愛犬との別れ
いつかは必ず訪れる別れの日。いつまでも若い、元気だ、と思っていた愛犬も、いつしか白髪が増え、眼や耳が衰えを感じ始めます。犬の寿命はおよそ10~15年くらいですから、動物医療が発展した現代においても、犬の命は人よりもずっと短く、儚い命の長さと言えます。
お別れの形
愛犬が亡くなる理由は、様々です。できれば自然な形で旅立ってほしいと願いますが、老衰だけではなく、病気やケガ、不慮の事故などの予測できないものまであります。私たち飼い主は、愛犬の見送りの前に、なにができるのでしょうか。
犬がなくなる前にすべき、3つのこと
1.どこで看取るかを決める
動物病院で最後まで治療に手を尽くしてもらう他に、ある程度までは医療を受けさせながらも、獣医さんとの相談の上、最後は家で看取るという選択肢もあります。また、最近では老犬専用の預かり施設での看取りという方法もあります。
いずれにしても、お別れをどこでするのが希望か、ということは、愛犬がある程度年齢を重ねてきたら、方針を家族で固めておくのが良いでしょう。
現実にはそれが叶わない状況になるかもしれませんが、その時が来て、慌ててアレやコレやと話し合うよりも、軸がひとつ決まっていたほうが、不安にならずに落ち着いて愛犬に寄り添ってあげることができます。
2.不自由さをケアする
犬は死期が近づくと、眠ることが多くなるのが一般的です。横になっている時間が多くなると、床ずれが起きてしまうことがありますので、こまめに体位を変えてあげる必要があります。
また、活動量が大幅にダウンすることで、筋力が衰え、腸が動かなくなる傾向にあります。食べ物を飲み込む、消化するなどが難しくなり、歩行も排便も困難になります。
自力では歩行できなくても、補助ベルトなどの介護用品を上手に使い、歩きたいという気持ちをサポートしてあげると、お散歩の好きだった子にとってはとてもうれしいですね。
眼や耳は十分に機能していなくても、生まれてから最初に授けられた感覚である嗅覚は、最後まで能力を持っているということがあります。体調を見ながら、犬用カートで外気浴をさせれば、それまで生きてきた懐かしい外の香りを楽しむことができます。
死期が近づいてくると、犬は手足が冷たくなることが多いですから、ホットタオルや電気アンカ、電気毛布などでケアしてあげると良いでしょう。
3.お見送りの仕方を考える
シビアな話ですが、どのようにお見送りをするのかについては、ある程度考えておきましょう。死後に遺体を安置できる期間は限られているからです。
具体的には火葬の場所は、お寺か、公共の火葬場か。料金はいくらくらいか。加算料金は発生しないか。遺骨はいったん家に持ち帰るか、そのまま埋葬してもらうか、などをリサーチしておくことは大事です。
まだ生きているのに、そんなこと…。と、思うお気持ちはとてもよく分かっています。それでも、人は悲しみの中にいると、冷静な判断を失います。そんな中で、もし、悪徳な火葬業者にあたってしまっては、ただでさえ悲しみに暮れているのにも関わらず、されなる苦しみが加算されてしまいます。
愛犬の旅立ちを丁寧に見送ってあげるためにも、前もってだいたいのことについて、考えてあげたい項目です。
まとめ
いかがでしたか。愛犬が亡くなる前にすべき『3つのこと』について、お送りしてきました。家族になってくれた子の最後ですから、愛情と感謝を込めて、最善の方法で見送りたいですね。