『犬がかかりやすい病気』を知っておこう
飼い主さんはいつも愛犬の健康を気にかけていると思いますが、犬はどのような病気にかかりやすいか知っていますか?それを知っていれば、愛犬に症状が出たときに早く気づいてあげることができるでしょう。
そこで今回は、アイペット損害保険が2021年に発表した『ペットの保険金請求が多い傷病のランキング』を基に『犬がかかりやすい病気』ランキングワースト3をご紹介します。
『犬がかかりやすい病気』ランキング
ワースト3位:胃腸炎
犬がかかりやすい病気のワースト3位は『胃腸炎』です。胃腸炎は、何らかの原因で胃や腸の粘膜に炎症が起き、主に嘔吐や下痢の症状が見られます。炎症のせいで嘔吐物や排泄物に血が混ざることも。そのほかにも元気がなくなる、腹痛のために体を丸めて震える、食欲がなくなるといった症状が見られることがあります。
嘔吐や下痢が頻回だと脱水の恐れがあるため、1日に3回以上嘔吐や下痢が続く場合は、動物病院を受診しましょう。嘔吐や下痢の回数は少なくても元気や食欲がなかったり、嘔吐物や排泄物に血が混ざっていたりする場合は受診を。
子犬の場合は、脱水のほかにも低血糖になる恐れもあるため、1回でも嘔吐や下痢が見られたら早めに受診をしましょう。
胃腸炎には『急性胃腸炎』と『慢性胃腸炎』の2種類があり、原因はさまざまです。例を挙げると
- 食べ慣れないものや脂肪分の多いもの、腐敗したものの摂取
- 食べ過ぎ
- 誤飲誤食
- 感染症
- ストレス
- 食物アレルギー
などです。
胃腸炎を予防するためには
- 消化によい食事を与える
- 人の食事を与えない
- 食事やおやつを与えすぎない
- いきなり食事を変えない
- 誤飲誤食をさせない
- 混合ワクチンを接種をする
- ストレスを与えないように生活環境を整える
といったことが大切です。胃腸炎は年齢や犬種に関係なくかかるリスクがあるので、常日頃からしっかり予防していきましょう。
ワースト2位:外耳炎
犬がかかりやすい病気のワースト2位は『外耳炎』です。外耳炎とは、外耳(耳介から鼓膜まで)に炎症が起こった状態のことです。
原因は
- 耳の中の異物(植物の種など)
- 腫瘍
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー
- 細菌やマラセチアの感染
- ミミヒゼンダニの感染
- 誤った耳のケア
などです。
上記のような原因によって外耳炎になると痒みから掻いたり、こすりつけてしまい、さらに症状が悪化してしまいます。また耳の中の蒸れ、耳道が狭い、耳毛が多いといった素因が外耳炎の発症リスクを高めます。
外耳炎はどの犬種、どの年齢にも起こりますが、次のような犬種は特にかかりやすいので注意が必要です。
- 垂れ耳の犬種(ダックスフンド、ゴールデンレトリーバーなど)
- 耳毛が多い犬種(プードル、ミニチュアシュナウザーなど)
- アトピー性皮膚炎の好発犬種(柴犬、ラブラドールレトリーバーなど)
- 皮脂が出やすい犬種(アメリカンコッカースパニエル、シーズーなど)
外耳炎になると
- しきりに耳を掻く
- よく頭を振る
- 床や壁などに耳をこすりつける
- 耳の中の赤みや腫れ
- 耳を触ろうとすると嫌がったり怒ったりする
- 耳からにおいがする
- 耳垢が増える
- 耳垂れ
といった症状が見られます。
外耳炎を放っておくと中耳や内耳まで炎症が広がったり、慢性外耳炎になってしまったりする恐れがあるので早期治療が大切です。症状に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
外耳炎の予防として
- アトピー性皮膚炎などの疾患がある場合は、それに必要なケアをしっかりする
- 耳に水が入らないようにする
- 耳を清潔に保つ
といった対策が有効です。外耳炎の予防策として耳を清潔に保つのは大事なことですが、誤った方法で耳掃除をしてしまうと逆に外耳炎の原因になることがあります。正しい耳掃除の仕方や頻度を獣医師にアドバイスしてもらうといいでしょう。
外耳炎を早期発見するために、日頃から耳をチェックする(耳の中が赤くなっていないか、耳垢が増えていないか、においはしないかなど)ことも大切です。外耳炎は再発しやすいので、一度かかったことのある犬はこまめにチェックするようにしましょう。
ワースト1位:皮膚炎
犬がかかりやすい病気のワースト1は『皮膚炎』です。犬の皮膚は人よりも薄くデリケートなため、皮膚炎などの皮膚のトラブルが多いです。
一口に皮膚炎と言っても
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー性皮膚炎
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 細菌性皮膚炎(膿皮症)
- マラセチア性皮膚炎
- 心因性皮膚炎
などさまざまな病気があります。疥癬や毛包虫症(ニキビダニ症)なども皮膚に炎症が起きます。
皮膚炎になる原因はアレルゲン、寄生虫、細菌、真菌(カビ)、ストレスなど、病気によって異なります。症状もそれぞれですが、主に見られるのは赤みやかゆみです。
犬がかゆいときにする仕草は、足で掻くだけではありません。かゆい箇所を舐めたり噛んだり、床や壁に擦りつけたりすることもあるので、こうしたサインを見逃さないようにしましょう。そして異変に気づいたら、早めに受診を。
皮膚炎の予防には、室内環境を整えることや皮膚の健康を保つことが大切です。具体的には
- 夏場はエアコンなどを使って、高温多湿にならないようにする
- 冬場は加湿器など使って、乾燥しすぎないようにする
- スキンケアをする
- ノミやダニの予防をする
- アレルゲンを減らす
- 栄養バランスのよい食事を与える
- ストレスを減らす
といった対策で、デリケートな愛犬の皮膚を守りましょう。
まとめ
今回は『犬がかかりやすい病気』ランキングワースト3をご紹介しました。1〜3位のどれも比較的分かりやすい症状を呈するので、症状に気づいたら早めに動物病院を受診をしましょう。早期治療が重症化を防ぎます。
愛犬のために一番いいのは、病気を未然に防いであげることです。ぜひこの記事を参考に、犬がかかりやすい病気を予防してあげてくださいね。