犬の咬みつき、どこからが危険?動物行動学博士による『咬みつきレベル』6段階

犬の咬みつき、どこからが危険?動物行動学博士による『咬みつきレベル』6段階

愛犬には噛み癖がありますか?犬の咬みつきレベルは主に6段階に分けることができます。どのレベルまでいくと危険なのか、動物行動学博士による解説を見てみましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

動物行動学博士「イアン・ダンバー」の教え

獣医師のボーダーコリー

犬の飼い主の皆さんにぜひ知ってほしい人物がいます。動物行動学博士の「イアン・ダンバー」さんです。動物行動学博士・獣医師・ドッグトレーナーという3つの顔を持つ世界的に知られる人物です。

『飼い主にも愛犬にも優しいおもちゃとおやつを使ったドッグトレーニング』を追求し、世界中に普及させたことで有名です。愛犬のしつけや問題行動に悩んだ時は、イアン・ダンバーという名前を思い出してほしいです。

今回ご紹介したいのは、イアン・ダンバーさんが考案する『犬の咬みつきレベル』です。どれくらいのレベルなら安全なのか、どこからが危険なのか、どのような対応が必要なのかをまとめて解説したいと思います。

犬の咬みつきレベル6段階

子犬の聴診をする獣医師

イアン・ダンバーさんが考案されている『犬の咬傷事故査定基準表』をもとに、犬の咬みつきレベルを1~6の段階で解説します。愛犬はどのレベルに当てはまるかな?と考えてみてください。

咬みつきレベル【1】

  • 攻撃的な行動を見せる
  • 歯をむき出しにして威嚇する
  • 噛みつくようなふりをする
  • 犬の歯と人の皮膚が接触することはない

犬が飼い主をからかって遊んでいる時にもよく見られる行動ですよね。

咬みつきレベル【2】

  • 犬の歯と人の皮膚が接触することがある
  • 犬の歯が人に皮膚に接触したことによる刺し傷は一切ない
  • 犬の歯が人の皮膚の上で動いたことによる深さ2.5㎜未満の切り傷と少量の出血がある
  • 犬が人の皮膚に歯を突き立てることはない

思わず犬の歯が人の皮膚に接触してしまうことがあるかもしれませんが、犬には「歯を当てよう」「咬みつこう」という気持ちは一切ない状況です。

たまたま歯が当たってしまい、人の皮膚に小さな傷ができてしまうことがあります。私も愛犬たちと遊んでいる時、犬を興奮させてしまった時に小さな傷を作ってしまうことがあります。

咬みつくというレベルではないと思います。

咬みつきレベル【3】

人の手を拒否して威嚇するチワワ

  • 犬が1回咬みつき、1カ所~4カ所の犬の歯による刺し傷ができる
  • その傷は犬の歯の半分の深さにもならない
  • 一方向への裂傷が見られる

例えば、犬に手を咬まれた時、思わず手を引いてしまうことがあります。この時に一方向への裂傷が見られることがあります。

咬みつきレベル【4】

  • 犬の歯による刺し傷の深さが犬の歯の半分以上ある
  • 刺し傷の周囲に打撲傷が見られる
  • 両方向への裂傷が見られる

刺し傷の周囲に打撲傷が見られるのは、数秒ほど咬みついたまま離さなかったためです。両方向への裂傷が見られるのは、犬が咬みついた後で頭を振ったためです。

咬みつきレベル【5】

口を大きく開けて威嚇する犬

  • 犬が複数回咬みつく
  • レベル4相当の刺し傷や裂傷が2カ所以上見られる
  • レベル4相当以上の裂傷事故を複数回起こしている

以前にも同じような咬傷事故を起こしたことのある犬であるということが分かりますね。

咬みつきレベル6

咬みつきレベル6と判断される基準は、咬みついた相手を死亡させてしまうことです。

どのレベルまでいくと危険なのか

人の足元(服)に咬みつく犬

犬による咬傷事故の99%以上はレベル1~レベル2であるとされています。犬がやんちゃであること、臆病であることが主な原因になのだそうです。

成長と共に自然と改善される場合もありますし、しつけや訓練によって十分に改善されるレベルです。

イアン・ダンバーさんによると、レベル3~レベル4は長期的な時間と忍耐を持って訓練をすれば修復または再発防止が可能であるとされています。

また、レベル4である場合、ドッグトレーナーや訓練士など、プロフェッショナルが犬の飼い主になるべきであるとしています。一般の飼い主では、レベル4にまで達してしまった犬との暮らしは難しいのだそうです。

そして、レベル5~レベル6に達してしまった犬は安楽死処分を勧められています。

まとめ

歯をむき出して怒るポメラニアンの顔のアップ

日本でも犬による咬傷事故がニュースになりますよね。環境省の統計資料によると、令和元年の犬による咬傷事故は4249件起きています。そのうち2421件が公共の場で起きた事故です。

女性が「触っていいですか?」と尋ねると、飼い主から「いいですよ」と許可を得たため犬を触ったところ咬みつかれたという事件がありました。顔を33針も縫う大怪我だったようです。

うちの子は咬みつかない、という飼い主による過信は多いと思います。公共の場での咬傷事故が多いのは、犬が慣れない環境に置かれたことによる不安・緊張・恐怖などが関係しているのではないでしょうか。

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