犬が頭を振る理由
犬が体を震わせるのは、虫や汚れ、水などを身体から払い落すためであったり、緊張をほぐすスイッチのためであったりします。
よく見られるのが、雨に降られたときやシャンプーで体を洗われるときですね。このようなときは全身をぶるぶるっと震わせて被毛についている水を弾き飛ばします。
どんなにびしょびしょになっていても、一瞬で水切りができてしまうので凄い勢いで身体をゆすっているのでしょう。
また犬たちは体の一部をぶるっと震わせることもあります。
虫がくっついてちょっと痒かったり、うっとうしかったり、お散歩をしていて葉っぱなどがくっついていて気になるときなど、背中やお尻だけぷるぷるっと振り動かすことがあります。
さてこのような犬の「振る」動作ですが、水切りやくすぐったさの対処以外でも日常的によく見られます。
多くの場合、犬が頭を振っているときは何らかの「カーミングシグナル」であることが多いようです。
よく見られるのが「ちょっとした緊張や不快感を紛らわす」ために頭を振る犬です。
散歩の最中に出会った犬と挨拶をするとき、お互いににおいを嗅ぎ合った後にぷるぷるっと頭をふっていたら、その挨拶はちょっと緊張をするものだったのかもしれません。
おうちで遊んでいるときも何かの拍子に犬がぷるぷると頭を振ったら、少し嫌なことがあって気分を紛らわせていると考えてあげましょう。
このような「頭を振る」という動作ですが、あまりに頻繁な場合は単なるカーミングシグナルではなく何か病気の兆候かもしれません。
犬が何度も頭を振る理由
1.外耳炎になっている
これは特に蒸れてしまいやすい垂れ耳の犬に多い病気ですね。
耳の中の鼓膜より外部分に炎症が起こり、湿疹ができたり激しいかゆみを生じたりします。
蒸れや汚れが原因の他に、「ミミヒゼンダニ」という小さなダニに寄生されて炎症を起こすこともあります。
外耳炎になるとしきりに耳を気にしてかゆがったり、頭を激しく振ることが増えたりします。
また耳から悪臭がしたり、真っ黒い耳垢がたまったりという症状も見られます。ひどくなると掻きすぎて出血したり、耳血種などを引き起こしたりします。
早めに動物病院で診察し、外耳炎のお薬を処方してもらったり耳掃除をしてもらうと良いでしょう。
2.傷や吹き出物などの異物がある
こちらも外耳炎同様に「耳の異常」です。掻くほどではないけれど何か気になるものが耳付近にあると、犬はその異常や異物を取り払おうと頭を振ることが多くなります。
こちらも放置しておくと傷がひどくなったり、吹き出物などが大きくなって化膿してしまうことがあるので、気が付いたら獣医さんに相談してみてください。
3.てんかんなどの神経や脳の病気
愛猫が上記の外耳炎や耳の異常とはちょっと違う頭の振り方をしていたら、特に注意しましょう。
自分でコントロールしていないような振り方や揺れ方、具体的にはぶるんぶるんと耳を揺らすような振り方ではなく、小刻みに震えているようであったり、頭全体を揺らすように動いている場合は、てんかんの発作であったり、耳の炎症が奥に進み神経の異常が生じている可能性があります。
状態をよく確認し、たとえ落ち着いたとしても様子を見ないですぐに動物病院を受診しましょう。
まとめ
犬が頭を振る時、そのほとんどが病的なものではありません。
しかし執拗に頭を振ったり耳を気にする素振りがあるときは、外耳炎や脳の病気の可能性もありますのでよく観察してあげてください。
また、日頃から愛犬の耳の中を清潔に保ってあげることで「頭を振る」原因を作らないことも大切ですね。