犬にさせてはいけない水遊び
犬は人より暑がりです。厚い被毛に覆われているうえ、汗腺が少なくあえぎ呼吸などで体温を調節するため、夏場はどうしても活動が制限されがちです。そんな夏の間は少しでも涼しくなってほしいと、水遊びをさせてあげたくなるものですよね。
人間もプールや海水浴などで水遊びをすると、泳いだり歩いたりするだけで全身の筋肉を使って運動することになるため体づくりや運動不足解消にもってこいと言われています。犬の場合も適切な水遊びであれば、涼しくなるし運動不足も解消できるし、ストレス発散もできていいことづくめように思います。
しかし犬と水遊びをする際は、小さなお子さんと水遊びをする時同様にいくつか注意することがあります。そして体調やストレスの面からも、絶対NGな遊び方があることも忘れてはいけません。
1.無理やり水をかける
子犬や、初めて水遊びをする子の場合、「水」が何なのかまだよくわかっていません。普段は飲み水として口を付けて飲んでいるものですが、プールのような大きなスペースにためられた水を怖がる子は意外と多いものですし、シャワーなどに良い思い出がない子も多いです。
水をかけられることに抵抗感がある子に対して、水遊びだからと急にシャワーやホースの水をかけることは絶対にやめましょう。急に水をかけられることでびっくりしすぎてしまったり、シャンプーなどの嫌な思い出が強く思い出されてパニックになることがあります。
一度嫌な思いをしてしまうと、犬は次から一切受け付けなくなることもありますし、シャンプーやお風呂などの際にパニックになって暴れる可能性もあるため、いやだなというそぶりがあるときは無理に水をかけないようにしましょう。
2.無理やり全身を水につけさせる
犬だから泳げるだろう、というのは非常に安易で危険な考えです。人間も泳ぎが得意な人・苦手な人・水に潜るのが好きな人・水が怖い人など様々ですが、犬も同様です。
特に怖がりな犬の場合、プールや海などの大きなスペースに溜められた水に拒否反応を示す犬がたくさんいます。犬は目がそれほど良くないので、水面がキラキラしていたり水が波打っていたりするのが怖いのかもしれませんし、体を濡らすことに慣れていなくて足先が濡れるだけで嫌な気持ちになるのかもしれません。
そんな犬の全身を無理やり水につけさせると、最悪の場合パニックを起こして大暴れすることがあります。水に入るのはあくまで犬のペースに任せ、嫌がる子の体を水に入れることがないように注意しましょう。
3.犬の体を長時間濡れっぱなしにする
泳いでいる間は水に浸かっていて涼しい体も、過ぎれば冷えの原因となります。多くの犬は人間より体が小さく四肢の関節周りも人間より筋肉や脂肪が少ないため、長時間水に浸かりっぱなしだと内臓や関節が冷えてしまいます。
また犬の皮膚は、蒸れに非常に弱いです。濡れたままの皮膚や被毛をそのままにしておくと、被毛が生乾き状態になり雑菌が繁殖しやすくなります。その結果皮膚が蒸れて臭いを発したり、皮膚炎をおこしたりするようになるので注意が必要です。
犬との正しい水遊び方法
犬だから、という理由は特にありません。「正しい水遊び法」は犬に限らず小さなお子さんと水遊びをする方法を考えるとよいかもしれません。
- 暑すぎる気温、涼しすぎる気温に注意する
- 定期的に休憩と水分補給をする
- 犬から目を離さない
- 犬のペースで遊ぶ
暑すぎる日などは特に水遊びで涼みたいものですが、水遊びで体が冷えると気温が高いことや水分が失われていることに気づきにくくなります。涼しすぎる日は水遊びで体の芯から冷えてしまいます。また、これが長時間になると体の負担はさらに増すと考えましょう。
そしてどんなに浅いプールや浅い河川であっても、決して犬から目を離してはいけません。
人の子どもは水深10センチでおぼれてしまうといわれていますが、犬も同様で、どんな浅い水場であろうとも万が一の事故がある可能性を考え、決して目を離さないでまた犬のペースで遊ばせてください。
まとめ
今回は、犬にさせてはいけない「水遊び」について解説いたしました。
人も犬も一緒に水遊びをするのは楽しいものです。ついつい夢中になって時間を忘れて遊んでしまいそうですよね。
しかし犬の健康に配慮して長時間の水遊びは避け、適度に休憩をはさみながら遊んであげてくださいね。