、異常を見逃しやすく成長過程で体重が増加すると痛みが強くでることがあります。

なんとなくいつもと座り方が違うな、歩くときの様子がおかしいなと思ったら早めの対処をしましょう。受診の際は「いつもとこういう風に違う」「こんな歩き方をしていた」などの観察情報も大切です。毎日愛犬をしっかり見ていてあげてくださいね。

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