犬が口元をパクパクさせる心理
1.仲良くなりたい
犬が他の犬に向かって口元をパクパクさせるのは、その犬と仲良くなりたいからです。「ケンカはしたくないよ、仲良くしよう!」と伝えているのです。
人に対しても仲良くしたいという気持ちを伝える時、目を見つめながら口元をパクパクすることがあります。犬の前にしゃがんで体勢を低くし、「おいで!」と呼んでみてください。嬉しそうに寄って来たら頭や体を撫でても大丈夫です。事前に飼い主の許可を得てくださいね。
もしも犬が苦手な場合には、「こんにちは、かわいいね」と、声をかけるだけでもいいです。笑顔を向けてあげるだけでも犬は喜びます。嫌な顔をしたり無視したりすると犬も傷ついてしまうことがあります。
2.発情期のメス犬の香りにうっとりしている
メス犬を目の前にしたオス犬が口元をパクパクさせるのは、そのメス犬が発情期であり、フェロモンの香りによって興奮しているからです。うっとりとした表情を見せることがあります。
オス犬には発情期がなく、発情期のメスの独特な香りを嗅ぎ、発情します。
地面に鼻を近づけてよく嗅いだ後、舐めたり口元をパクパクさせたりすることもあります。その場所で発情期のメス犬が排泄をしたのでしょう。
近くに発情期のメス犬がいる場合には、すぐにその場を立ち去りましょう。興奮状態のオス犬にとっても大きなストレスになります。
また、愛犬が発情期である時は、他の犬と会わない時間帯を狙ってお散歩するように心がけるのもマナーのひとつです。
3.興奮によるストレスを和らげたい
興奮によるストレスを和らげたい時、犬が口元をパクパクさせることがあります。
- ごはんを用意する飼い主の姿を見た時
- 大好物のおやつを目の前にした時
- お散歩中、向こうから大好きな犬友達が歩いてきている時
- 動物病院の待合室にいる時
このような時、興奮とストレスによって口元をパクパクすることがあります。歯がカタカタと音が鳴るほど口元をパクパクさせることもありますが、嬉しい興奮と不安や緊張による興奮とでは違いますよね。
不安や緊張による興奮とストレスがある時は、一時的にその場から離れるとよいと思います。動物病院で診察の順番待ちをする場合、待合室にずっといるのではなく、気分転換に外に出てみましょう。
4.「てんかん」による発作が起きている
犬が口元をパクパクさせる時、「てんかん」による発作が起きている可能性があります。
脳の神経細胞が興奮状態になり、発作が起こる病気です。脳には、興奮を伝達するための神経細胞、興奮を抑制するための細胞の2つがあります。このバランスが崩れてしまった時、突発的な痙攣を伴う発作が起きるのではないかとされています。
てんかんによる発作が起きている時、座ったまま口元をパクパクさせることがあります。立ち尽くすようにして口元をパクパクさせることがあります。寝たままの体勢で口元をパクパクさせることもあります。
いつどのようなタイミングで発作が起き、口元をパクパクさせるか分からないのです。また、犬自身もなぜ口元をパクパクさせてしまうのか理解できていないようです。
てんかんという病気は、発作が起きている時以外は何事もない様子です。痛がったり苦しんだりもしないのです。だからこそ気づきにくい病気です。
愛犬が口元をパクパクさせている時、声をかけても反応せず、おかしな様子に感じる時はすぐに診察を受けてください。口元をパクパクさせる時の動画を撮り、獣医師に見せるとよいと思います。
まとめ
犬が口元をパクパクさせる心理を4つ解説しました。
- 仲良くなりたい
- 発情期のメス犬の香りにうっとりしている
- 興奮によるストレスを和らげたい
- てんかんによる発作が起きている
稀なケースですが、お口の中に腫瘍や痛みがあり、口元をパクパクさせる犬もいるようです。
犬にも毎日の歯磨きやお口の中のケアが必要です。日頃から愛犬のお口の中を覗き、健康チェックをお願いします。