飼い主が亡くなって身寄りなく、妊娠中の犬は警戒心のかたまりでしたが…

飼い主が亡くなって身寄りなく、妊娠中の犬は警戒心のかたまりでしたが…

飼い主が1年以上前に亡くなって身寄りのない元・飼い犬は、かつて住んでいた家のまわりにずっと居続けました。妊娠して警戒心が強かったのですが、保護されシェルターにたどり着くと、心を開いて行きます。

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ひとりぼっちで放り出されて

発見・保護

ギリシャ・クレタ島の昼下がり。道路脇にまかれたドッグフードを食べる犬。首輪をしていますが、どうしたのでしょう?おどおどして、物音がすると頭を上げまわりを見回します。不用意に近づいても逃げられるだけの様子です。

あ、わかりました。左端に映っている四角いもの。近所のゴミ集積所かと思っていたのですが、違う違う。犬を捕獲するために置いたトラップです!フードで中へおびき寄せているんですね。

警戒心の強い犬はなかなかトラップに入りません。離れて撮影している保護施設タキス・シェルターのタキスさんは思わず、「ほら、入って、入って」とつぶやきます。

いい感じに犬が前進して、もう少しで踏み板に体重をかけようというタイミングで、車が1台、横を走り抜けていきました。犬はその音で、ふと我に返ったように外に出てしまいます。

それでも再度、点々と続くドッグフードを追って、犬は何となく不安ながらも意を決してさらに中へ進み、踏み板に足を乗せ、そして…。

いやいや、そんなに簡単には行きませんよ。この子、トラップの経験があるのかもしれません。踏み板に乗らないように体重を後足に残して首をのばし、さらに前足は踏み板の横の狭いすき間に置かれているようです。食べるだけ食べて、また外に出てしまいました。

中に残るフードをねらって、警戒しながらまた足を踏み入れた犬。じりじりする数秒、「ほら、もう1歩、前に出て…。」

前足が踏み板に、そして、ガシャン!

ここで初めて状況が説明されます。この犬がもう1年以上ここに居ついている、そのわけは、飼い主が亡くなってしまったからだと。一緒に住んでいた家の前から離れない犬は、きっと近所の人から食べ物をもらって今日までノラとして生きてきたのです。悲しいですね。

元飼い犬だから、いったんつかまってしまえば、人に慣れているのがわかります。もう外の暮らしは終わりね。

シェルターで

次の動画で、シェルターに到着。タキスさんによると、この子は妊娠しているそう。確かに胴体が太い印象でしたが、やはり。

おずおずと出てきました。

お初の犬が最初に入る部屋です。そこにいるのは新入りに対して寛容な犬たち。こわがらなくていいよ。

差し出された手に近づき、あいさつをする犬。ここが安全な場所、この人はやさしい人。そう認識できて、少しずつ落ち着いてきましたね。よかった。

変身

重いおなかに目をやると、出産準備の整った乳房が垂れています。乳首を押すと、乳が出てきました。もう、いつ出産してもおかしくない状況です。きっとこれを見て近所の住人が保護依頼したのでしょうね。「リサ」と名づけ、この後は出産のために別の部屋に移すそうです。

身寄りを失ってノラ生活していた間、この子はかたくなに誰にも体を触らせなかったそう。きっと食べ物を与えていた人にもです。シェルターに到着して、魔法のように一瞬にして頭も体も喜んでなでられるようになりました。

子犬を守るべきおなかも触らせてくれるぐらいです。表情も穏やか。仲間の犬たちとの交流の様子は動画を見てくださいね!

犬の飼い主は、自分にもしものことがあった場合に愛犬をどうするか、今からすぐにでも対策を講じることが大切です。この子が路頭に迷わないように。

動画を見ることは保護支援にもつながります!

※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
 掲載YouTubeチャンネル:Takis Shelter

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