飼い犬がダニ麻痺症を発症!救急病院での処置の実際

飼い犬がダニ麻痺症を発症!救急病院での処置の実際

ダニ麻痺症を発症した犬を例に、症状や治療の様子、回復と認められる基準を説明します。ダニの吸血により引き起こされる可能性のある病気のひとつです。

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救急搬送

診断と処置

オーストラリアに住むこの犬は体が思うように動かなくなって救急病院に運ばれました。検査の結果、ダニに吸血されたことによってマヒが出る、ダニ麻痺症を発症していることがわかりました。

ある種のダニが吸血すると同時に神経毒が犬の血中に注入され、犬は歩行困難からまばたきができなくなる、水や食べ物を飲み込めなくなるというように重症化する可能性があります。これはダニが媒介する感染症とは異なり、ダニのだ液に含まれる毒素によって引き起こされます。オーストラリア東部では非常によく見らるそうです。 

この子のびっくり眼(まなこ)も、マヒのためかもしれません。

ダニ麻痺症が疑われたり診断された場合、まずは病院で体じゅうからダニを可能な限り見つけ出して駆除します。

この子の顔についていたダニを取ると、脱毛したあとがくっきり浮かびました。

体がマヒして思うように動かせなくなると、犬は不安から興奮することもあります。鎮静剤を打ち状態を落ち着かせました。

そして前足から血清を注入し、反応を観察します。

犬の状態が安定していれば毛刈りをしてダニ駆除剤で体を洗います。

帰宅の判断基準と注意点

以下の基準を満たせば犬は帰宅可能です。

1.吐き気をもよおさずに食べたり飲んだりできる。
2.普通に歩行できる
3.自発的に排尿できる。

動画のこの子も、どうやら回復したようです。

犬の皮膚に食い込んでいるダニを発見したら、飼い主が自分であわててもぎとってはいけません。ダニの口先が皮膚内に残ってしまうと毒素は注入され続けて処置が余計に困難になります。ダニを見つけたら、そのまま急いで病院に連れて行きましょう。

ダニの吸血による貧血や他の病気もあります。茂みを歩く散歩の後は、念のため飼い犬の体を確認できると安心ですね。人間も咬まれる可能性があります。気をつけましょう!

※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
 掲載YouTubeチャンネル:Animal Emergency Service

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