️犬の「睡眠事情」を知る
犬の理想的な睡眠時間は、平均12〜14時間程度と言われています。全睡眠時間の約80%が眠りの浅い「レム睡眠」で、体は眠っていても脳は起きており、活動している状態です。レム睡眠中に夢を見ていると、四肢を動かしたり寝言を言ったりします。
まとまった睡眠をとることを「単相性睡眠」、1日に何回も寝たり起きたりを繰り返すことを「多相性睡眠」と呼びます。人間は単相性睡眠ですが、犬は多相性睡眠が基本です。
小型犬よりも大型犬の方が疲労回復に時間がかかるため、睡眠時間は長い傾向にあります。
️犬が早起きする理由と原因
1.要求がある
朝早くに犬が鳴きはじめるときは、飼い主へ要求を伝えようとしています。早く目が覚めて退屈になり、「ごはんが食べたい」「散歩に行きたい」「トイレに行きたい」と訴え、自らの欲求を満たそうとするのです。
2.物音に反応している
あごを地面につけるうつ伏せの姿勢は、眠っていてもすぐに動けるように緊張感のある寝相です。
ひっそりと静まり返る早朝、物音に敏感な犬は、新聞配達員のバイクの音や隣人の足音が気になって、早起きするようになります。
3.生活のリズムが崩れている
高齢になると、犬の睡眠の質に変化があらわれます。体の痛みと暗闇に対する不安感が相まって、寝つきが悪くなり、夜中に起きる回数が増えます。
見た目は健康そうに見えても、体力が落ち、関節疾患や神経の圧迫により、体に異変が起きていてもおかしくはないのです。
️犬にぐっすり眠ってもらうには?
散歩内容の見直し
日中楽しく活発に活動すると、深い眠りであるノンレム睡眠の時間が増え、睡眠の質が向上します。
散歩の距離を増やしたり、歩くコースを変えるなど変化を与えて犬の脳を刺激しましょう。
寝床を整える
安心できる寝床がなければ、犬は熟睡して体を休めることができません。常に明るい場所よりも、少し薄暗いところを好む習性があります。
室温や気分で犬が好きな場所を選べるように、室内にいくつか寝床を用意してあげると良いかもしれません。
食事回数を変える
成犬の食事回数は、1日2回が適正とされています。
しかし、子犬や老犬は消化器官の負担を考え、1日3〜4回に分けて与えても問題ありません。
空腹時間が短くて済むように、その日の犬の体調を見ながら、フードの種類と食事回数を変更してあげてください。
寝ているときに起こさない
犬が気持ち良さそうに眠っているときは、睡眠を妨げる行動はやめましょう。近くで大声を出したり無理に起こしたりすると、折角の貴重な睡眠時間が台無しになってしまいます。
️日光浴で犬の感情コントロールを
健康的な生活を送るために欠かせないのが「日光浴」です。1日あたり30〜60分程度の日光浴で、2種類のホルモンの分泌が活発になります。
- セロトニン:興奮を抑制し、精神を落ち着かせる
- メラトニン:自然な眠りを促す
直射日光は避け、脱水症状を起こさないよう、十分な水分補給をお願いします。
️まとめ
犬にはまとまった睡眠をとる習慣がないため、うたた寝に近い睡眠を繰り返しています。その分長い睡眠時間が必要となるので、睡眠不足が続くと、体調不良を招く原因となります。
良質な睡眠がとれるように、犬が心地よく過ごせる環境を整えてあげましょう。