犬への叱り方は間違えると大きな悪影響を残す恐れも
犬は時にいたずらをしたり、悪いことを悪いと思わずに行動したりすることがあります。そんな時、皆さんはどのように愛犬を叱っていますか。
「ダメ」という言葉を使って叱る飼い主さんが多いと思いますが、この「ダメ」という言葉も正しく使わなければ意味が伝わらないだけでなく、場合によっては信頼関係に悪影響を及ぼし兼ねません。
犬への叱り方は正しいコツを押さえることで理解してもらいやすくなります。誤った叱り方は改善し、正しい叱り方のコツを身につけましょう。
犬にしてはいけない『ダメ』の伝え方3選
では、具体的にどのような「ダメ」の伝え方がいけないのでしょうか。ここでは犬にしてはいけない「ダメ」の伝え方とその理由について解説します。全く理解してもらえない、信頼関係が危ういという方はぜひ見直してみましょう。
1.怒鳴ったり体罰を加えたりと恐怖で支配する
犬に「これはやってはいけないこと」と手っ取り早く理解させるために、大きな声で怒鳴ったり叩くなどの体罰を加えたりして叱る、という飼い主さんがいます。
しかし、こうした恐怖で支配する方法は一時的に犬がびっくりして行動を停止することはあっても、根本的に「何が悪いのか」を理解できません。また、飼い主に対して恐怖心を抱いてしまうことで、信頼関係が崩壊してしまう恐れもあります。
さまざまな悪影響を及ぼす恐れがあり、しつけどころか通常コミュニケーションも取りづらくなってしまう可能性があるので、恐怖で支配する方法は控えましょう。
2.長々と説教するように伝える
「どうしてこんなことをしたの?いつもダメって言っているよね?」など、子どもに長々と説教するように叱っても、犬にはまったくと言っていいほど効果はありません。
犬は単語とその時の状況や様子、行動などを組み合わせて意味を理解することはありますが、長々とした人間の会話は理解できないからです。
ただただ怖い顔をして話しかけられる不快な時間が続くだけで、何を怒られているのかはまったく理解できないため、伝わらないだけでなく不快感を与えているだけなのです。
3.その時の気分によって「ダメ」と叱る
飼い主は「ダメ」と叱る際のルールを必ず一貫することが重要です。
その時の気分によって「今日は叱らなくていいや」「今日はしっかり叱るぞ」とコロコロと変えてしまうと、犬も混乱してしまいます。
犬にとって明確なルールは、自分の身を守り安全を確保する上で安心材料になります。しかし、そのルールは日によって変わってしまうと、ストレスが溜まり安心どころか不安だけが生まれてしまうのです。
また、そのルールを課している飼い主に対する信頼度も下がってしまい、不信感が募ってしまう恐れがあります。必ずルールは一貫し、家族内でも統一するようにしましょう。
犬に『ダメ』を伝えるには?正しく叱るコツを解説
犬に「ダメ」を正しく伝えるには恐怖支配や長々とした説教ではなく、「ダメ」という単語がネガティブな意味であることを理解してもらうことが大切です。
まずは犬が悪いことをした時に、少しだけ硬った表情を見せ目を見てピシャリと「ダメ」と伝えます。その後、愛犬のもとを去ったり、部屋を出たりして様子を見て、ダメな行動が収まったら再び戻りましょう。
これを繰り返すことで「ダメ」と言われると飼い主がいなくなり、「ダメ」と指摘された行動を止めると飼い主が戻ってくる、という一連の流れを学習します。すると、徐々に「ダメ」と一言伝えられるだけで行動をストップするようになるのです。
もちろん、良いことをした時は「すごいね!」などと笑顔でたくさん褒めてあげましょう。この緩急をうまく使い分けることで、より良い行動とダメな行動の区別がつきやすくなります。
犬のしつけは何事も焦らずじっくりと行うことが大切です。すぐに理解できるようになるわけではないので、時間をかけて伝えていきましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬に「ダメ」と伝える時は、必要以上に恐怖で支配したり不安を煽ったりする行動はNGです。犬が「ダメとは何か」「何がダメだったのか」を理解しやすいような流れを作り、丁寧に伝えてあげましょう。