犬の『肛門腺絞り』とは?
皆さんは『肛門腺絞り』をご存知でしょうか。肛門腺絞りとは、分泌液を排出する肛門腺に溜まってしまった不要な分泌物を押し出すお手入れの1つです。
通常であればウンチと一緒に外へと出されることが多いのですが、老化などに伴い、力が入りにくくなってしまうと分泌液を体外へと排出することが難しくなり、肛門嚢や肛門腺に溜まってしまうのです。
分泌物が溜まってしまうと臭いが強く出るようになったり、肛門嚢炎や肛門腺破裂といった症状が起きる危険性が高まります。
こうした事態を回避するためにも子犬や成犬であれば1ヶ月に1回、シニア期に入っている犬の場合は、2週間に1回を目安に肛門絞りをすると良いとされています。
犬の肛門腺絞りでやるべきではないNG行為3選
では、犬の肛門腺絞りで気をつけるべきことはあるのでしょうか。ご自宅で愛犬の肛門腺絞りをする際は、以下のような行為に気をつけましょう。
1.嫌がっているのに無理に行う
肛門腺絞りに慣れていない犬の場合、突然肛門腺絞りをしようとしても「何しようとしているの?」と驚いてしまい嫌がる犬も多くいます。
嫌がっているのに無理に行ってしまうと、肛門腺絞りというお手入れ自体に苦手意識やトラウマを抱えてしまうため、その後の肛門腺絞りがスムーズに行かなくなる恐れがあります。
また初めて行う場合は、飼い主が不慣れであることも嫌がられてしまう原因となりやすいです。最初は動物病院やトリマーさんなどから正しい方法や手順を指導してもらいましょう。
2.必要以上の力を入れて強く絞る
肛門腺絞りは肛門周りを軽く押し出すようにして絞ります。この際、必要以上に力を入れて強くギュッギュと絞ってしまうと、肛門付近を傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。
また、力強く押し出してしまうと犬自身も痛みを感じ、肛門腺絞りに苦手意識を持ってしまいます。無理に力を入れて押し出そうとはせず、なるべく優しく絞り、出せる分だけ出すようにしましょう。
3.肛門腺に溜まっている分泌物をすべて出そうとする
肛門腺絞りをする際、多くの飼い主さんは肛門腺に溜まっている分泌物をすべて出し切ろうとします。しかし実は肛門嚢には、ある程度の分泌物が溜まっている状態が理想的とされているため、すべて出し切る必要はありません。
また、すべて出し切ろうとすると無意識のうちに手に力が入ってしまい、肛門嚢内が炎症を起こしてしまいます。
肛門腺絞りは、少しだけ分泌物が押し出せたらOKくらいの気持ちで臨みましょう。
自分では難しいと感じたら動物病院やサロンにお願いしよう
愛犬の健康のために定期的な肛門腺絞りは大切です。しかし、自分で行おうとして難しいと感じた場合は無理に自分でやろうとせず、まずは動物病院やトリミングサロンなどへ連れて行き、肛門腺絞りをお願いしましょう。
可能であれば一緒に動物病院やサロンへ行き、肛門腺絞りのやり方を実際に目の前で見せてもらいながら指導してもらうと、次から自宅でできるようになります。
まとめ
いかがでしたか。意外と犬のお世話の1つとして『肛門腺絞り』は忘れがちです。しかし、慣れていない人が無理に行おうとすると、かえって傷つけてしまう恐れがあるので、最初は動物病院などで指導してもらいましょう。自宅で行うことが難しければ、トリミングサロンや動物病院にお願いしましょう。