野犬に起きた奇跡の展開
絶望
山口県下関市の某河川敷キャンプ場に野犬が出ると通報が保健所に入り、捕獲機が設置されました。
2020年12月、その後1匹の野犬らしき犬が捕獲され、収容されました。保健所に収容された犬は、自分が置かれた状況に絶望しきっていました。
捕獲された場所
飼い主さんがいる犬かも知れないので、私達は迷い犬のチラシを作り犬が捕獲された場所に行きました。
その周辺で聞き込みをしたところ
- ここに出没する犬は3匹いて、そのうちの1匹には首輪がついている。
- もう1匹は足が悪くひきずって歩いている。
- 3匹はいつも一緒に行動していて、この河川敷に来るキャンパーたちからご飯を分けてもらって生きている。
- 保健所に捕まった犬はキャンパーたちに一番近づいていて、ご飯もらえるまで大人しくお座りして待っていた。
という情報が得られました。
飼い犬が脱走したか遺棄されて、この河川敷で出会った3匹が群れをつくり、キャンパーたちからおこぼれをもらってなんとか生きていたことが判りました。迷い犬の可能性を信じて、その後私達は周辺のお店などにチラシを貼り情報提供を呼びかけましたが、それ以上の情報は得られませんでした。
しかし、犬が攻撃的ではなく人馴れもしていたことを保健所の職員さんに伝えました。殺処分にならないように、なんとか愛護棟に出してもらえるように。愛護棟に出てきたら、私達もSNSで発信できるようになるので里親探しをしようと考えていました。
やっと会えた
捕獲された野犬に飼い主さんが名乗り出てくることはなかったです。
数カ月後、保健所がこの犬に『バブル』と名付け譲渡対象にしてくれました。しかし、極度のビビりで愛護棟には出せず、管理棟収容のまま譲渡対象になりました。
私達はSNSでその写真と動画を配信し続けました。するとツイッターでたくさんの人たちにより拡散されました。
愛護棟
その後、バブルが愛護棟に出てきました。愛護棟では昼間はお外に犬たちは出されます。でも、バブルは脱走防止対策として厳重な檻の中でした。
里親決定
時間がかかりましたが、2021年11月7日、バブルは無事里親決定となりました。
ツイッターの拡散から山梨県のある方の目に留まり、私に電話がかかってきました。その後、1カ月間、いろいろ確認などの打ち合わせをして譲渡することができました。
2020年12月に保健所の捕獲機で捕まり収容され、約11か月が経っていました。その間、沢山の人たちがずっとツイッターで拡散を続けてくれ、バブルはその方の目に留まりました。
バブルの奇跡
あんなに怖がってて保健所で絶望していたバブルは、山梨県のご夫婦の元で『市松くん』となり、ゆっくりと少しずつ、その心を開いてくれています。その後のバブル改め市松くんの姿は、里親様のツイッターにて確認できます。
⚠️吠え声音量注意⚠️
— 麻実 (@mami_wmyco) April 9, 2022
ボクの大事なジャズちゃんを連れて出かけたとお怒りの市松くん。
申し訳ございません…?
しかし、風花もだけど野犬は声が大きい!よく通る。 pic.twitter.com/EV3BWhuk3f
脱走防止対策
バブルは譲渡する前に、去勢に連れて行きました。ビビりな犬は脱走が一番問題となります。最悪のケースを考えて、これ以上増えないように仔犬以外はなるべく去勢してから譲渡することを心がけています。その上で脱走させないように、里親様と何度もその件で打ち合わせをしています。
最後に
山口県には野犬がたくさんいます。私が動物愛護ボランティアをしている下関市も例外ではありません。私が保健所レスキューの活動を始めた初期のころは、保健所に捕獲された野犬たちは大半が殺処分されていました。
しかし、野犬はビビりなだけで危険な存在ではありません。
それを保健所と話し合い、とにかく愛護棟に出してくれれるように何度も交渉をして、その間に何匹も譲渡する前例を作り、これまで譲渡対処にならなかった野犬たちを保健所がSNSで里親募集させてくれるようになりました。
それが可能になったのは、私達保健所ボランティアだけでなく、SNS上で拡散してくれる全国の協力者たちのおかげです。今はネットがあります。全国の人たちがその距離に関係なく繋がる事が出来ます。罪のない野犬たちを人間だけの都合で殺処分させることなく、これからも幸せに繋げていければと願います。
※写真と動画は筆者の私が所有しているものです。ツイッターアカウントのリンクなどは里親様に承諾を得て行っております。
ディ・アンク
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