1.食べられるだけ食べる習性がある
犬は、元々狩りを行って生きていたオオカミなどの動物の血を引く動物です。そして、それらの動物は狩りで捕らえた獲物を食べていたため、常にいつ食事ができるかわからず不安定な状態で生きていました。
次にいつ食べられるかわからない状態だったため、犬は『目の前にある食べ物は食べられるだけ食べ尽くす』という習性を持っています。(それほどお腹空いていないから、あとで食べよう)などという発想にはならないのです。
犬はそのような習性や本能を持っているため、目の前に食べ物があればすべて食べ尽くし、もらえそうな様子があれば要求するのです。ただし、家庭犬の場合は食べ物に困るという経験をしたことがないため、気分次第で食べたり、食べ物に対してわがままになったりすることも珍しくありません。
2.早食いで満腹感を感じにくい
前述のように犬は目の前にあるものをすぐに食べ尽くす習性があり、しかも早食いの傾向もあります。動物は食事を始めてから15分以上経たないと満腹中枢がしっかりと働かないことが多いため、多くの犬は満腹を感じる前に食事を終えてしまいます。
そのため、食事を食べ終わっても物足りなさそうにフードボウルを舐めていたり、飼い主さんにおかわりを要求するような仕草を見せたりします。このとき、実際は十分な量を食べているのですが、満腹になっているサインが脳に伝達されていないのです。
3.欲しがればもらえると理解している
犬が食べ物を欲しがる理由として、単純に「食べることが好き」ということが挙げられます。そして、そうした犬は飼い主さんが料理をしているときやご飯を食べているときなどに、「おすそ分け」をもらおうと考えています。
可愛い顔で飼い主さんを見つめたり、吠えて合図をしたり、様々な方法で「欲しいアピール」をします。しかし、いつもそれに応じてしまうと、犬は「欲しがればもらえる」と学習してしまい、わがままになってしまうことがあるので注意しましょう。
食べ物を与えすぎるリスク
多くの人が理解していると思いますが、犬に食べ物を与えすぎるリスクとして考えられるのが、肥満や病気の発症です。使うエネルギーと食べ物から摂取するエネルギーのバランスが合っていなければ、当然犬の体に蓄積されて肥満になってしまいます。
肥満はただ見た目が丸くなるだけでなく、足腰の関節に負担をかけていためやすくなってしまったり、呼吸器疾患を引き起こしたりすることがあります。そのほかにも、様々な病気の要因として肥満が挙げられていて、「肥満は万病の元」とも言われる程です。
大切な愛犬の健康を守るために、必要以上に食べ物を与えることのないように注意してください。
食べ物を欲しがるときの適切な対応
犬が食べ物をいつまでも欲しがっていると、かわいそうな気持ちになってしまいついついたくさん与えてしまう飼い主さんは少なくありません。ご飯を食べてもまだ欲しがっているとそこに追加したり、飼い主さんがご飯やおやつを食べているときに欲しがっている犬に「おすそわけ」してしまったり…。
ほんのたまにであれば許容の範囲かもしれませんが、いつも欲しがるだけ与えるのは上記の通りNGです。
犬が適量の食事を食べているにもかかわらず、食べ物をいつまでも欲しがっているときに取るべき対応は「無視」です。「仕方ないな」と少量でも与えてしまえば、犬はそれを覚えてしまいます。そして飼い主さんが折れて食事を追加してくれるまで、様々なアピール方法で食べ物を要求するようになってしまいます。
ただし、空腹のあまり胃液や胆汁を吐いてしまうなど、明らかに足りていない場合はドッグフードの種類を見直したり、与える量はそのままで回数を増やしたりして、満足感のある食事になるように工夫してあげるようにしてください。
まとめ
ここでは、犬が食べ物をいつまでも欲しがる理由を解説してきました。動物にとって食べることは、命をつなぐことに直接的に関係するため、理屈抜きで食べ物を欲しがるものだと思います。
ただし、犬の求めに応じて与えすぎてしまうと、大切な愛犬の健康を害するおそれがあるので十分注意しなければなりません。
また、異常な食欲を見せる場合、「クッシング症候群」などホルモン系の疾患が影響している可能性もあります。食欲以外にも体調や行動に変化が見られる場合や、少しでも気になることがある場合は念のため動物病院で診てもらうといいでしょう。