犬はどうして『伸び』をする?
犬が「う~ん」というように前足を伸ばして、お尻を突き上げる動作が「伸び」です。一緒に暮らしていると、犬が伸びをしているのをよく見かけると思います。
日常的な動作である伸びですが、そもそも、なぜ犬は伸びをするのでしょうか?伸びをしているとき犬はどんな気持ちなのか、どこか痛みがあるのか、気になりますよね。
ここからは、犬が伸びをする理由をご紹介していきます。
犬が『伸び』をする理由5つ
1.かたまった体をほぐしている
犬が伸びをする理由でもっとも多いのが、体をほぐすためです。人間はデスクワークなど同じ姿勢を長時間取った後に、伸びをして体をほぐしますよね。同じように、犬も寝て起きたときや、クレートに長時間入っていた後などに伸びをします。
みなさんも、愛犬がお昼寝のあとに伸びをしているのを見たことがあるのではないでしょうか?
犬は、伸びをすることで縮こまっていた背中の筋肉をほぐそうとしているのです。体をほぐすために伸びをしている犬は、きっと気持ちよさそうな表情をしていますよ。
2.「遊ぼう!」と誘っている
犬が飼い主や他の犬へ向かって伸びをしているときは、「遊ぼうよ!」と遊びに誘う気持ちを行動で表しています。これは「プレイバウ」と呼ばれるカーミングシグナル(犬が仕草で気持ちを伝えること)です。
プレイバウをしている時の犬は、嬉しそうな表情で尻尾を振ったりピンと立てているでしょう。犬が遊びに誘ってくるときは、一緒に遊んでコミュニケーションを取ってあげてくださいね。
3.「近寄るな!」と警告している
犬がカーミングシグナルで伸びをするのは、プレイバウだけではありません。脅威を避けたいときや喧嘩・恐怖を鎮めたい時にもカーミングシグナルを使う時があります。 「それ以上近寄るな!」と相手に警告しているのです。
威嚇の気持ちで伸びをしているときには、相性の悪い犬と遭遇するなどし、歯を剝きだして唸っているのが特徴です。犬が相手に警告を出しているときには、すぐに引き離すようにしましょう。
4.ストレスを紛らわそうとしている
犬が伸びをするときは、ストレスが理由になっていることがあります。人間も緊張してしまう場面で、伸びやストレッチをすると気持ちが少し楽になりますよね。犬も同じように、伸びをすることで緊張を紛らわすことがあります。
そのため、犬が落ち着かない様子で伸びをしているときには、優しく声をかけて安心させてあげましょう。
5.体に痛みがある
犬が伸びをする理由の中には、注意しなければいけないものがあります。それは、犬が体に痛みを感じている場合です。
たとえば犬はお腹が痛いときに、前足を伸ばしてお尻を高く上げ、ジッとすることで痛みに耐えようとします。この動作は「祈りのポーズ」と呼ばれていて、犬がストレッチの意味でやる伸びと見た目がとても似ています。見分けるのは少し難しいかもしれませんが、犬に食欲不振、嘔吐、元気がないなどの症状があれば、祈りのポーズである可能性が高くなるでしょう。
体調不良の犬が祈りのポーズをしているときには、以下の症状が考えられます。
- 膵炎
- 胃腸炎
- 胃捻転
- 異物の誤飲
特に膵炎を起こしている犬は、祈りのポーズをすることが多いようです。
犬はもともと体の不調を隠そうとする生き物です。祈りのポーズを見せるということは、かなり腹痛が強いと考えられます。犬の様子がいつもと違うときには、早めに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
まとめ
犬が伸びをする理由を5つご紹介しました。犬が伸びをすることは、ほとんどが心配する必要はありません。しかし、ご紹介したように、重い病気になっている可能性もあります。
日頃から愛犬の体調や行動をチェックをして、異変を察知できるようにしておきましょう。