犬はジャンプが好き?
犬は本能的にジャンプをする機能が備わった体を持っています。それは狩猟や高低のついた山道を効率よく駆け回るために必要だったからと言われています。
今では犬たちはほとんどが家庭犬となり、その容姿は様々に変化しましたがジャンプが得意なのは今でも一緒です。ソファやベッドに飛び乗る時に、ハッとするくらいのジャンプを見せて驚くこともあるでしょう。
ジャンプで危険な方角はこれ
犬に備わっている機能ならジャンプをさせても問題ないのでは?と思うかもしれませんが、怖いのは下から上への垂直方向へのジャンプです。
移動するときのような姿勢のジャンプではなく、上下にピョンピョンと跳ねる場合に危険が潜んでいます。具体的に危険な理由を解説します。
3つの危険な理由
1.サークルから出してほしくてジャンプ
サークルから出してもらいたいために、ピョンピョンと後脚で上方向に飛び跳ねる子犬の様子を見たことがあると思います。これを繰り返すと下半身(脚、腰)に負担がかかります。
特に遊び盛りの子犬に多く見られますが、まだ骨や筋肉が未発達です。頻繁に上下にジャンプをすると、関節を傷める原因になり骨折や膝蓋骨脱臼につながることも。また、サークルの網目に爪が引っかかったり、着地時に滑って頭を打つなどの危険もあります。
2.ソファに乗りたくてジャンプ
大好きな人により近づきたい気持ちか、犬は人のソファやベッドに乗りたがりますね。
しかし、これも垂直方向へのジャンプです。犬は猫とは違い、垂直方向への着地が上手ではありません。もし床で滑り着地に失敗したら大変です。
特に超小型犬、小型犬では特に注意が必要です。実際にソファからの転落で骨折、膝蓋骨脱臼がおきてしまうケースも少なくありません。
リスクを最小限にとどめるためにも、ドッグステップなどの犬専用の柔らかい補助階段を利用し、日常の安全点検を心がけたいですね。
3.興奮がおさまらずにジャンプ
散歩に出る前やオヤツを与るときなどに興奮してジャンプする犬もいます。興奮しすぎて段差などを踏み外せばねんざにつながります。また、多頭飼いの場合は、怪我するような大きなケンカに発展する可能性も。
しかし、興奮してジャンプする行為は、飼い主がつけてしまったクセのようなものなので犬ばかりを叱っても仕方がありません。一度つけてしまったクセを直すためには、飼い主も一緒に取り組む必要があります。
このタイプの犬は「ジャンプをしたらいいことがあった」と、脳に擦り込まれています。例えばピョンピョンと飛び跳ねた直後におやつを与えていないでしょうか。ジャンプという行為と報酬(この場合はオヤツ)が結びついてしまうと、ジャンプが収まらなくなります。
治すためのキーは「おすわり」です。興奮が一度おさまった頃合いを見計らって、おすわりをさせてみましょう。支持に従ったらオヤツをあげることを繰り返していくうちに、ジャンプではなくおすわりをすれば報酬がもらえると理解します。
散歩時の興奮ジャンプを抑えるには、リード着用の前におすわり法をお試しください。
子犬のジャンプについて
「サークルから出してほしくてジャンプ」は、特に子犬時代に見られます。「ジャンプは足やひざ、腰に悪いのよ」と、子犬に言い聞かせるのは到底無理ですし、「だめ!」と叱ったところで、なぜ叱られているかも理解できません。
飼い主のもとに少しでも近づきたいという健気で純粋な気持ちからジャンプしています。叱るしつけではなく、ジャンプしないように工夫するとよいです。
サークル上部が空いているとジャンプできるので、サークルにカバーを付けたり、ケージを利用したりするのをおすすめします。また、上方から犬を出し入れしていると上には良いことがあると刷り込まれてしまい、ジャンプしやすくなるので側面のドアを使用するように気をつけましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬をジャンプさせてはいけない3つの危険な理由と、やめさせる方法をご案内しました。
しつけを行ったり環境を整備したりと、ジャンプしないように対処しましょう。危険なジャンプから愛犬を守っていきたいですね。