犬の里親になるための条件
ペットショップでもブリーダーでも、犬猫を売買する際には対面にて重要事項の説明(品種、体格、寿命、繁殖者情報、病歴、ワクチン歴、適切な飼養情報など18項目)が必要です。
しかし、飼育者へなにかしら条件をつけて譲渡することはほとんどありません。
何らかの事情で保護犬となった犬を引き取りたい場合、動物保護団体や動物愛護センターなどに問い合わせをしてみましょう。
自治体の愛護センターや民間の保護団体は、保護犬の引き取り希望者が実際に動物を迎える前に、様々な条件の確認を行います。
一般的な里親の条件を見てみましょう。
- 動物の愛護及び管理に関する法律、狂犬病予防法、自治体の動物愛護に関する条例、その他動物の使用に関する法令等(関係法令)を遵守すること
- 終生飼養すること
- 適切な飼養管理、しつけを行える大人がいること
- 経済的に動物を飼育する余裕があること
- 同居家族全員が動物の飼養に同意していること
- 譲渡を希望するサイズの動物を飼養可能な住宅であること
- 集合住宅への転居がないこと
- 譲渡を希望する動物の不妊去勢手術をおこなうこと
- 飼養動物が〇頭を超えないこと
- 留守番時間が長くならないこと
- 一人暮らしや65歳以上ではないこと
- 譲渡を希望する動物にマイクロチップや迷子札、鑑札をつけること
- 家族に動物アレルギーがないこと
このほか民間の保護団体では、独自に事前の自宅訪問やトライアル期間の設定、譲渡後の定期報告、室内飼いの徹底、子どもがいないこと、子どもを産む予定の夫婦は不可、独身不可、先住犬の不妊去勢手術、などの条件を設定しているところもあるようです。
また民間の団体のなかには譲渡の際に「金銭の寄付」が必要な場合もあります。
保護犬を迎えたい、と思ってもこれらの条件を見るとちょっと躊躇してしまいそうですね。
しかしこれらの条件が設定されているのには、きちんとした理由があります。
厳しすぎる(?)条件の理由
上記の条件を見て、「これはちょっと厳しい…」と感じる方もいらっしゃると思います。
犬が好きで、いざ犬を迎えようと考えている方のほとんどは「終生飼育なんてあたりまえじゃないか」「いわれなくても家の中で飼う」とおっしゃるでしょう。
しかし保護されている犬たちも、もともとはどこかの誰かが「かわいがろう」と思って飼育し始めた犬たちです。
それが何らかのアクシデントや不幸が発生し、一度「捨てられてしまった」犬たちは、大きなショックを受けて傷ついている状態といえます。
家族との別れや虐待などつらい経験をした犬たちには幸せになってもらいたい、同じようなつらい目に二度とあってほしくないという保護団体の願いが込められているため、どうしても条件が厳しくなる傾向となってしまうのです。
まとめ
里親になる一般的な条件と、そしてその理由についてまとめてみました。
保護犬たちは一度大きなショックを受けており、そのストレスは私たちが想像ができないほど犬を苦しめています。
そんな犬たちの心と体を守るために、そしてもう一度幸せに暮らすために里親へは厳しい条件が設定されていることが多いのですね。
団体や自治体によっては独自のルールや条件が設定されていることが多いので、里親に興味がある方は、ぜひ最寄りの愛護センターなどで情報を調べてみてください。