犬のウンチ袋が環境に及ぼす影響はどのくらい?【研究結果】

犬のウンチ袋が環境に及ぼす影響はどのくらい?【研究結果】

プラスチックゴミが環境に及ぼす影響は一般にも広く知れ渡っていますが、犬のウンチを捨てるために使われるビニール袋はどの程度の影響があるのでしょうか?数値として算出された研究結果をご紹介します。

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犬のウンチ用ポリ袋と環境汚染

ウンチ袋を持つ飼い主とコッカースパニエル

マイクロプラスチックや海洋プラチックゴミ問題など、プラスチックが環境を汚染する問題は世界中で大きく取り上げられ、レジ袋やプラスチックストローの廃止や制限も一般的になりつつあります。

愛犬家にとって使い捨てのポリ袋のと言えば、毎日お世話になっている犬のウンチ袋が最も身近なものでしょう。

この度、中国の曁南(きなん)大学環境学部環境マイクロプラスチック研究センターの研究者チームが、世界中で1年間に廃棄される犬のウンチ袋の量と、それが環境全体のプラスチック汚染のどのくらいの割合を占めているのかを推定して算出した結果を発表しました。

犬のウンチ袋は世界全体でどのくらいのインパクトがあり、どのような対策をとれば良いのでしょうか?

世界中で消費されているウンチ袋の量

設置されているウンチ袋

犬の排泄物を回収するために世界中で最も多く採用されているのは使い捨てのポリ袋を使う方法です。犬のウンチ袋がレジ袋などと最も大きく違うのは、ウンチ袋はリサイクルされることはなく通常1回限りの使用で廃棄されるという点です。

生分解性の高いウンチ袋も市販されてはいますが未だ少数派です。世界中でどのくらいの量のポリエチレンが、犬のウンチ袋として消費されているのか今までほとんど注目されたことはなく数値も把握されていないそうです。

研究チームはアメリカで最も広く使われている2種類の犬用ポリ袋をモデルにして、全世界のウンチ袋年間使用料を算出しました。

モデルとなった袋はアメリカの公園や歩道などに設置されている誰でも自由に使えるもので、1枚あたりの重量が約1.8gのものと、やや厚手の約3.0gの2種類です。無料設置ではない市販の袋もほぼ同じタイプです。

ポリ袋1枚あたりの重量、ペットの犬の数、犬一匹あたりに使用されるポリ袋の数を基に、犬のウンチ袋の年間世界消費量が算出されました。

世界中の多くの国がペットの犬の登録制度を持っているので犬の数はそれら登録数に基づいています。実際には未登録の犬や登録制度のない国もあるので、犬の頭数は低く見積もられています。

これらの数値から、世界の犬のウンチ袋年間消費量は4,150億枚以上、重量にして76〜123万トンと推定されます。

犬のウンチ袋の年間消費量は各大陸によって異なります。消費量の多い順にアジア、北米、アフリカ、ヨーロッパ、南米、オセアニアとなっています。

アジアでの袋の消費量は年間1,630億枚以上(重量ベースでは28〜45万トン)北米では約820億枚(重量ベース14〜23万トン)が消費されています。最も少ないオセアニアは年間約40億枚(重量ベース6,800〜1万1千トン)です。

これらの消費量は、同研究所がリサーチした世界の河川へのプラスチック流出量のパターンと一致しているといいます。

具体的にどんな問題があり、どう解決すればいいのだろう?

プラごみによる海洋汚染

推定算出された犬のウンチ袋の年間消費量4,150億枚以上、重量76〜123万トンというのはプラスチック廃棄物全体の0.6%程度に当たります。

この数字だけを見ると大したことがないように見えますが、排泄物を回収して捨てるという目的のために製品としてのサイクルの短さや、再利用ができないことを考慮すると、犬のウンチ袋の処理は決して無視できないものだと研究者は指摘しています。

使用済みの袋が本来のルートである埋め立て地や、焼却炉にたどり着いた場合にはまだ良いのですが、袋ごと放置された場合には大腸菌などの問題もあります。

生分解するという特殊なポリ袋もありますが、これも河川や海に流出した場合には海洋生物が誤飲するなど悪影響がありますし、土中で分解して細かくなった場合にはミミズなど土壌環境の生物への悪影響があります。

研究者は、犬のウンチ袋は防水性のある紙製にすることが環境にとっては理想的だと述べています。ただし、ポリ袋に比べるとコストはかなり高くなります。

完全に紙製の袋に移行することが難しい場合、1つの袋で複数のウンチを回収するよう努力することが勧められています。そして使用済みの袋は確実にゴミ箱に捨てて環境中に残さないようにしなくてはなりません。

まとめ

ウンチ袋ディスペンサーをくわえたチワワ

犬のウンチ袋が世界中でどのくらい消費され、プラスチック廃棄物のどのくらいの割合を占めているのか、環境への影響はどうなのかという研究についてご紹介しました。

愛犬のウンチを放置しないのは当然ですが、ポリ袋で回収した場合にも確実にゴミとして処理されるようにするのが飼い主の責任であること、環境への影響をできるだけ小さくする努力の大切さなどが訴えられています。

なお「ポリ袋を使わずに土に埋めたり河川に流せば自然に分解されるのでは?」というのは大きな間違いです。

ドッグフードには防腐剤が含まれる場合もありウンチは自然に分解されません。分解された場合にも排泄物中のチッ素の割合が高過ぎて土中の微生物のバランスを崩したり、土壌や水質の汚染にもつながります。

愛犬のウンチの始末という当たり前のことをしっかりとすれば良い話なのですが、環境に与えるインパクトについても一人一人の飼い主が知っておくことが重要です。

《参考URL》
https://doi.org/10.1016/j.envpol.2021.118355

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