愛犬に『吠え癖』がついてしまうNG行為は?
犬は自分の気持ちを相手に伝えるために『吠える』という手段を使います。犬が吠えるのは、人が言葉を使って意思表示をするのと同じであり、犬にとってごく自然な行為なのです。
とはいえ、吠える頻度が高いと近所迷惑になり苦情がきてしまうこともあるので、愛犬に吠え癖がつかないようにしたいものです。実は飼い主さんのNG行為が愛犬の吠え癖に繋がってしまいます。では、どのような行為がNGなのでしょうか。
1.いろいろな刺激に慣れさせない
犬が他人や他犬、生活音などの刺激に反応して吠えるようになるのは、飼い主さんがそれらの刺激に慣れさせていないからです。
生後3週〜12週頃までの期間を犬の社会化期と呼びます。社会化とは、知らない人や犬、音、物、場所など人間社会のさまざまな刺激に慣らし、社会性を身につけさせることです。社会化期にさまざまな刺激に慣れさせておかないと吠え癖がつきやすくなります。
社会化期は恐怖心よりも好奇心が勝り、刺激を受け入れやすい時期です。この時期にいろいろなタイプの人や犬、掃除機など家の中の物、外の世界の刺激などに慣れさせておけば、むやみに吠えない落ち着いた犬になるでしょう。
ちなみに社会化期を過ぎた成犬でも根気よくトレーニングを続ければ、苦手な刺激に少しずつ慣らしていくことは可能です。
2.吠えたときに要求に応じてしまう
犬は「おやつがほしい」「散歩へ行きたい」といった要求があるときに、吠えて訴えることがあります。そんなときに飼い主さんは、愛犬のかわいさや吠え声のうるささに負けて、つい要求に応えてしまいがちです。
しかし要求に応え続けていると「吠えれば要求が通る」と愛犬が学習し、要求吠えが癖になってしまいます。では、愛犬が吠えて要求を訴えてきたら飼い主さんはどうすればいいのでしょうか。
その答えは『ひたすら無視』です。徹底的に無視をして、愛犬に「吠えても要求は通らない」「吠えても無駄」と、諦めさせるのです。『見ない』『触らない』『声をかけない』を貫く自信がない場合は、別の部屋へ行ってしまいましょう。
3.毎日同じ時間に食事を与えたり散歩へ連れて行ったりする
毎日決まった時間に食事を与えたり、散歩へ連れて行ったりしていると、犬はその時間を体内時計で覚えます。
そうすると食事や散歩の時間が近づくと落ち着きがなくなり「早くごはん!」「早く散歩!」と、吠えるようになることがあります。つまり食事や散歩の時間を決めてしまうと、要求吠えに繋がる可能性があるということです。
食事や散歩の時間が決まっているほうが、犬が安心して生活できるという専門家の意見もあります。しかし要求吠えを防ぐという観点からは、食事や散歩の時間は決めないほうがいいと言えるでしょう。
4.運動不足やコミュニケーション不足
犬は運動不足やコミュニケーション不足になると、ストレスがたまり吠えやすくなります。吠えることでストレスを発散させようとするのです。
ストレスによる吠え癖をつけないためには毎日散歩で運動不足を解消し、コミュニケーションも取って満足感を与えることが大切です。
朝夕2回の散歩のほかに、時間がなければ5分でもいいので遊ぶ時間も毎日作りましょう。ロープの引っ張りっこや、投げたボールを追いかけて取ってくるモッテコイ遊びは、短時間でも犬の満足度が高いのでおすすめです。
5.ドアホンが鳴るとバタバタしてしまう
ドアホンが鳴ると吠える犬は多いです。「誰かが来た!」と警戒して吠える場合もありますが、飼い主さんが原因で吠えてしまう場合もあります。ドアホンが鳴り、バタバタと慌てて玄関に向かう飼い主さんの姿に緊張や不安を覚えたり興奮したりして、吠えてしまうのです。
飼い主さんの慌てた行動が刺激になって吠えてしまうので、ドアホンが鳴ったときは焦らずに、落ち着いてゆっくり行動するようにしましょう。
逆効果になっている間違い行動は?
愛犬が吠えたときに叱ってやめさせようとしていませんか?これは間違った行動です。吠えているときに叱ると「構ってくれた」「応援してくれている」と勘違いして余計に吠えてしまうことがあり、逆効果になってしまいます。
また、吠えることを叱っても「吠えたから叱られた」と理解するのは犬には難しく、叱ることの効果は期待できません。吠えたときに叱るのではなく、吠えずに落ち着いていられたときにほめてあげましょう。ほめて正しい行動を教えてあげるほうが効果的です。
まとめ
吠えは犬の意思表示ですが、吠え癖がついて頻繁に吠えるようなってしまうと、飼い主さんの悩みの種になってしまいます。愛犬に吠え癖がつかないようにするためには、紹介したようなNG行為はしないことが大切です。
また、愛犬が吠えると飼い主さんは叱ってしまいがちですが、逆効果になってしまうので注意しましょう。