札幌市では多頭飼いする時は届け出が必要になる!?
札幌では犬や猫などペットのため、「動物愛護管理条例」の訂正を行い、それぞれの生き物に対した適正管理や飼育環境の向上を目指しています。
新しく考えられた条例案とは
犬猫を10匹以上飼育する場合、市に届けることが必要
多頭飼育をしている者は条例施行後「60日以内」の届け出を義務付ける。
また飼育途中、10匹以上になった場合は「30日以内」の届け出を義務付ける。
違反者には5万円以下の過料を科す方針。
犬猫の引き取りを有料化する
現在は犬猫の引き取りは無料で行っているが、引き取り手数料を2100円にする。
この内容に対し、市民から329件(132人)の意見が寄せられたようです。
その市民から届いた意見を反映させ、2016年2月17日開会の市議会定例会に条例案は提出される予定です。
はたして、どうなるのでしょうか?
命を守るための「義務」
札幌市が「多頭飼いの届け出」「犬猫引き取りの有料化」を義務化しようとするにはわけがあります。
それは命を守るためなのです。
多頭飼いの届けを出義務化することによる効果
飼育数が増えすぎたことによって、飼い主さん自体が管理できなくなってしまうと、不衛生な状態になり、害虫がわき、何とも言えない悪臭が漂います。
そして、そのような状態で平気で動物を飼う飼い主さんは、犬の場合だとちゃんとしつけをしていない方が多いでしょう。
1匹が何かの拍子にわんわん!と吠えれば、そのほかのわんちゃんも一斉に吠え始めます。
まるで犬の大合唱のようです。
猫の場合は放し飼いをしている方もいるので、たくさんの猫があっちの家に行きゴミをあさり、こっちの家に行っては花壇でうんちをし・・・
ウロウロ、ウロウロ行きたい放題です。
そんなお家がご近所さんだったらどうでしょう?困りますよね。
今すぐ市にHELP!の電話です。
実際このような住民トラブルが相次いでいるため、札幌市は「多頭飼いの提出」を義務化したのです。
「多頭飼いしています」と市に提出することによって、きちんと多頭飼いしていない方は、「市に把握されている」という「札幌市の目」を気にして、少しでも衛生的に、ご近所に迷惑のかからない飼育をしようという気持ちになるのではないかと思います。
そして届け出を出すことにより、市に把握されるのが嫌ならば、避妊・去勢手術をするなどして、繁殖を防ごうという気にもなるのではないでしょうか。
届け出を義務化することで助かるのは、ご近所さんだけではありません。
不衛生な状況、飼い主さんの手に負えない状況で飼育されていたペットたちもです。
掃除もされず、雑菌だらけのところで飼育されていたらあっという間に病気になり、最悪の場合命にも影響してきます。
飼い主さんがきちんと管理してくれていない環境で生活していたら、ペットたちの心にも悪影響です。
札幌市は多頭飼いの届け出を義務化することにより、市民とペット両方の生活の安全を守ろうとしているのです。
犬猫の引き取りを有料化の効果
札幌市が多頭飼いの届け出と、犬猫引き取りの有料化を同じ時期に義務化しようと考えたのにはわけがありました。
避妊・去勢手術など繁殖を防ぐ処置を取らないことで、いつの間にか多頭飼育になっていたということが猫の場合、特に多いようです。
またこんな統計があります。
札幌市動物管理センターが2013年度に引き取った、猫454匹のうち256匹、犬119匹のうちの34匹が多頭飼いが原因だったそうです。
猫は実に半数以上が多頭飼いが原因ということですね。
無責任な飼い主により、亡くなる命が後を絶えないのです・・・。
きちんと飼い主が避妊・去勢をしてくれるには有料化しかないのでは、というのは少し悲しい考え方なのかもしれません。
しかし、この状況に心を痛め、なんとかならないかと札幌市は有料化へ踏み出したのではないでしょうか。
まとめ
生き物を飼うということは、命を預かるという事です。
愛犬、愛猫、その他のペットたちは飼い主を選べません。
命を預かったからには、健康を守ること、安全を守ること、心を守ること・・・。
たくさんの義務を背負うという事です。
札幌市が提案したこの義務はとても素晴らしいものだと思います。
「札幌市は生き物にやさしい街」なんて言われる日が、いつか来るかもしれませんね♪