犬が人の足に体を擦りつける心理
朝起きて犬におはようとしたとき、お仕事から帰ってきてただいまをしたとき、またソファなどでくつろいでいるとき、犬が近寄ってきて体を擦りつけていくことがあります。通りすがりに擦りつけていくこともあれば、何度も往復するように体を寄せてくることもあります。
もちろんこれには犬なりの理由があるのですが、では一体どのような心理なのでしょうか。
1.甘えている
犬は人間の言葉を話すことができませんし、両腕で抱きしめることもできません。そのためボディランゲージなどで気持ちを表します。
人の口元をなめようとするのは、子犬のころの名残であったり、親愛の情だといわれています。腹を撫でさせたり、体を寄せて密着したりすることもそうですね。
同じように、体を飼い主に擦りつける行為は、「親愛」や「甘え」の表現と言われています。ぐいぐいと頭を押し付けてきたり、人の足に体を擦りつけてきたり、そのままごろんと転がってみたりする行為は大抵の場合、甘えであったり、遊んでほしいといった要求であったりするようです。
これは小さな頃から(こうすれば飼い主が撫でてくれた、遊んでくれた)という学習をしている結果なのですが、確かにすり寄ってこられたらつい撫でてやりたくなりますよね。
また単純に甘えているときのほかにも、「散歩に行きたい」「注目して」「遊んで」という要求をしている場合もあります。
ただ、これらの要求に毎回応じていると犬たちは「こうすれば遊んでもらえる」とエスカレートしていきます。そのため、忙しいときは応じない、余裕があるときは応じるなど、ランダムな対応をすることで逆にご褒美感が増します。
もちろん、どうしても要求に応じられないときは、「また後で」と教えてあげてくださいね。
2.愛情表現
甘えと似ているのですが、こちらは何らかの要求を含まないものです。気分が高まったり、遊んでもらってうれしかったり、ごはんをもらってうれしかったりしたときに、すりすりと体を擦りつけてくることがあります。
甘えの場合と異なるのが、擦りつけ方がしつこくない感じがするところでしょうか。すりすりとしたあとにはふいっと通り過ぎて行ってしまうようなときは、この愛情表現をしている場合のようです。
3.体がかゆい
甘えの行動かと見落としがちになるのが、こちらの「かゆみ」です。
ちょっと背中がかゆい、頭のてっぺんがかゆい、わき腹がかゆいという時、ほとんどの犬は自分で掻いたりどこか柱などにこすりつけて掻いたりするものですよね。しかし、たまたま通り道の良いところに「人の足」があったために擦りつけていく…ということもあるようです。ちょっと横着な感じですね。
しかし、実はこのような場合、体の異変であることも。
かゆみは大抵の場合すぐ治まるものですが、同じところをしつこくかゆがっていたり、飼い主に擦りつけた後に後ろ足などで激しく搔いていたりするときは、ちょっと皮膚を観察してみてください。ノミやダニがついていたり、膿皮症などで湿疹ができていたりするかもしれません。
また、耳を強く擦りつけてtくる場合は外耳炎などの異常も考えられますので注意が必要ですね。
犬が体を擦りつけてきて異常にかゆそうにしている場合は何らかの皮膚の異常が考えられますので、すみやかに獣医さんへ相談してください。
まとめ
犬が体を擦りつけてくるのは、大抵の場合甘えの心理からといわれています。たしかに擦りつけてくる時は「おはよう!」の気分のときだったり、「お帰り♪」の気分のときだったりします。
しかし、かゆみのせいで擦りつけている可能性もゼロではないため、同じところをかゆがっていないか、その都度丁寧にチェックしてみることも大切です。