どうして?犬が人を本気噛みする時の心理4選
いつもはお利口な犬でもある日突然、飼い主や飼い主以外の人に牙を剥くという話は珍しくありません。今まで本気で噛んだことのない犬に噛まれたら、飼い主や噛まれた相手にとってトラウマになるほど精神的なストレスとなります。
なぜ犬は人を本気で噛むことがあるのでしょうか。ここでは、犬が人を本気噛みする時の心理をいくつかご紹介します。
1.自分の身を守ろうとしている
過去に噛んだ相手に嫌なことをされた場合、恐怖や不安から自分の身を守ろうと本気で噛むことがあります。よほど相手に嫌な触られ方をしたり、怖い思いを抱えるような行為をされたのでしょう。
また、今まで嫌がる行為をしていなくても犬が嫌がる行為を続けていると、徐々に唸るなどの攻撃的な兆候が見え始め、最終的に自分を守るために本気噛みすることもあります。
2.自分の食料や居場所などの環境を守ろうとしている
自分の身ではなく、自分が食べる予定のごはん(食料)や自分の縄張りである居場所など、自分の環境を守ろうと本気噛みすることも多いです。
飼い主は自分の縄張りを荒らさないと理解している犬が多いので、主に飼い主以外の人に対してこの心理が働くことが多いです。「もしかしたら僕のごはんを狙っているのかも」「それ以上、ここに近づかないで!」といった理由で、恐怖心を刺激されると本気噛みしてしまいます。
3.その人の行動に嫌悪感や不快感を覚えている
人間側にとっては良かれと思ってやっている行為でも、犬にとっては不快感や不安を感じる行為であることはとても多いです。お風呂や歯磨き、ブラッシングなどはよく聞かれる「犬が嫌がるお世話」の代表格です。
こうした行動に対して、まだ飼い主との信頼関係が十分に築けていない子犬や家に来たばかりの犬、あるいは正しく信頼関係が築けていない成犬は、本気で噛むことでその行為をやめさせようとすることがあります。
基本的にこうした行動には低姿勢にならず、恐怖で支配するような行為もせず、強い態度で無視をするといった反応が無難です。
そして、次回から愛犬が噛まないような環境づくりや必要なお世話であれば、そのお世話に良い印象を持つような誘い方を工夫するといった行動が求められます。
4.相手を自分の思い通りに動かそうと威圧している
飼い主がお世話をしようとした時、あるいはおやつが欲しい時など、本気で噛むことで相手を自分の思い通りにコントロールしようとする犬もいます。子犬や信頼関係が正しく築けていない飼い主などに多く見られる心理現象です。
このような本気噛みは、一度噛まれたことで妥協し要求に応じてしまうと「噛むと相手が思い通りになる」と学習してしまいます。そのため一切要求には応じず、その時はしばらく構わない、リアクションをしないといった態度を徹底することが大切です。
後ほど紹介しますが、怒鳴ったり体罰を加えたりすると、より攻撃性が増すこともあるため、この方法は誤ったしつけ方法です。注意しましょう。
さらに興奮させてしまうことも…本気噛みする犬へのNG行為は?
人に対して本気で噛んでしまう犬の場合、様々な理由から興奮状態に陥っていることが多いです。そのため以下のような行動は感情を逆撫でしてしまい、より興奮させてしまう恐れがあります。
- 大声を出したり大きなリアクションを見せたりする
- 怒鳴ったり体罰を与えたりする
- 嫌がる行為を無理やり実行しようとする
- 噛まれたことで低姿勢で接する
嫌がる行為を強引に推し進めることはもちろん、大声を出したり大きなリアクションをしたりする行為もより興奮させてしまう恐れがあります。
また、体罰や怒鳴るといった行為は興奮させるだけでなく、恐怖による支配下に置くことで、その相手ではなく他の人への攻撃性を高めてしまう恐れがあります。
さらに、噛まれたからといって「ごめんね」と低姿勢になったり、やらなければいけないお世話をやめたりすると、「噛めば自分の思い通りになる」と学習してしまいます。
この場合は、お世話に対して並並ならぬ嫌悪感や不快感を抱いていることが原因なので、まずは噛まれる前にお世話に対するネガティブな印象を取り除くことが優先です。
おやつを使ってみたり、飼い主が楽しそうに取り組んでみるなど、愛犬がお世話に対して「これをすれば良いことが起こる」とポジティブに捉えられるような工夫を日常的に取り入れてみましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬が人を本気噛みしてしまう心理は様々ですが、多くが自分の身を守るための「防衛本能」から来ています。より興奮させるような行為は避け、どうしても改善できない場合は専門家や獣医師、ドッグトレーナーに相談するようにしましょう。