家庭内の音が犬にとってストレスになっている可能性【研究結果】

家庭内の音が犬にとってストレスになっている可能性【研究結果】

日常生活の中のいくつかの騒音が飼い主の想像以上に犬にストレスを与えている可能性を指摘する研究結果が発表されました。飼い主が気をつけたい点も含めてご紹介します。

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家庭内の騒音が犬にストレスを与えている?

雷に怯えるフレンチブルドッグ

犬が突然の大きな音を怖がるのは一般的なことです。花火や雷などの音はその代表的なもので、頭を悩ませたり対策を立てている飼い主さんも少なくありません。

犬の音への感受性について、過去の研究もほとんどが上記のような突発的な大きな音を対象にしています。

一方、日常生活の中で頻繁に聞こえる音と犬についての研究は今までほとんどありません。日常的な音が犬に影響を及ぼすとしたら、花火や雷のようにインパクトは大きいが稀にしか聞こえない音とは違う対策が必要です。

この度、アメリカのカリフォルニア大学デービス校獣医学部の研究者チームが、掃除機や家電の警告音などの一般的な家庭内の騒音と、犬の不安やストレスとの関連を調査した結果を発表しました。

飼い主へのアンケートで犬の反応を調査

ソファーの端で丸くなっている犬

研究者チームは、家庭内での生活騒音に犬がどのような反応を示すのかを調査するため、2つの方法でデータ収集と分析を行いました。

調査方法の1つは犬の飼い主を対象にしたオンラインアンケート調査。参加者はソーシャルメディアを通じて募集され、386人が回答を寄せました。

基本事項以外の項目は選択式ではなく記入式で行われ、回答者は家庭内の何の音に愛犬が反応を示すか、犬の反応はどのようなものであるか、その時飼い主はどのような態度を示しているかが調査されました

回答者の66.8%は愛犬は特に怖がりではなく、恐怖に関連する行動上の問題は見られないと答えました。しかし、花火や雷のような大きな音を怖がるか?という質問には約半数の回答者が「はい」と答えました。

家庭内の騒音では、煙感知器やガス漏れ警報器などのビーッビーッという音や、各種家電の電池切れを警告するピーピー音について29%の回答者が「反応する」と回答し、掃除機、洗濯機、食器洗浄機など警告音よりもマイルドな生活騒音に対しては17.9%が「反応する」と答えました。

生活騒音への犬の反応は吠える、隠れる、ウロウロするなどが上位を占めました。ブルブル震える、ハアハア喘ぐ、ヨダレを出すなどはっきりと恐怖を示したり、アクビや唇を舐めるなど明らかなストレス行動は10%以下と少数でした。

アンケートの結果からは、飼い主が犬の反応を過小評価している可能性、さらには犬がストレスを感じていることに気づいていない可能性が伺えます。

インターネット上の犬の動画を検証

掃除機に驚く犬

調査の方法のもう1つはYouTubeにアップされている、家庭内での音に反応している犬の動画を見て、犬がどの程度ストレス行動を示しているかを検証するというものでした。

犬、煙感知機、警告音、驚く犬、掃除機、怖がる、などの検索ワードで出てきた動画のうち、音がクリアに録音され犬の動作や表情がよくわかる57本が選ばれました。

動画の82.5%は高周波の音に犬が反応しているものでした。ビーッビーッという警告音や、報知器がピーピー鳴る音です。低周波の音に反応していた動画は10.5%でした。これは電子レンジの稼働音やロボット掃除機が動く音などです。

動画に収められていた犬の行動でストレスに関連するものは、飼い主に接近する、唇を舐める、尻尾を揺らす、ハアハア喘ぐ、飛び上がる、前足を上げる、吠える、頭をそらす、身体を硬直させる、耳を後ろに倒す、などが確認されました。

このように、家庭内で日常的に聞こえる音で犬が明確にストレスを感じていることが示されているのに、動画をアップしている飼い主はそれを認識していませんでした。それどころか犬が驚いたり怖がったりする様子を人間が笑っているものもありました。

研究者はこのような飼い主が犬の日常的なストレスに気づいていない傾向を、犬の福祉を損なうものとして重く受け止めています。犬は聴覚が優れているため、高周波の音は耳に痛みを感じさせている可能性も指摘されています。

まとめ

カーテンに隠れる2匹の犬

犬の飼い主へアンケートやインターネット上の動画を分析調査したところ、日常生活の中で聞こえる報知器や家電の音が、犬に想像以上のストレスを与えている可能性があるという結果をご紹介しました。

生活音を消すことは難しいですが、何より大切なのは犬の仕草や行動が意味するところを飼い主が理解しておくことです。犬のボディランゲージを勉強する書籍やビデオはたくさんあるので利用しない手はありません。

知っておくことで犬がストレスを示す行動をした時に迅速で的確に対応ができます。具体的には可能であれば音を止める、音が届きにくい別室に移動させる、普段から愛犬がどんな音を嫌がるのか把握しておき予め移動させておく、などです。

犬のストレスやニーズを理解して対応することは犬の福祉を向上させ、飼い主との絆を強くするために不可欠です。

《参考URL》
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2021.760845/full

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