悲しみの遠吠え!子犬を失った母犬の心は癒えるのでしょうか…

悲しみの遠吠え!子犬を失った母犬の心は癒えるのでしょうか…

民家のくぼみで出産した子犬を2匹とも失ってしまった母犬は、子犬のなきがらを守ろうとしていました。そんな母犬を時間をかけて説得し、悲しみを乗り越える手助けをします。

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悲しい遠吠え

通報・発見

悲しみに打ちひしがれた大型犬の保護依頼がありました。どういうことでしょう?ロスアンジェルスの保護団体Hope for Paws が現場にかけつけると、そのわけがわかりました。

「あの子、子犬をくわえてるね。」

子犬が何らかの理由で死んでしまったのですが、そのなきがらを母犬は放さず、移動するときは口にくわえているのです。

保護する側からすると、これは危険をともなうかもしれません。子犬を守ろうと、母犬が必要以上に神経質になっている可能性もあるからです。実はすでにある別の保護団体が保護を試みたのですが、犬が攻撃的であきらめたのだそう。

その際に、別の1匹の子犬の遺体を引き取ることはできたのだそうです。生まれた子犬2匹は、なぜ命を落としたのでしょうね…。

民家の前にいる犬に少し近づくと、もう警戒して吠えてきました。

保護までの道のり

民家の外壁に開いている穴から床下に入って、そこで子犬を出産したようです。長い柄(え)のついたネットを穴の前に置いて、犬が入らないようにふさぐことができました。

犬の鼻先に、丸みをおびた黒っぽいものが転がっています。それは死んだ子犬。もう吠えるのをやめた母犬は、その子を一生懸命なめています。「起きて。目を覚まして。」と言っているように見えます。時々、目で見て子犬の様子を確認しているようです。

ついには遺体をくわえて持ち上げ、植え込みの陰に隠しました。

隣に住む人によると子犬は早朝に亡くなったようで、その時から母犬は声を上げ始めたそうです。

心身ともに疲れ切って、本当はおなかがペコペコです。「ゆっくりね。信用してね。」と声をかけながら食べ物を差し出すと、母犬はおずおずと前に出てきて手から直接受け取りました。

まずは一歩前進です。まだ時々「グゥゥゥウ」とうなり声がもれてしまいます。

信頼関係はまだ固まっていません。犬は再び吠え、伸ばした棒を咬もうとします。おそらくこの子は本来、攻撃的な性格ではない様子。でも子犬のなきがらを守るために必死で抵抗してくるかもしれません。危険回避のために、金属棒の先にワイヤの輪がついた道具でつかまえることにしました。

そして輪を首にひっかけることができました。犬は何かしら理解して、受け入れた様子です。不安から鼻を鳴らしたり、うなったり、棒をかじったり。地面に横たわった子犬に近づくと、必死に吠えます。けなげです。

子犬を観察すると、足の欠損や顔面の形成不全などが見られました。生きていく力がなかったのでしょう。

犬を引っ張り出そうとすると、激しく抵抗します。

それでも少しずつ犬は静かになり、ついに地面に伏せて、自分から気持ちを落ち着かせようとしているようです。素手でなでられるようになり、信頼関係を作ります。「カイラニ」と名前をつけました。

うなったり吠えたりすることはもうしませんが、ケージを目の前に持ってきてもこの姿勢で「入りたくない、行きたくない」と主張するカイラニです。

穏やかな声で話しかけて体をさすり「行こうよ」とうながし続け、食べ物を見せると、やっと入ってくれました。

心のケア

病院に到着しましたが、カイラニはすっかりしょげています。子犬に呼びかけるように、彼女は部屋の中で遠吠えを始めたのです。こんな犬の姿を見たことがありますか?ちなみに子犬のなきがらは丁寧に葬りました。

そのままこの日はカイラニと一緒にこの部屋で過ごしました。並んで床で眠り、夜中すぎにふと目を覚ますとカイラニが顔を近づけていたのです。

動画では、この静止画よりもさらに鼻と鼻がつくぐらいに、カイラニが顔を寄せていますよ。

人との信頼関係を作ったことが、子犬を失った喪失感を克服するターニングポイントになりました。

後日、カイラニは避妊手術を受けました。卵巣のみ切除の、比較的負担の少ない手術です。術後に麻酔から覚めたばかりのカイラニ。舌がベローンと垂れて、目もよく開いていませんね。

狭い穴に出入りしていたために足の内側がこすれて皮膚がむけてしまっていたのですが、それも一緒に治療してもらったことでしょう。

それから

手術の2日後には、すっかり元気になったカイラニの姿がありました。遊び心が出てきています!今を生きる犬の、強くて美しい姿です。若く、人に心を開いたカイラニにはきっと、遠からず里親さんがみつかるでしょう!

動画を見ることは保護活動支援につながります。

※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
 掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel

Hope for Paws

▼▼ 公式サイトはこちら ▼▼
https://www.HopeForPaws.org

▼▼ Facebookページもあります ▼▼
https://www.facebook.com/HopeForPawsCalifornia

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