犬の呼吸がいつもより荒い原因
愛犬の呼吸が正常であるかどうかを知りたい時は、安静時の1分間の呼吸数を数えてみてください。「1分間に18回~25回くらい」が正常な状態の目安であるとされています。安静時のタイミングが難しいという場合には、眠っている時でも構いません。
記録は毎日しておいた方がよいですが、1週間に1回でもよいので比べてみることが大切です。呼吸がいつもより荒いなと気づいた時に記録を見返すと、日々少しずつ呼吸数が増えていることに気づくことがあります。
ではここからは、犬の呼吸がいつもより荒い場合に考えられる原因について解説していきたいと思います。
1.苦痛に耐えている
犬の呼吸がいつもより荒い時、苦痛に耐えているのではないか、ということが考えられます。
- 怪我をしている
- お腹の調子が悪い
- 関節に炎症がある
このような症状によって苦痛があり、呼吸がいつもより早くなることがあります。
ケージやベッドに入ったまま出てこなかったり、体をキュッと丸めて休んでいたり、苦痛に耐えるように荒い呼吸をする時は、あまり動こうとしません。それでも飼い主に誘われればお散歩にも行きますし、ごはんも食べることがあります。症状や苦痛がかるいうちは異変に気づきにくいかもしれません。
呼吸がいつもより荒く寝てばかりいる時は、体に苦痛を感じるような怪我をしていないかどうか確認してみてください。お腹の調子が悪い時は、きゅるきゅると音が鳴ったり、嘔吐したり、うんちが緩くなるなどすることがあります。
2.心不全の進行や悪化による症状
犬の呼吸がいつもより荒い時、心不全の進行や悪化による症状なのではないか、ということが考えられます。また、先にご紹介した1分間の呼吸数の変化が、心不全の症状の進行や悪化を知る目安になると言われています。
我が家の愛犬も心不全だと診断されていますが、心不全を患っている場合でも、1分間の呼吸数は正常な範囲内です。
呼吸がいつもより荒い時、呼吸数が増えた時、心不全の症状の進行や悪化が原因なのではないか、疑う目安にするとよいと思います。
愛犬が心不全であることに気づいていない飼い主は非常に多いです。私もレントゲン検査を受けたことで知りました。普段の健康診断ではなかなか受けない検査かもしれません。
愛犬が心不全になりやすい犬種でシニアと呼ばれる7歳前後である場合には、ぜひ心臓のレントゲン検査を受けることをおすすめします。
3.体温を調整している
犬の呼吸がいつもより荒い時、体温を調整しているのではないか、ということが考えられます。
人と犬とでは体感温度が違います。(今日はそんなに暑くないはずなのに…)と飼い主が思っていても、愛犬にとっては暑いことがあります。
熱中症になりやすい夏だけではなく、暖房を使用した室内で過ごす時間の多い冬にも暑さ対策や熱中症対策が必要です。
呼吸がいつもより荒いなと感じた時は、熱中症の一歩手前、もしくは初期症状であるかもしれません。
犬の呼吸がいつもより荒い時の適切な対処法
舌の色の変化を見る
正常時の犬の舌の色はピンク色をしています。やや赤っぽく見ることもあります。
注意したいのは、青っぽく見えたり、白っぽく見えたり、いつもの舌の色と明らかな変化が見られる時です。呼吸がしづらい時、呼吸困難な時、犬の舌は青っぽい色や紫っぽい色になることがあります。また、貧血を起こしている時には、白っぽい色になることがあります。
すぐに動物病院で診察を受けてください。
体の隅々に触れてみる
愛犬の体の隅々に触れてみてください。手足の関節の曲げ伸ばしをしてみてください。痛みを訴える部位がないかどうかを見ます。
痛みがある部分に触れた時、「キャンッ!」と甲高い声で鳴くことがあります。唸り声をあげて威嚇することもあります。
獣医師の診察を受ける時、どの部分を痛がったのか伝えてください。
とにかく動物病院へ急ぐ
飼い主では適切な判断や対応が難しい場合がありますよね。本当にこれでいいのか、間違っていないのか、不安になってしまうと思います。
愛犬の呼吸がいつもより荒いと感じ、それが異常であると思う時は、とにかく動物病院へ急ぎましょう。
まとめ
犬の呼吸がいつもより荒い原因を3つ解説しました。
- 苦痛に耐えている
- 心不全の進行や悪化による症状
- 体温を調整している
愛犬の呼吸の変化に気づくためには、普段の呼吸の状態を知っておかなければなりません。
ほんの小さな変化にも気づきたい場合には、ぜひ普段の安静時の呼吸数を把握しておきましょう。