愛犬の初めてのドッグランは走ることなく終わる
我が家の愛犬、ポメラニアンのきなこ(1歳♀)は、散歩に連れ出すとすれ違う人全員に「ねえ私かわいいでしょ?なでて!遊んで!」と愛想を振りまく大の人好きです。
そのため、「うちの子は社交的なんだなぁ」と思っていた私と夫は、避妊手術後の抜糸が終わった後、それまでの運動不足を解消させてあげようと、初のドッグランへ連れていくことに。
おうちでは元気に駆け回るきなこのことです、きっと楽しく走り回ってくれるはず…と、思いきや。いつまで経っても、ドッグランを囲むフェンスの側から離れようとしません。
何とか走ってもらおうと、ボールを投げたり、私と夫が走って見せたりしたものの、ますます日陰に引っ込むばかり。
そんなきなこの様子を見守っていると、挨拶しに来てくれる他のワンちゃんから逃げまどい、私や夫の股下に逃げ込んでブルブル震えています。
そこで私たちは気が付きました。きなこは重度の犬見知りだったのです。
「ワンちゃん友達を作ってあげたい」という親心がストレスに…?
きなこが犬見知りだと分かってからは、ストレスを与えないようドッグランに連れて行くのを控えていました。
しかしやはり、ワンちゃんの友達が作れるようになった方がいいのではないか、友達が出来なくても、せめて走って遊んでくれるようにはならないか…そう思い、もう一度だけドッグランに連れて行ってみることに。
結果は前回と同じく。きなこは他のワンちゃんから逃げまどい、誰もやってこない木陰をウロウロするばかりでした。それどころか、暫くすると無の表情で延々と草を食べ始め、何を話しかけても一切反応をくれなくなってしまったのです。
その顔を見て、私は「無理をさせてしまった」と反省し、すぐにドッグランを後にしました。
私も極度の人見知りで、集会など人が集まる場に行くと気分が悪くなってしまいます。ドッグランにいた時のきなこの顔は、まさしくそれと同じ状態でした。
家に帰り、食べすぎた草を苦しそうに吐き戻すきなこの姿に、私は「他のワンちゃんと遊べた方が楽しいはずだ」という飼い主の気持ちの押しつけはやめようと決めました。
犬見知りもきなこの個性の一つ。そう考えることにしたのです。
ワンちゃんと遊べない分、私たちが遊んであげればいい!
現在、私と夫はきなこを連れて大きな公園に遊びに行ったり、旅行に行ったりと、きなこを色んなところに連れ出しています。きなこは知らないところを歩くのが好きなようで、いつもニコニコしながら長距離を一緒に歩いてくれます。
そういった行楽地には、他のワンちゃんの姿もたくさん見られますが、きなこが怯えないよう、私たちは挨拶してすれ違う程度に留めています。
確かに他の飼い主さんやワンちゃんとの交流も大事なことだと思います。ですが、たとえきなこにワンちゃんのお友達が出来なかったとしても、それを埋めるくらいに、私たちがたくさん愛してたくさん遊んであげればいい…一番大事なのは、我が子の笑顔なのですから。
そんな気持ちで今日も私は、きなこが喜んでくれそうなお出かけスポット探しに勤しむのです。