私は以前、動物看護師として動物病院に勤めていました。
その頃に実際にあった愛犬を大事にしない飼い主さんのことについてお話ししたいと思います。
治療してもらえない!交通事故にあったラブラドールレトリバー
ある日、動物病院に1匹のラブラドールレトリバーが運ばれてきました。
その子は交通事故にあったようで、後ろ足を骨折していました。
首輪と切れたリードを身につけており、どうやら庭に繋がれていてリードが切れてしまい脱走し、交通事故にあったようでした。
幸い首輪には名前と電話番号が書かれてあったので、そこへ電話し飼い主さんはすぐに見付かりました。
後ろ足の骨折の手術が必要で、犬自身は足を挙げているものの、事故にあったわりには元気そうで、手術さえ上手くいけば経過は良好そうなケースでした。しかし、飼い主さんは治療には消極的でした。そればかりでなく、この子の安楽死を望んでいたのです。
これが飼い主さんの言い分でした。
確かに、このラブラドールレトリバーは前からしつけが一切入っていない子で、動物病院の駐車場に着き車のドアを開けると、院内までドアを破る勢いで突進し入ってきて騒ぐような子でした。
飼い主さんはラブラドールレトリバーという犬種は何もしなくても盲導犬ような大人しく賢い犬だと思って買ったようで、実際愛犬がそうはならなくてガッカリし、こんなはずじゃなかったと、その子はもういらない存在になっていたようでした。
この子が交通事故にあったことも、ただの迷惑だとしか思っていないようでした。
そんなやり取りをしているだなんて知らないラブラドールレトリバーは、脱走し交通事故に遭い不安だったのでしょう、飼い主さんに会えたのが嬉しくて身体は辛いはずなのに、一生懸命尻尾を振っていました。
しつけをちゃんと学ばず実行しなかったのは飼い主さんであり、リードが劣化していたのに代えないがために脱走してしまった、そして交通事故に遭ってしまった…犬は何も悪くありません。治療をすれば良くなるのにも関わらず、それをせず物を捨てるかのように簡単に安楽死を選ぶ飼い主さんの考えが理解出来ませんでした。
結局このラブラドールレトリバーは、動物病院で引き取ることになりました。骨折の手術は無事成功し、院内の入院室で2ヶ月安静に過ごさせました。2ヶ月でギブスが外れ、綺麗に骨がくっつき、きちんと歩けるようになりました。
そこからは、院長先生やスタッフみんなでラブラドールレトリバーのしつけをしました。犬の性格は様々で、この子はとても活発でやんちゃなタイプでしたが、きちんと訓練をすればとてもいいラブラドールレトリバーになりました。犬は飼い主さんのしつけ次第でどんな風にもなります。
これから犬を飼われる方へ
安易に動物を飼い、不幸な動物を増やさないためにどのようなことを飼う前に考えたらいいのかまとめてみました。
- 食事代、病院代、トリミング代など払える経済的余裕があるのか。
- 毎日愛犬と過ごす時間に余裕があるのか。
- ペットショップにいる子犬の姿に一目惚れしてファッション感覚で買ってはいけません。
- 成犬時の姿、大きさ、犬種ごとの性格をきちんと理解しているか。
- きちんと最期まで責任持って飼うと約束出来るか。
- 犬はきちんと分かるようにしつけを行ってくれないと理解出来ません。飼い主さん自身がしつけのやり方を学べるか。
- 家族全員の同意を得ているか。
- 犬を迎えたあと、赤ちゃんや孫などの新しい家族が増えても変わらずに犬に愛情を注げるか。
- お年寄りや独り身の方が飼う場合は、自分が飼えなくなった場合の引き取り手がいるのか。
しつけについて
どんな犬でも飼い主さんのしつけ次第です。
子犬の時期からどんどんパピー教室やしつけ教室に通うようにしましょう。しつけにお困りの方は動物病院の先生や、訓練所の方に相談しましょう。
訓練所に犬を預けて訓練させる方がいます。ほとんどのケースだと訓練所ではしつけが上手くいきますが、自宅に帰ったあとは以前の姿に戻ってしまうことが多いようです。
これは、しつけの仕方を飼い主さんが実行出来ていないために起こることです。訓練所を利用してしつけを行う場合は、犬だけではなく必ず飼い主さんも行き学ぶようにしましょう。
まとめ
可愛いからと犬を安易に飼い、しつけ等思うようにいかないと保健所へ持ち込んだり、安楽死を求める方が非常に増えています。今回のラブラドールレトリバーの件も、しつけが一切入っていなかったことが安楽死を選んだ理由の1つになっています。
どんな犬も最初から完璧な犬はいません。
マナーや人と一緒に生活する上で必要なことは飼い主さんが教えなければいけません。
愛犬が出来ないのは飼い主さんに責任があります。
病気や怪我をしたらきちんと治療をする、しつけをきちんとし最期まで愛情を注ぎ大切にする、そして看取る、こんなあたりまえのことが出来ていない方が増えてきています。
今回のような安易に殺処分をしようとする飼い主さんが減ることを祈っています。
ユーザーのコメント
女性 匿名
盲導犬などの適正があるラブラドールはほんの一握りです。
賢いですが、裏を返せばずる賢い。
大人しいのはそれなりにしつけしているから。
好奇心が強く、人が大好きで遊び好き。
天真爛漫で元気いっぱいです。
大きいからきちんとしつけが必要ですが、信頼関係が結ばれると本当に素敵なパートナーになってくれます。
盲導犬のイメージがで飼うのは本当にやめてほしいです。
40代 女性 匿名
可愛いだけで犬を飼い 躾もせず、手に負えないからと簡単に手放す。
犬に限らず 動物の命を何だと思ってるのでしょう?
こういう人には 犬に限らず 2度と動物を飼ってほしくありません。
50代以上 男性 匿名
安楽死してほしいって老犬を
連れてこられた家族が来院してきました。
家族にお孫さんやお祖父さんもきました。
みんな泣いていました、、
私も最後の聴診器をあて終わり泣きました
この子は、幸せだったんだねって自分に言い聞かせて、、
40代 男性 匿名
犬は、やっていいことを知らない
考え変えればわかる
家の犬は賢くなく何もやらない(知らない事はやらない、やってほしい事は教える)
家の犬は悪さばかりする(やっては駄目だと知らないからやる)
家の犬は吠える(吠えるには理由がある区分けする、及び吠えない方が良い事あると教える)
家の犬は飛びついて困る(飼い主が飛びつきを許可しているやらせない)
家の犬は噛みつき癖があり困る(飼い主が噛みつきを許可している(無意識行動に噛んで良しのサイン)
最終の考えは自分が嫌なことは80%の人が嫌
自分の嫌な事はヤラせない、と考えを持つと、やって良い事と悪い事の区別ができるよ
まずは、考え方を変えよう
30代 女性 匿名
犬はぬいぐるみじゃないので、頭をなでて可愛がるだけではだめなんです。
部屋でオシッコ、ウンチをする躾が出来ているからって、散歩に連れて行ってあげない飼い主も多いのでは?
犬は毎朝毎晩、散歩が必要です。犬も散歩できないとストレスがたまります。
都合のいい時だけ、犬の相手をしていませんか。
家に疲れて帰ってきた時でも犬と遊んであげていますか。
犬は一日中お留守番をして飼い主の帰りを待っています。
冬は寒く、夏は暑い部屋でじっと待っています。
飼い主が帰ってきたら遊んでほしいんです。散歩に行きたいんです。
自分の都合で犬の相手をせずに、犬のニーズを考えてあげてください。
犬は着飾って、バッグの中に入ったまま外出したいなんて思っていません。
首輪をつけて、自分で歩きたいんです。
女性 ルナのママ
これで安楽死になっていたら、その飼い主を裁判にかけて無期懲役にしたいです。
命をなんだと思っているんでしょう。
どうしても許せません。
女性 匿名
犬のを育てるのは、子育てと一緒。可愛いだけじゃありませんよね。金銭面を含め自分を捨てる覚悟で家族に迎えて欲しいです。犬ちゃん達は、大変以上の喜びを人に与えてくれます。命に責任を持てない人は犬ちゃんを家族に迎え入れる資格もないですよね。虐待のニュースを読むたびに心が痛くなります。